【1】第三者評価機関名 | (公社)新潟県社会福祉士会 |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | SK2021110 SK2021107 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 10名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 一ノ瀬 里絵子 | 所在地 | 新潟県 | |
URL | https://www.atago.or.jp/ | |||
開設年月日 | 2015年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 新潟市(設置主体)、社会福祉法人愛宕福祉会(運営法人) | |
職員数 | 常勤職員 | 27名 | 非常勤職員 | 1名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 5名 | 精神保健福祉士 | 1名 |
---|---|---|---|---|
看護師 | 4名 | 公認心理士(臨床心理士) | 1名 | |
管理栄養士 | 1名 | 栄養士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 寝室3ヶ所、ほふく室3ヶ所 | (イ)設備等 | 家庭浴槽2ヶ所、沐浴槽2ヶ所、子ども用トイレ2ヶ所 |
---|---|---|---|---|
(ウ) | キッチン2ヶ所、共有ラウンジ、多目的室、親子生活訓練室、心理療法室 | (エ) | 調理室、会議室、相談室、事務室、医務室、洗濯室、多目的トイレ | |
【3】理念・基本方針 | ■理念 子どもの幸せを第一に考え、ひとり一人をかけがえのない存在としてその尊厳や権利を守り、家庭的であたたかな環境のもと日々大切に育み家庭等へ繋いでいきます。 すべての子どもの幸福を願い家庭や地域への支援を積極的に取り組み、子どもの最善の利益のために尽くします。 ■基本方針 1.子ども一人ひとりの尊厳と権利を守ります 2.子ども一人ひとりを愛情を持って大切に育み成長を繋いでいきます 3.家庭復帰の可能性を第一に考慮し、取り組みを進めていきます 4.地域社会の一員として、地域の子育て支援に取り組みます 5.子ども一人ひとりの幸福のため、職員は自己研鑽に励みさらなる専門性の向上を目指します |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | 〇ヒヤリハットの収集・分析 事故防止への取り組み 月200件を超えることもあるヒヤリハット収集と分析、検討周知、半年ごとの研修を繰り返すことにより事故防止に努めている。 〇育ちのつなぎとアフターフォロー ライフストーリーワークへの取り組み 既存で実施していた育ちのつなぎに至る前に「ライフストーリーワーク」を取り入れ、より子どもの人生の基盤を意識した支援に取り組んでいる。 〇食事への取り組み「はるかぜの食卓」の実施 家庭の代わりとなるユニットでの食事支援(食卓)では、交代勤務である職員の食事に対する価値観の相違を標準化し、「はるかぜ家の食卓」というスタンダードマニュアルを共有し、子どもが、日によって職員の対応が違うことで戸惑わない支援を行っている。(スタンダードマニュアルでは対応しきれない状況は個別のニーズや課題を共有して支援を実施する) 子どもの育ちや食の入り口を意識した「楽しい食事」「食べることが大好きになる食事」の提供。 〇マイドールの取り組み 入所になった際に、保護者に手作りの人形(またはそれに準ずるもの)を作成していただき、子どもの安心の源となるような支援への取り組み(様々な状況におかれている保護者にも配慮しながら実施)。家族と子どもの絆を大切にすることをベースにした取り組みで、「マイドール」が子どもにとって大切な存在となっていくよう働きかけをしていく。 〇里親支援への取り組み 里親支援専門相談員の配置のない中、独自に担当相談員を置き、里親実習、里親研修などを新潟市の児童相談所と連携しながら実施。 〇ユニットを家族的単位としたチーム養育の実施 子ども一人ひとりに担当者を決めずに、子どもとそれぞれのユニット養育者が、個性に合わせた良好な愛着関係を築きながら生活を共にしている。それぞれの子どもにとって母的存在、父的存在、祖父母的存在、兄姉的存在など、家族のようにバランスをとりながらのチーム養育を行っている. |
|||
【5】第三者評価の受審状況 | 2022年07月01日(契約日)~ 2023年03月03日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | 【特に良いと思う点】 ●子ども一人ひとりの情緒の安定を図り、家庭的養護実現に向けた取組が行われている。 「子どもの幸せを第一に考え、一人ひとりをかけがえのない存在としてその尊厳や権利を守り、家庭的であたたかな環境のもと日々を大切に育み家庭へと繋いでいきます。」という理念の下、ユニットケアを基本とした家庭的養護が行われている。生活スペースである居室は大きなスペースを家具で仕切り、子どもの目線で見ると、家庭的な家具で囲まれており、安心感を感じられるよう工夫がなされている。また、既製品の玩具のみならず、子ども一人ひとりの手作り人形(マイドール※)を準備し、遊びや睡眠時にはその人形を持つことで安心感を得られるようにしている。 養育者は子どもたちの呼びかけにいつでも応えられるように、その空間の中で目の届く位置で仕事をしている姿が、今回の第三者評価における訪問調査において確認できた。また、調査時のヒヤリングでは、家庭的な空間の実現に向けて検討し、試行錯誤を繰り返して現在の環境が作られていることも確認できた。 ※マイドール…入所になった際に保護者に作成してもらう人形(様々な保護者に配慮して実施している) ●子ども一人ひとりの「最善の利益」へ向け、職員一丸となって取り組んでいる。 適切なアセスメントへ向けた取り組み、養育会議における情報の共有化、各種委員会、係活動等を通し、子ども一人ひとりの状況を横断的に共有し養育・支援を行う中で、子ども一人ひとりの「最善の利益」実現に向け、チームとして取り組んでいる。職員は、専門性を生かし、入所から退所、さらに退所後の生活にそれぞれの立場で関わっていることが、自立支援計画や養育日誌、会議録などから確認できた。 【今後の取り組みを期待したい点】 ●さらなる養育・支援の向上へ向け、階層別に応じたより具体的な「職員像」の明示と研修の充実が求められる。 新人職員に対しては、施設、法人ともに定期的な研修計画が示されており、OJTとして職員がついてマンツーマンで指導する期間があり、新人が安心して業務に入ることができるような体制を作っている。しかし、それ以降の階層別の職員研修としては、頻度が少ない状況がある。 また、期待する職員像は、行動評価の項目、施設の基本理念、方針に記載されており、施設長からの発信もあるが、職員への周知が十分とは言えない状況がうかがえた。現在は、行動評価の項目ごとにチェックを行い確認する方式となっているが、それだけでなく、階層別、職種別等で示す等、人材育成を段階的に行うために職員にわかりやすい方法であることが必要であると思われる。さらに充実した支援体制づくりに期待したい。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 2015年の事業開始から、丸8年経過しました。右も左もわからぬ状況の中、諸先輩施設の方々や、関係機関の皆様よりたくさんのご指導をいただきながらなんとか今に至っております。社会的養護を取り巻く環境は、この8年間でも大きく変わりましたし、この先もまだまだ変わっていくものと考えております。その中で、この第三者評価の評価基準をツールとして、「乳児院の運営で大切なことは何か」「子どもの養育の基本的な考え方がしっかり実践に反映されているか」を毎年職員同士が話しあう機会をもっています。今年度は第三者評価を受審させていただき、自己評価のフィードバックや評価調査者さまのヒアリングの中で、施設課題の確認ができました。課題のクリアは、1年や2年でできるものではないことを認識しており、現在取り組んでいる研究とも密接な関係があることもわかり、今後中長期的に取り組んでいくこととしております。 また、自分たちが大切にしている取り組みに関して、丁寧にヒアリングをしていただけたことで、今後の業務へのモチベーションも上がったところです。たいへんありがとうございました。 |