【1】第三者評価機関名 | (公社)新潟県社会福祉士会 |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | S2020065 SK18105 28015 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 27名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 本田 美香 | 所在地 | 新潟県 | |
URL | http://niigatacaritas.or.jp/ | |||
開設年月日 | 1978年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 新潟カリタス会 | |
職員数 | 常勤職員 | 30名 | 非常勤職員 | 8名 |
有資格職員 | 保育士 | 19名 | 看護師 | 3名 |
---|---|---|---|---|
社会福祉士 | 3名 | 児童指導員任用資格 | 2名 | |
栄養士 | 2名 | 調理師 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | ベビー居室・観察室(8名定員)、ほし組居室・ほふく室(11名定員)、つき組居室・プレールーム(8名定員) | (イ)設備等 | 診察室、病室、沐浴室、浴室 他 |
---|---|---|---|---|
(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | <新潟カリタス会の理念> キリスト教的人間観に則り、個人は外見上有用無用によらずすべて神から愛されて生を受け、一人一人に固有の使命が託されていることを基本理念とします。 <聖母乳児院の理念> 1.カトリック精神の「いと小さきものへの愛」と、モンテッソーリ教育法の「一人でできるように手をかして」を指針とします。 2.家族や地域社会、関係機関と協働し、子どもの最善の利益を追求しその権利を擁護します。 3.子どもの健全な心身の発達を保障し、安心安全な気持ちで生活できるよう、最適な福祉サービスを提供します。 <基本方針> 1.「個」の確立 子どもの発達に則した環境を整え、人権を尊重し、一人一人かけがえのない存在として養育することを基本とします。 2.社会性の確立 人は生まれた時から自立に向かい成長していく。「一人でできるように手をかして」の指針にならい、豊かな人格形成の基礎をつくります。 3.信頼関係、愛着関係の確立 社会的養護を必要とする乳幼児を保護者に代わってお預かりし、意思表示のできない乳幼児の代弁者として、心身の健全な発達の保障と信頼関係、愛着関係の確立に努めます。 4.モンテッソーリ教育の推進 乳幼児期の特色は精神面の発達である。精神の発達を助けるモンテッソーリ教育を根幹とした養育支援を目標とし、専門職として研鑽に努めます。 5.家庭、地域社会、関係機関との連携 多様化するニーズに対応できる専門知識の向上に努め、家庭、地域社会、関係機関と連携しながら、子どもたちの最善の利益を追求します。 6.里親制度への協力 里親家庭、ファミリーホーム等、乳児院の機能を活用し、乳幼児にとって最もふさわしい養育環境、人間関係の保持に努めます。 |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | ○法人・施設の理念・基本方針と、「子どもの“いのち”を尊重し、“こころ”を育てる」、「子どもの“育ち”をつなぐ」という使命のもと、社会的養護を必要とする乳幼児の発達支援、自立支援の充実を図り、家庭、里親、関係機関と連携しながら、子どもと家族にとって最もふさわしい養育環境を提供し、地域社会の中で安心して暮らせるようにサポートすることを事業の目的とし、体制整備、環境整備に取り組んでいる。 ○家庭復帰支援、里親委託支援の充実を図るため、施設で作成した『育児の手引き』『里親学習の手引き』を活用し、保護者・里親の養育スキルを高めるとともに、子どもとの関係構築をサポートしている。 ○法人内の児童養護施設、学校法人の幼稚園と、年2回合同研修会を開催し、児童教育や福祉に関する知見を深めるとともに、教職員の交流を図り、資質向上を目指している。 ○令和元年度より、「里親トレーニング事業」(新潟県の委託事業)を開始。里親養育で直面する課題に対して適切に対応できるよう、養育のスキルアップを目的とした研修の企画・運営を行っている。 |
|||
【5】第三者評価の受審状況 | 2021年05月01日(契約日)~ 2022年03月26日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ■特に良いと思う点 ○標準的な実施方法として、各種マニュアルが作成され、様々な場面で活用されている。 施設全体では「乳児院職員マニュアル」として成長・発達に応じたクラス(年齢)別マニュアルが整備されている。職員マニュアルは、その支援方法や注意事項も詳細なものとなっている。令和3年8月には医療に関する事柄について、看護師が中心となり医療マニュアルとして独立させている。マニュアルの整備については、幹部職員等特定の職員だけが関わるのではなく、施設全体で取り組む体制となっている。また、マニュアルの内容が現状の変化に対応したものとなるよう、PDCAサイクルに沿って、定期的・継続的な見直しを行う一連の流れが確立されている。 施設の支援マニュアルは日々の支援業務のみならず、新任研修・保護者支援や、学生実習の際も活用されており、支援の標準的な実施方法として様々な場面・業務で活用していることは大きな成果・実績であり、高く評価できる。 乳児院運営指針にもあるように、家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には養育のモデルとして示せる水準が求められているところだが、施設の支援マニュアルは、その養育水準の高さや蓄積した知識・経験・有益な情報を可視化しているものである。今後、施設では地域支援の一環として子育て講座開催を検討中とのことだが、乳幼児の養育モデルとして、地域の子育て世帯に向け、還元されていくことにも期待したい。 ■特に改善が求められる点 ○高機能化・多機能化に向けた体制づくりと基盤強化が望まれる。 前回の第三者評価の『特に改善が求められる点』では、職員が余裕を持って働くための業務の負担軽減が挙がっており、その改善へ向け人材確保及び定着へ取り組みを行ってきた。しかしながら、今回の第三者評価における職員自己評価の自由記載内容においても、人手不足や子どもとの関わる時間を確保できないこと、時間外勤務、休日や夜勤明けの会議参加の負担感等、職場環境についての意見が少なからず見受けられた。 現在、乳児院には高機能化・多機能化が求められおり、「聖母乳児院」においても既存施設としての役割に加え、新たな業務や支援、事業展開を行う計画が立てられている。施設が目標とする高機能化・多機能化に向け、業務を効率化・省力化することで、施設として時間的余裕を作り出し、職員が注力できる体制の構築・強化の必要性が生じている。そのための人員確保等は既に中長期計画に位置付けされているところだが、業務の効率化・省力化に対して、効果が期待できるICT導入について、既に検討段階に入っているとのことであった。ICT導入は慎重に時間をかけて行いたいとのことだが、今後、高機能化・多機能化へ向けたさらなる体制及び基盤の強化が求められる。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 自己評価の際に職員間で意見が分かれた項目について、評価調査者の皆様に解釈の仕方や実践のアドバイスを頂き、方向性や取組方法が明確になりました。また、取組不十分と捉えていた項目についても良い評価を頂き、今後の取組を進める上での後押しになったと感謝しております。今回の評価で挙げられた課題の改善及びさらなる運営の質向上を目指し、継続的に取り組んでまいります。 |