社会的養護施設第三者評価結果 検索

三重県立国児学園

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK2021151
28地福第1744-17号



【2】種別 児童自立支援施設 定員 60名
施設長氏名 加藤 久直 所在地 三重県
URL
開設年月日 1908年10月24日 経営法人・設置主体 三重県
職員数 常勤職員 13名 非常勤職員 7名
有資格職員 教員 3名 社会福祉士 3名
精神保健福祉士 1名 児童福祉司 5名
保育士 2名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 1棟あたり 5人部屋×2室+談話室 (イ)設備等 本館・分校、特別教室棟、炊事入浴棟、木工室
(ウ) 寮舎6棟(職員舎併設型)、職員住宅、 (エ) 体育館、倉庫、陶芸窯、公用車車庫、グラウンド
【3】理念・基本方針 ★理念
 愛情を持って子どもを受け入れ、心と体の健やかな成長を支援します。

★基本方針
 ・家庭的なぬくもりを大切に、一人ひとりの自立支援を目指します。
 ・数組の夫婦が、それぞれ担当する子どもたちと家庭的な雰囲気の中で過ごします。
 ・一貫性、継続性のある集団生活から共に学び、お互いに助け合う心を養います。
 ・規則正しい生活を通して、ルールと思いやりの心を育てます。  
【4】施設の特徴的な取組 ・学習指導支援(学力と知識をつけるための環境支援)
・課外・作業指導支援(スポーツ、ランニング、マラソン、太鼓などの文化活動、職業指導、農業、園芸、工作等作品作り)
・家庭支援(関係機関との面接、家族関係再構築支援)
・入所児童への生活支援(生活全般の衣食住に関わる指導・支援、集団生活の秩序、ルール、人間関係と信頼関係作り
・関係機関(児童相談所、学校関係、矯正関係)との連携、児童養護施設との連携・連絡
・地元企業、地域・自治会との協働活動、連携
【5】第三者評価の受審状況 2022年12月01日(契約日)~ 2023年03月30日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
◆中長期計画の明確化と実現に向けた取組み
 「国児学園のあり方検討」や「将来構想検討」を行い、将来的なビジョンを明確にした中長期計画を策定し、計画の実現に向けて取り組んできた。その結果、来年度から始まる寮舎の新築工事の実現に結びつけることができた。長年の課題であった子どもの住環境の整備が進められることとなった。

◆夫婦小舎制の特性を活かした生活支援
 夫婦小舎制の特性を活かし、各寮の職員による個性溢れる生活環境作りが行われている。経年劣化した部屋の修理や、施設の特性上個室化するのが難しい状況があるのにも拘わらず、子ども達が温かい生活が送ることができるように工夫して環境を整備し、適切な生活環境の中で生活支援を行っている。

◆学校教育と連携を密にした支援体制
 学校教育と連携した支援が古くから確立されており、学校との情報交換や情報収集を緊密にした支援体制が確実なものになっている。学年相応の学力に達しない子どもに対して、個別支援の一環として、分校の教職員が複数担任制で学科指導を行っており、その際には分校の空き教室が有効に活用されている。

◇改善が求められる点
◆施設機能の高機能化
 子どもの抱える問題の複雑さに対応するために、心理治療的な高度で専門的な支援が必要になってきている。施設機能の高機能化が求められているため、心理士を配置するなどして職員の専門性の向上を図ることが望まれる。

◆標準的な支援の実施方法の明文化
 プライバシーの保護や人権に配慮した支援の標準的な実施方法について、施設として共通する支援と寮毎の裁量に委ねられる支援を区別化し、明文化することが望まれる。

◆研修が受けやすい職場環境作り
 職員の力量を高めて支援の質の向上を図るためには、職員のスキルアップのための研修や実践を通した研究を継続して行っていくことが必要である。現状は、職員配置に余裕がなく、必要な研修に参加することが困難な状況である。この状況を改善し、積極的に研修が受けられる職場環境を作っていくことが急務である。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  国児学園では、夫婦小舎制の家庭的な雰囲気のなか「愛情をもって子どもを受け入れ、心と身体の健やかな成長を支援する」という理念のもと、3組の夫婦職員(男子寮2、女子寮1)が日常寮として運営しています。
 今日では、児童自立支援施設の入所対象児童が、学校、地域社会での不適応、反社会的行動、不登校、家庭的環境負荷による要因に加え、発達、成長のうえでの育て直しの機会提供をも担うようになりました。施設運営は、夫婦職員のみならず自立支援課全職員で「子ども観」の意識向上と意思統一、入所児童への適正なスキルアップ・アナウンスが求められています。
 令和4年度 第三者評価の再生産・再創造を行うべき視点
(1) 入所児童の実態にフィットした建物を含んだハード整備
子どもたちの生活環境のクオリティ向上と子ども一人ひとりのプライバシーを尊重した食堂・ホールや学習机、居室の中・長期計画の実現が急務である。
(2) 施設の高機能化促進に向けて
これまで小・中学生中心の集団処遇・集団力動による子ども支援が中心であったが、今後は高校生(市内の高校等へ通学例)、就業支援、職業訓練、自活、個別対応、施設内性問題発生等の抑止、感染症医療対策等、職員の管理・監督のもと、入所児童のグローバルな幅を弾力的に認め、活用できる施設整備が求められる。
(3) 職員の研修体制の充実
夫婦小舎制での持続可能な寮舎運営を維持していくために、子どもの意見表明と対話を重視する必要がある。職員各自が児童支援・指導に余裕を持った傾聴姿勢、体制が整えられるよう職員のマンパワーと日常研修、研鑽時間が必須とされ、人事配置・組織体制の見直し(専門職の配置)が求められる。
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