【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | 25地福第2303-11号 SK18127 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 15名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 水谷 暢子 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://tootsu.jp/ | |||
開設年月日 | 1974年05月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人遠淡海会 | |
職員数 | 常勤職員 | 20名 | 非常勤職員 | 5名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 1名 | 医師 | 3名 |
---|---|---|---|---|
看護師 | 2名 | 保育士 | 13名 | |
栄養士・調理師 | 3名 | 児童指導員 | 2名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 2室(乳児寝室・乳児観察室) | (イ)設備等 | サンルーム兼ほふく室、面会室 |
---|---|---|---|---|
(ウ) | 食事室、浴室、調理室、遊戯室、 | (エ) | 親子生活訓練室、心理療法室、相談室 | |
【3】理念・基本方針 | ★理念 【法人の基本理念】 周りから及ぼす日々の自然の教えは、教えるとか指導するとか以上に大きな影響を与えます。施設の日常においては、周りの土地、建物、設備及び人等の総てが施設の良き雰囲気作りの要素としてふさわしくあるよう、施設全体の環境整備に努めます。 特に、施設の雰囲気作りに及ぼす「人」の影響の大きいことを考え、職員各々がその成長を心掛け、もって良き雰囲気の醸成に努めます。 ★基本方針 ◇安心できる良い環境づくり◇ ~かけがえのない大切な生命(いのち)の輝きを温かく見守る養育~ 1 一人ひとりの子どもの最善の利益を追求する。 2 子どもの権利を護り、快い体験をたくさん引き出す家庭的養育により、将来の人格形成の基礎となる基本的信頼感を獲得させる。 3 安心、安全感のある応答的環境の保障により、共感、思いやり、自尊感情を育む。 4 個(性)を尊重し、たくましく、社会性を伸ばし自立への支援をする。 5 認め合い・分かち合い・支え合いにより、世代を超えたより良い絆を大切にした家庭再生のための養育支援を行う。 |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | 近年、SBSなど被虐待児や超未熟児・慢性疾患を持った病虚弱児も多く、これらの子どもたちは定期受診やリハビリテーションが必要である。このため、小児精神科医や理学療法士の助言を仰ぎ、日常生活の中で治療的な取り組みをしている。また、ベビーマッサージやブレインジムを実施している。 令和2年度より入所児の年齢や発達行動特性を検討し、月に数回の乳児院独自の発達支援プログラム「体験プログラム」を臨床発達心理士により実施している。このプログラムには感覚統合的な運動要素を盛り込み、各年齢・発達に応じた取り組みを工夫している。 また、乳児院の多機能化事業の一つである育児指導機能強化事業を開始した。この事業を「かもっこ」と名付け、子育て家庭の相談に応じるとともに、「おでかけ広場」と称したベビーマッサージと親子運動遊びの出張プログラムを各月に1回開催し、地域の在宅児への支援の場と位置付けている。 従来の児童相談所との連動事業は、浜松市は「育ち・育ての連続性をつなぐ」支援事業として静岡県の発達支援事業共々、担当児の将来に向けての担当者からの想いを綴っていくという新たな展開も増えた。従来の養育目標立案・評価のPDCAサイクルもアセスメントを充実させ、子ども一人ひとりへの支援の充実を図っている。 |
|||
【5】第三者評価の受審状況 | 2020年06月15日(契約日)~ 2021年02月22日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成30年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ◆権利擁護と適切な支援 年度の重点事項の一つに権利擁護を掲げている。「倫理綱領」が徹底され、日々の「自主評価チェックリスト」による自己評価に加え、他者評価を行うことで内部牽制の機能が働いている。さらには、院内カメラにより子どもの安心・安全を保つ仕組みがある。 ◆予防的発達促進的養育 被虐待児や病虚弱児へのリハビリテーションとして、小児精神科医や理学療法士の助言の下、ベビーマッサージやブレインジムなどの心理的また治療的支援を実施し効果を上げている。 ◆地域資源としての役割 在宅児支援の一環として、育児指導機能強化事業「かもっこ」を運営している。子育て家庭の相談や、「おでかけ広場」と称した出張によるベビーマッサージと親子運動遊びを各月に1回開催し、地域資源としての存在価値を高めている。 ◇改善を求められる点 ◆業務目標の設定と管理 職員が業務を行う上では、理念や基本方針に基づいた目標を設定し、目標に向かって取り組むための仕組みづくりが期待される。個々の質を高めるためにも、定期的な個人面談等で進捗状況や達成度を確認、評価し、次の目標につなげていくことが望ましい。目標管理に関するシステムの導入など、検討の余地がある。 ◆保護者への説明と理解 入所時に、保護者が施設での養育支援の内容を知り、十分な理解を得ることは、安心して子どもを預けられ、今後の家庭との連携を図る上で重要な事項となる。また、十分に説明責任を果たすことは、入所そのものが行政処分である措置であるとしても、我が子の命を託す機関としての責務である。口頭説明に加え、分かりやすく詳細な「入所のしおり」のような資料を用意することが望ましい。 ◆文書管理のデジタル化 「養育記録」等の作成や共有、管理に関しては、ソフトウエアを使ったデジタルでの運用を期待したい。業務省力と書類管理の適正化を図る意味で、検討することが望ましい。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価事業が始まり4回目の受審となりました。令和2年度は新型コロナウィルス感染症流行の中での受審となり、前回の受審から受審日までの間に行政からも作成の推奨された感染症時を含むBCPを作成して臨みました。 何回受審しても自己評価も低い共通項目の課題に取り組むことが出来ず、次回までの宿題として残ってしまうことが一番の課題です。 新ビジョンが出され社会的養育推進計画を策定し、施設の機能も変革を求められている乳児院の現状を熟知された評価と今後の展望に結びつく提案を頂けたら、この第三者評価の意義が高く評価できるものと信じます。 |