社会的養護施設第三者評価結果 検索

若竹寮

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
【2】種別 児童養護施設 定員 56名
施設長氏名 市川 捨蔵 所在地 新潟県
URL http://www.city.joetsu.niigata.jp
【3】実施調査日 2014年05月23日~2015年03月27日
【4】総評 【特に評価が高い点】
○子ども一人ひとりの生活に密着した養育に取り組んでいる。
 若竹寮は平成25年に園舎を改築し、小舎制によるユニットケアに取り組んでいる。改築計画の際には、先駆的な施設へ視察し情報収集を行ったり、園舎の建設にあたっては子どもの意見を取り入れるなど、生活環境に工夫を凝らした住まいになっている。また、大舎制から小舎制に移行したことにより子ども個々のプライベートスペースが確保され、落ち着いてくつろぐことができている。夕食時はユニットのダイニングルームで子どもと職員がテーブルを囲み、一緒に食事を取りながら日中の様子を伝え合うなど会話が増えている。さらに、ユニット毎の活動では野菜や花植え、おやつ作りなど子どもが主体的に活動を行えるよう支援するなど、職員は、一人ひとりの生活に密着した養育に取り組み、家庭に近い生活の場になるよう努めている。

○退所後を見据えた支援に取り組んでいる。
 日頃から、自立に向けて社会的な生活習慣が身につくことを念頭において養護計画に基づき子どもたちを支援している。高校に入学した際にはアルバイトによる就労体験を勧め、銀行・郵便局の利用、携帯電話の契約などが一人でできるように支援している。また、高校3年時は「家庭生活実習室」で食事の支度、掃除、洗濯などの生活体験を行うなど、若竹寮から巣立つ子どもが社会に出た際に困らないように、職員は各関係機関と連携し退所後の未来に向けた支援に取り組んでいる。

【改善が求められる点】
○次世代を担う職員の計画的な育成と人事管理が求められる。
 大舎制から小舎制の体制変更に伴う職員増員の必要性から、新規採用や他部署から異動した職員が大幅に増えた。現状では、男女各棟には長年勤務している現場経験の豊富な職員がスーパーバイザーとなり育成指導にあたっている。また、ユニット毎に職員3名を固定で配置し、そのうちの正規職員がユニットリーダーとなり養育にあたっている。
 経験が浅い職員や専門資格を保有していない非常勤職員の割合が高いという状況があり、養育・支援の知識や技術等に力量の差が生じていることを施設としても課題として認識している。専門性の高い養育を担保するためには、中・長期的な視点で施設に求められる人材育成や人員配置などの人事管理プランを明確にするとともに、そのプランに基づく計画的な人材育成の実施、また、施設としての人材育成方針と連動して職員個々の育成計画を実行していくことで、子どもに対しての養育の質を向上させ、職員間の力量の差をうめ、職員全体のレベルアップを図ることが求められる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 若竹寮は、平成25年10月に大舎制から小舎制へ移行した県内初のユニット制の施設である。
 一人ひとりの子どもたちの生きていく力を育み、自立する力を支援している。また、より家庭的な生活の場を提供し、子どもたちの安全・安心を確保できるよう努力している。
 今回の第三者評価は、新体制スタートの中で、支援を見つめ直す大変良い機会となった。評価結果については、今後検証し、より良い支援に役立てていきたい。改善が求められている項目ごとの指摘についても改善に努めていきたい。高く評価された子ども一人ひとりの生活に密着した養育、退所後を見据えた支援については、今後も職員育成の中で継続していきたい。
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