【1】第三者評価機関名 | (社福)秋田県社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18022 06-6b 17-10b S2021019 |
【2】種別 | 母子生活支援施設 | 定員 | 20世帯 | |
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施設長氏名 | 柴田 理 | 所在地 | 秋田県 | |
URL | http://akita-fujinhome.com/fujinhome1.html | |||
開設年月日 | 1933年11月25日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 秋田婦人ホーム | |
職員数 | 常勤職員 | 11名 | 非常勤職員 | 2名 |
有資格職員 | 精神保健福祉士 | 1名 | 保育士 | 8名 |
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臨床心理士 | 1名 | 社会福祉主事 | 3名 | |
知的障害者福祉司 | 2名 | 児童福祉司 | 2名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 20室 | (イ)設備等 | 集会室、学習室、保育室、相談室、浴室2、緊急一時保護室2 等 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ■理念■ 児童福祉法第38条に基づいて運営されている母子生活支援施設秋田婦人ホームは、社会福祉法人秋田婦人ホームの経営する施設として法人設立の意思と理念・基本方針を尊重し、聖句「すべて重荷を負うて苦労している者はわたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。(マタイによる福音書11章28節)」のキリスト教精神に基づき、秋田婦人ホームを利用する方々が自立するための支援に努めます。 秋田婦人ホームでは、個人の人格を尊重し、母と子の権利擁護と生活の拠点として子どもを育み、子どもが健やかに育つことを保障し、安定した生活の営みを支えます。 ■基本方針■ 秋田婦人ホームは、「母子と寄り添い、共に歩む」ことを基本姿勢とし、母と子を権利の主体として位置づけ、常に母親と子どもの最善の利益に配慮した支援を行います。また、安心安全な環境の中で母と子の生活課題への取組みを支援し、心身共に安らぎ癒される場となるよう努めます。 (1)母子の意思の尊重 母親と子どものそれぞれの個性と意志を尊重し、尊厳が保たれるよう支援に努めます。 (2)子どもの健全育成 子どもの最善の利益を保障し、よりよい育ちのための環境を整備し、子どもの健全育成に努めます。 (3)母子の自立支援 母子が健全な社会性を身につけ、地域社会への適応力を育成することによって、自立できるよう支援に努めます。 (4)女性としての母親の自己実現支援 母親が一人の女性として、主体的かつ積極的に生き方を選択し、適切な自己実現を図ることができるよう支援に努めます。 (5)権利侵害の防止 いかなる場合においても暴力や脅かし、人格的辱め、心理的虐待、セクシャルハラスメントなどの不適切な関わりが起こらないようにし、あらゆる権利侵害行為は許さないという強い姿勢を持って支援します。 (6)地域との関わり 社会に開かれた施設として、地域の行事に参加し、また地域と共に歩む行事を行うことにより秋田婦人ホームの認知度を高め、退所者を含む直接・間接的な支援に結びつける努力をします。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ○個人の人格を尊重し、母と子の権利擁護と生活の拠点とし、安心で安全な環境であることを保証し、心身ともに癒される場となるよう努めている。 ○利用者の思いや考えを尊重し、無理のないように自立支援目標を一緒に定め、自立を目指せるよう寄り添いながら支援している。 ○DVから逃れることが入所理由である世帯が半数以上を占めることから、面前DVなどを経験した児童が将来加害者とならないよう配慮している。 ○毎年の自己評価を踏まえ、翌年度に自己評価検討会議を開催し、改善箇所を選定し、話し合いながら改善している。 ○行事後や年度末に利用者へアンケート調査を行い、次年度の事業計画に反映させている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年06月22日(契約日)~ 2022年12月14日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◆特に評価の高い点◆ ○聖書の言葉を理念に据えキリスト教の精神である良き隣人として「母親と子どもに寄り添い、共に歩む」ことを職員一丸となって取り組んでいる。 ○理事長は、全職員に毎月の職員会議で時間を取り分け「理念」に関する話を行い、良き隣人として寄り添い、共に歩むための心構えや寄り添うための言動や支援についての理解を深める取組がなされている。理事長の毎月の理念に基づく話が「寄り添い、共に歩む」ための職員の行動に良い影響を与えている。 ○施設長は、第三者調査評価結果の分析と評価を職員と話し合い、中長期計画に生かし具体的に実践されている。また、職員とのコミュニケーションを大切にしつつ経営環境や経営状況の把握・分析、地域貢献等に具体的に取り組んでいる。 ○職員は、母子ともに尊厳を傷つけないよう「寄り添い、共に歩む」よう穏やかな支援がなされている。 ○職員は、苦情解決の仕組みや母子の悩みや苦情等に真摯に向き合い、改善に努めている。また、虐待やDVを目撃した子ども、発達障害などの障害を持つ子供など特別な配慮を必要としている子どもへの個別対応など状況に応じた支援が母子ともに行われている。 ◆改善を求められる点◆ ○地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動について、施設のパンフレット等を福祉事務所や福祉関係施設や事業所、県内一部のコンビニ等に置いてもらっている。その後に相談の電話があったとのことなので、施設の有する専門的な知識や情報を公益的な事業につなげることを期待する。 ○子どもの性に関する正しい知識を与える設けることについて、子どもの発達段階に応じた正しい性の知識を教えることは大変難しいこととは思うが、子どもが豊かに生きるための教育という視点で、母親と共に学び、母親と共通の認識が得られるような取組を期待する。 ○総合的な人事管理について、施設長は、中長期計画の中に「目指すべき職員像」を明記し、職員一人ひとりの研修記録や面接などを行っている。今後は、職員のモチベーション向上の仕組みやキャリアパスの仕組みを検討するよう期待する。 ○個別支援計画について、支援についてのマニュアルが整備されPDCAの手順も定められているが、具体的な目標、目標に基づく具体的支援、支援に対する評価やモニタリング等を明確にし、職員一人ひとりが共通の認識のもと支援を行うことが出来るよう工夫することを期待する。 ○長い歴史ある秋田婦人ホームを引き続きより良いものとすることを目指し、新たな時代にふさわしい施設としての視点や全職員が一丸となって取り組める具体的な事柄を見つけ、取り組んでいくことを期待する。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回の受審において、私たちが良き隣人として働くというキリスト教精神に基づく理念を学び、実践に向けていることが評価され、大変嬉しく思います。今後も施設創設の理念に基づく入所者への支援を続けるほか、地域の方々のニーズに応える活動を模索しつつ取り組んで参ります。入所している一人ひとりが個性を持っていることを受け入れ、主体は入所者であることを尊重しながら自立に向けたより良い支援を行えるように職員の能力向上にも努めて参ります。 支援の大切な部分としては、児童に性に関する正しい知識を伝えることが求められました。外部の実績ある団体との連携等も選択肢として、実施できるように努めます。また、入所者への支援をより着実に進めるために、具体的な支援内容の設定と職員間での共有、それに基づく実践と振り返りが求められました。PDCAを適切に機能させてより良い成果に結び付けられるようにします。 現在秋田婦人ホームでは将来構想検討委員会を設置して、将来の支援のあり方及びそれらを具体化するための施設建設について検討を進めております。今回の受審結果を受けて、施設本来の働きを充実させつつ、地域に貢献できる施設を目指して参ります。 |