社会的養護施設第三者評価結果 検索

和泉乳児院

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 S25047
SK15179



【2】種別 乳児院 定員 40名
施設長氏名 栗延 雅彦 所在地 大阪府
URL http://www.nyuyouji.or.jp
開設年月日 1952年08月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 和泉乳児院
職員数 常勤職員 47名 非常勤職員 13名
専門職員 社会福祉士 1名 保育士 36名
社会福祉主事 4名 看護師 5名
栄養士 1名 調理師 5名
施設設備の概要 (ア)居室数 5室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 和泉乳児院は法人理念の下、子ども中心の養育を掲げ、子どもの最善の利益の追求と権利を擁護する援助を行い、子どもの未来と家族再統合のための支援に取り組む。そのために安全で安心できる生活環境の整備や健やかな身体と豊かな心を育む食育の推進、なにより子どもとの愛着関係を築くための支援を行う。連続性、継続性、一貫性ある支援を行うため、合同保育や合同行事など乳児院・幼児院両施設の連携を図る。また地域社会に根ざし奉仕と社会貢献に努める。
【4】施設の特徴的な取組 ①乳幼児合同保育
モンテッソーリ教育を基本に乳児は2歳児、幼児は3歳児を対象に合同保育を行っています。担当職員は乳児院と幼児院より1名ずつの専任保育士によりほぼ毎日実施しています。

②里帰り会
当院から委託変更などで児童養護施設等へ移っていった子どもたち(小学生)を対象に、ライフストーリーワークの一環として乳児期の生活を振り返ることで少しでも子どもたちの成長や自己肯定感につながればと思い行っています。

③里親支援機関事業
平成29年度より里親委託を推進すべく、これまでの児童養育の専門性を発揮し、新規里親のリクルートから子どもの委託後まで一貫した支援を行い、子どもと里親が安心して生活を送れるよう充実した支援を目指します。(名称:里親支援機関「つむぎ」)
【5】第三者評価の受審状況 2017年05月25日(契約日)~ 2017年11月28日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 和泉乳児院は、駅から徒歩圏にあり、また高速道路や幹線道路へのアクセスも良い閑静な住宅街の中に位置しています。
 7市の民生委員・児童委員の発意によって創建され、各行政や社会福祉協議会等から支援を受けながら運営しています。同一の建物の中に幼児院があり、連続性、継続性、一貫性のある支援を行う為、両施設の連携を行っています。乳児ユニットケアや小規模グループケアにより、家庭的な養護を推進しています。
 また、地域子育て支援拠点「おやこ広場事業」、「子育て相談」、里親支援機関事業「つむぎ」、子育て短期支援事業(ショートステイ事業)、親子関係再構築支援事業などの福祉サービス事業を行っています。

◇特に評価の高い点
地域福祉ニーズへの積極的な対応
 地域の関係機関と連携し、各種会議にも積極的に参加し、国の政策の情報を得て、法人で各市町村の委託を受け、子育て支援事業(ショートステイ)を実施しています。また、泉大津市の委託事業として「おやこ広場事業」、電話による子育て相談事業など、地域に対する子育て支援活動を実施し、積極的な支援を行っています。

養育・支援の意識の高さ
 乳幼児の代弁者として子どもの権利を護りながら個別的ケアを重視し、一人ひとりに寄り添う養育・支援が行われています。また、担当養育制であることから個別のかかわりを持つことができ、愛着関係の形成に向けた取り組みが工夫されています。さらに、各専門職との連携が十分に取られており、現状にとどまることなく、養育・支援の質の向上に努力している職員の意識の高さが評価できます。

災害時における子どもの安全確保のための取り組み
 災害対策委員会を設置し、災害時対策マニュアルに沿って適切な取り組みがなされています。また、様々な災害を想定した、定期的な避難訓練を実施しています。

◇改善が求められる点
中・長期計画と事業計画の内容の具体化
 家庭的養護の必要性や社会的養護の目指す方向性がうたわれた中長期計画と事業計画が策定され、実行が始まっています。今後は現在の質の高い支援を次世代に継続するために、より具体的な「支援の内容」「組織体制や設備の整備」「職員体制」「人材育成」など、人・モノ・カネ・情報についての項目を設け、課題の把握と評価をもとに策定し、実行することが求められます。

養育マニュアルの改訂
 乳児院に家族支援、ソーシャルワーク的機能がますます求められるようになっている現在、以前からある養育マニュアルでは不十分です。昨年度から小規模グループケアも1つ増えたことから、施設のパンフレットと養育マニュアルの改訂が求められます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  昨年、一昨年の自主評価の積重ねもあり、職員たちもようやく第三者評価受審の意義や必要性とともに、少し要領も掴めてきたように思います。
 また、院にとっては前回の課題からどう改善できたのか、或いはできなかったのかが明確となり、今後の更なる課題や目標が鮮明となりました。
ありがとうございました。
 昨年の児福法改正や本年8月の社会的養育ビジョンなど、今乳児院等を取り巻く環境や求められる役割・機能が大きく変化しようとしています。そのようなかで第三者評価は、今後も我々が目指す道しるべになって欲しいと思います。
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