【1】第三者評価機関名 | (特非)介護・福祉サービス非営利団体ネットワークみやぎ |
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評価調査者研修修了番号 | S15087 第102号(県修了番号) 第93号(県修了番号) |
【2】種別 | 母子生活支援施設 | 定員 | 20世帯 | |
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施設長氏名 | 鈴木 みはる | 所在地 | 宮城県 | |
URL | ||||
開設年月日 | 1951年10月15日 | 経営法人・設置主体 | 栗原市 | |
職員数 | 常勤職員 | 3名 | 非常勤職員 | 6名 |
専門職員 | 保育士 | 3名 | 医師(嘱託医) | 1名 |
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施設設備の概要 | (ア)居室数 | 母子室(予備室)20室(1室) | (イ)設備等 | 集会室兼遊戯室、学習室、相談室、事務室 |
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(ウ) | 静養室・職員ロッカー室 | (エ) | 浴室(大・小)、トイレ(2室) | |
【3】理念・基本方針 | (1)理念 ファミリーホームひだまりは、児童憲章の具現化に向け、その一助となるべく母子生活を支援し、健や かな子の生育を目指します。 (2)基本方針 母子生活支援施設に入所した者の福祉の向上を図り、社会の共同生活に適応し自立更生されるよう支援 に努め児童の健全で健やかな育成をめざし、健康の増進と情操を豊かにし、心身共に愛護する。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 〇母子の支援等に際しては、何ごとについてもチームワークをもって行動し、施設長が調整役となって対応し ている。 〇子ども達と中庭の畑で野菜の種まき、栽培、収穫を行い、食育を行っている。 〇野外活動や親子旅行、ふれあい交流等を通して地域に出る体験を積極的に企画し、社会経験を積む機会を 多く持てるように配慮している。 〇栗原市における母子を一時的に保護するために1室を用意し、緊急保護に使用している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2017年08月18日(契約日)~ 2018年01月31日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成 26年度 | |
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 1.関係機関との連携が良く取れている点 本施設は、施設の特性から専門的な支援が不可欠であり、日頃から関係機関との連携が重要となっているが、「ひだまり」では、充実した社会資源リストが系統的にアップされ、綴じ込みファイルされている。連携の頻度が高い機関としては、各福祉事務所、栗原市子育て支援課、生活保護係、建築住宅課、保健推進室、ハローワーク、北部児童相談所、学校、保育所、弁護士事務所、生協フードバンク、病院・診療所、要保護児童対策地域協議会等がある。これらの社会資源について、利用者や職員に周知すると共に、自立支援計画に基づき適切な連携を図っており、効果を上げている。本施設には、関係機関との連携を密にし、より専門性の高い母子支援に繋げる展望が開かれている。 2.母子生活の基本のところでの支援や権利擁護の取り組みが良くできている点 本施設では、母子生活の基本のところで、きめ細かな取り組みを実践し、質の高い支援が行われている。母親には、子どもの食事の大切さを教え、献立を一緒に考えている。子どもには、クッキングの機会を設けて、食事の大切さやマナーを学ぶ機会として、食事作りを行っている。育児に関する不安や悩みがある母親には、子どもとの関わり方を具体的に説明し、保育士資格者が乳幼児の育児相談や補完保育を行い、不安の軽減を図っている。必要に応じて保護命令手続きや弁護士相談や裁判所へ同行している。このように、母子の権利擁護や生活全般にわたる支援に、職員一人ひとりが寄り添い、主体的に取り組んでいることは高く評価できる。職員ヒヤリングから「将来このひだまりで暮らしたことを、1つでも2つでも『よかった』との思いを持ってほしいと考え、支援を行っている。」ことが確認できた。 ◇改善を求められる点 1.中長期計画及び年度事業計画が適切に策定されていない点 中長期計画が策定されず、行事計画が事業計画になってしまっているのは、本施設が短期での自立支援を目標にしていることから理解できる。しかし、母子の福祉ニーズの発生状況や問題の共通性に鑑み、予め計画に取り組むべき課題を想定することは可能であると共に、第三者評価細目の各々に具体的な課題を発見し、当該年度の事業計画にして行くことは十分可能である。従って、行事予定だけが事業計画と考えるのではなく、理念・基本方針、倫理綱領の実現を目指すため、栗原市総合計画における家庭・子育て支援の施策を念頭に広い観点から総合的に課題を把握して「中長期計画」を明確化すると共に、年度毎に取り組むべき具体的な項目を列挙した「事業計画」を策定することが望まれる。 2.災害時を除き、生活の安心・安全のための取組が十分でない点 リスクマネジメントと感染症対策は、安心・安全な生活を支援する上で重要な課題である。しかし、本施設では1件のアクシデント事例を報告しているだけで、インシデント事例は全く収集しておらず、様式もない。今後、リスクマネジメント体制を構築することとし、担当者を決め、研修を実施し、委員会で定期的に評価・見直すなどの取組が早急に望まれる。また、感染症が発生した場合の対応マニュアルには、間違いや不備(「咳・熱」「隔離・換気」「受診時期」「職員側の防御手技」)が目立つことから、専門家を入れて見直すことが急務である。また、感染症全般について正しい理解を得るため、保健師等による研修を早急に行うことが望まれる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回の受審では、常勤の職員全員で個別評価を行いそれに対して十分な聞き取りと細やかな審査が行われました。高く評価していただいた点については施設の長所として大事にしながら、日々の支援に努めてまいりたいと思います。改善の必要な項目については、リスクマネジメント体制の構築と感染症対策マニュアルの整備を早急に行い、正しい理解を得るための研修を実施していきたいと考えます。また、中長期計画等については栗原市の施策をもとに明確化したものを策定してまいりたいと考えます。多くの気づきを与えていただきました。施設として一つ一つの支援の質の向上を目指して今後も職員一丸となって取り組んでまいりたいと思います。丁寧なご指導、ご助言いただいた評価調査者の皆様に厚く感謝申し上げます。 |