社会的養護施設第三者評価結果 検索

若草寮

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 内山 正人 所在地 新潟県
URL http://www.pref.niigata.lg.jp/wakakusa/1356790939652.html
【3】実施調査日 2014年07月01日~2015年02月26日
【4】総評 【特に評価が高い点】
○「若草寮安全委員会」を設置し、子どもの最善の利益や権利擁護についての職員研修や子どもを尊重した養育・支援を実践するための体制が確立している。
 若草寮では平成19年から「若草寮安全委員会」を若草寮の全ての児童が安全で安心して生活できることを目的として設置されている。安全委員会の構成メンバーは児童相談所、小中学校など若草寮に関わる関係機関及び若草寮職員とされており、2カ月に1度定期的に委員会が開催され学識者等がスーパーバイザーとなりスーパービジョンが実施されるほか、必要に応じて検討会が開催されている。安全委員会で取り扱っている内容としては、子どもの暴力・不適応行動などの問題行動への対応、職員の暴力、子どもの権利擁護等とし、職員が子どもに聞き取りをしながら子どもの状況の把握や子どもの意向なども確認し対応等を検討するなどして、子どもを尊重した養育・支援に取り組んでいる。

○子どもの養育・支援に関する適切な記録がなされている。
 子どもの養育・支援の記録は、パソコンにより毎日記入している。パソコン管理により、時系列での記録が子ども一人ひとりの個別記録に集約される仕組みも作っており、個別のケース記録にもほぼ毎日の様子が詳細に記されている。また、入所時の自立支援計画を作成する手順においては、入所後1ヶ月ほどの期間の中で十分に状態を把握した上で、健康、身辺処理状況、行動面、学校での様子、家庭環境、課題及び指導目標など総合的な評価をし、児童相談所の処遇指針と合わせて入所初期観察記録表が作成される仕組みとなっており、子どもの現状に即した的確なアセスメントの仕組みが確立している。

【改善が求められる点】
○標準的な養育・支援や業務の手順の見直しや策定と職員への周知が望まれる。
 災害時の対応マニュアルや事故対応のマニュアルは整備されているが、養育・支援や業務に関する標準的な実施方法については平成17年に業務取扱要領が策定されて以来、追加や見直しが行われていない。平成24年に児童養護施設運営指針が定められ、児童養護施設の目指すべき姿が示されたところであり、職員の異動の多い施設であることもふまえ、養育・支援、業務等の標準的な実施方法の改訂や策定に着手することが望まれる。
 また、今回の第三者評価における職員の自己評価において、全体的に評価のばらつきが多く、施設の現状の取り組みや自己評価項目についての理解の共有などが職員全体に周知されていない状況がうかがえた。平成24年から社会的養護関係施設には毎年度の自己評価と第三者評価が義務付けられたことにより、特に自己評価は毎年度実施しその評価結果の分析や課題の共有や改善策の検討は職員参画のもと行うことも児童養護施設運営指針に示されていることもふまえ、今後、施設の取り組みの職員への周知等が望まれる。

○地域への情報発信や施設が有する機能の提供などへの取り組みが望まれる。
 寮長の方針の中に地域との連携強化の推進があげられており、地元自治会等との地域交流の促進等による児童の活動の拡大や社会性の育成を図ることを達成すべき状態と定めている。現在、ボランティア等の受け入れや地域の関係機関等の連携については積極的かつ十分行われているが、地元自治会等に対しての情報発信や施設が有する相談機能等の提供などの取り組みについては実施されていない。今後は、地域に向けて施設で行われている活動を説明した印刷物や広報紙等を地域へ向けて配布するなどして、地域の人々の理解を得る取り組みや、地域の福祉ニーズに基づき施設の機能を活かした子育て支援事業を展開するなどの取り組みが望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 若草寮は、児童が安全に生活できる生活の保障に努め、権利擁護の視点に立った支援を行い、家庭環境の調整に努めるほか、現状課題に合わせた支援を行うとともに、就労等による社会的自立を促進することを目指している。
 また、これらの基本事項の実現を図るため、施設運営の質の向上に努めるとともに関係機関及び地域等との連携を強化することとしている。
 この度、第三者評価を受けたことにより、日々の支援のあり方や若草寮の置かれている状況等について、全職員に対し、改めて気づきを与えていただいた。
 高い評価をいただいた、子どもを尊重した養育・支援については、今後も継続して取り組んでまいりたい。
 なお、ご指摘の、マニュアルの見直しや職員の自己評価項目の理解や、共有化、さらに、地域への情報発信や施設が有する機能の提供については、対応を十分に検討した上で改善に向けて計画的に取り組み、養育・支援の質の向上を図ってまいりたい。
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