社会的養護施設第三者評価結果 検索

静岡乳児院

【1】第三者評価機関名 (合)静岡評価センター
評価調査者研修修了番号 SK2021147
SK2021149



【2】種別 乳児院 定員 20名
施設長氏名 古屋 光晴 所在地 静岡県
URL https://shizuoka-emilie.org/nyujiin
開設年月日 1967年08月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人エミリー
職員数 常勤職員 30名 非常勤職員 3名
有資格職員 保育士 24名 看護師 2名
管理栄養士 2名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 本体院舎1室・新院舎(小規模養育)2室 (イ)設備等 厨房・浴室・トイレ・洗面所・洗濯室・整理室・応接室
(ウ) プレイルーム(会議室)・心理療法室・面会室・多目的室  (エ) 新生児室・調乳室・診察室・病室
【3】理念・基本方針 (法人理念) 社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上並びに事業経営の透明性の確保を図り、もって地域福祉の推進に努める。
(施設理念) チルドレンファースト
(施設方針)
1 子どもの最善の利益の追求と、子どもの権利を守ることを最優先にし、常に、子どもの心と立場で考え行動する。                       
2 子どもにとって親や家族の存在が重要であることを理解し、より良い親子関係を築くため、保護者支援やアフターケアの充実に努める。                                             
【4】施設の特徴的な取組 1 「チルドレンファースト」を理念とし、日常の業務を遂行するとともに、抱えている課題の解決に当たっては優先順位の高いものから職員全体で計画的に取り組んでいる。
2 人材育成方針を策定し、それに基づき計画的な職員研修を実施している。
3 学生の保育実習を積極的に受け入れ、社会的養護に対する理解を広めるとともに、有為な人材育成の一部を担っている。
4 小規模養育を2ユニットにおいて実施し、密な関わりを持って養育を推進している。 
【5】第三者評価の受審状況 2023年07月10日(契約日)~ 2023年12月28日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◇特に評価が高い点
◆「チルドレンファースト」に徹した職員の意識
「あかちゃんのお家」や「こころの安全基地」、また、「あたりまえの生活」などのキーワードに、「チルドレンファースト」を養育方針とされている。施設内見学では、子どもと目線を合わせて寄り添い、子どもの手の届く位置で見守る職員と子どもたちの笑顔が確認されている。子どもに話しかける職員の言葉からは、「子どもへの尊重の気持ち」が窺える。
◆職員の管理体制
施設の全体像を把握して、適切に判断する役割を担う院長と支援や業務の分野をトータル的にまとめる役割を担う副院長の存在は、職員の安心の源となっている。また、管理職員の経験や成果が裏付けとなり、安定した支援につながっている。管理職員は失敗を責めることなく、職員に思いやりをもって接している。職員の意見や要望をきちんと聞き取り、前向きな検討と改善しようとする姿勢を職員は理解している。管理職員の人間性や姿勢を見習い、目標を明確に定めて次のステップを真剣に考える職員の声が確認されている。
◆地域との関係性と退所後の継続的支援
自然豊かな野菜畑が多い地域との関係を大切にされ、散歩での会話などの交流から豊かな人間関係や愛着形成の成長につなげられている。子どもが退所する際には継続的支援が実施され、退所後の生活の安定に大きく貢献されている。
◆自ら迎え入れる姿勢
職員は笑顔で明るく、迎え入れようとする姿勢がある。来訪者に対して、職員から出向えて声をかけて自然に受け入れている。訪れるものを受け入れるのは当然のこととして、自ら足を運び迎え入れる姿勢が施設全体に浸透している。
◇今後期待される取組み
◆事業計画について
「事業計画の役割と周知の必要性」について模索しており、今回の自己評価の段階ではまだ確信を持てない状況であった。しかしながら、今回の評価で「事業計画の役割と周知の必要性」について、施設としての視点を捉えることができたように窺える。直接支援を行う職員と事業計画との「一体感」が欠けていることが課題であり、事業計画の内容としては問題ない。今後は、職員が「自分も計画の一員」であることを意識できるような項目を設けるなどの工夫が期待される。
◆育成担当職員の設置
中堅職員の育成を課題としているが、現在、職員の育成を目標とするベテラン職員が在籍している。当院の魅力や働きやすさを伝え、風通しの良い職場、雰囲気作りに努めたいとの意向を示されている。育成担当職員などを設置するなど、育成に向けた着実な取組みが期待される。
◆家庭的な食生活に向けた工夫
子どもの食生活については、管理栄養士により栄養面や衛生面、また食育においても十分に対応されている。しかしながら、6人の乳幼児のへの対応については職員の負担が大きいことが想定されるため、対応状況についての検討が求められる。さらには、家庭的な食生活の1つとして、日常的な気候の変化や生活状況に応じたメニュー変更が可能となるような工夫が求められる。主体性が広がる機会につなげられたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 自己評価や第三者評価により顕在化した問題を、どうしたら解決できるのかを職員が自ら考え、実行し、評価・改善することを繰り返し行ってきたことで、職員が一丸となって安心・安全な乳児院を目指す職場風土が醸成できてきたのかなと思っています。
今回の第三者評価の総評は、こうした職員の努力が評価されているものと感じています。特に、養育や支援の職員の実践が高く評価されていることは、職員に大きな励みと自信を与えています。これからも、子どもたちの命を守り、育てる乳児院の使命を常に抱き、第三者評価が気づかせてくれた問題を解決することに取り組んでまいります。
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