【4】総評 |
平安徳義会は、明治26年6月に孤児・貧困少年の救済の必要性から、孤児院を境町三条、光時淨寺に開設しました。乳児院は昭和8年9月に岡崎に開設、昭和41年8月に大原野に移転し現在に至り、田畑が多く自然に恵まれた場所に立地しています。養護園(児童養護施設)と共用しているグランドでは、春に「桜まつり」があり、地域の方も花見などをされているとのことです。入所児童の保護者には、向かいにある神社の「赤ちゃん相撲」などを知らせ、親子で地域の行事に参加できるようにしています。現在入所児童は10名で、おじいちゃん・おかあさん・おねえさんのような職員集団に家庭的な雰囲気を感じました。
<特に良かった点>
・施設運営について
平成18年4月から乳児院小規模グループケア認可を受け、オールユニット化(小規模グループケア化)を視野に入れた実践をしています。また乳児院全面改築(平成29~30年完成予定)について、中・長期計画に盛り込み、職員と共によりよい運営・施設づくりを目指しています。職員室には、「オールユニット化を目指した取組みに向けてH26」を掲示して具体的に示しています。職員全員が運営に参加していることが、委員会や組織表、業務分担表や訪問時の職員の応対からも伺えました。職員処遇についても、非常勤ではモチベーションが低くなるという考えのもと、常勤で雇用するようにしています。又、平成26年度の有給消化率は90%以上でした。
・地域との関わりについて
大原野社会福祉協議会、西京子育てネットワーク、児童施設連絡協議会、乳養支援向上委員会等に携わり、情報収集やネットワークの構築に努める等、施設長のリーダーシップのもと、地域での関わりを深めるようにしています。職員は子育てサロン「ママ・チャイルド大原野」の立ち上げに関わり、地域の子育て支援に積極的に関わっています。またボランティアは、行事支援(法人主催地域交流行事)環境支援(園舎除草、清掃奉仕)教育支援(読み聞かせ、抱っこ)があり、高校生等を含む約60名が活動しています。
・個別支援計画の共有について
自立支援計画(三期)を作成、個別支援計画(毎月)を担当者でアセスメントし、一人ひとりの子どもを重層的に支援できる体制を整え、職員会議で共有しています。子どもの表情や言葉などを丁寧に記録し、個別に検討していることが職員会議録で確認できました。
<特に改善が望まれる点>
・記録について
各種書類や伝達ノート等は、状況や対応などを丁寧に記述し臨場感が伝わりましたが、職員が分かりやすい表題を付けることと、記録内容に項目を設けることをお勧めします。記録は、業務の振り返りにも役立ちますので、日報等を効率良く活用出来るように、記録ソフトやパソコン等のツールを活用される事もお勧めします。
・マニュアルについて
マニュアルはありますが、職員が利用しやすいよう整理すると共に、更新時に更新年月日を記入することもお勧めします。 |