【4】総評 |
・大正11年、日本キリスト教婦人矯風会秋田支部長が自宅に不遇な婦人を保護したことに始まり、今でも、法人設立の意志を尊重し、聖句「全て重荷を負うて苦労している者はわたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。(マタイによる福音書11章28節)」のキリスト教精神に基づき個人の人格を尊重し、母と子の権利擁護と生活の拠点として子どもを育み、健やかに育つよう安定した生活の営みを、施設は支えています。
・子育て支援短期利用事業(トワイライトステイ)と緊急一時保護事業(専用の緊急一時保護室を2部屋設置)を実施し、市内はもちろん、東北六県の関係機関と連携を深めており、地域との関係も定期的な交流や施設長が班長をするなど地域に根付いています。
・事業計画書の全体目標として、【寄り添う心】~安心と癒しの場として~、のごとく、母と子の24時間切れ目のない職員による7通りの勤務時間から利用者への「寄り添い」を続けています。
・夜間管理体制では防犯カメラ設置(24時間対応)、不審者対策マニュアルを整備し(夜間はパニックボタンを身に付け携帯)、22時以降は一人勤務(宿直)ですが、緊急時は職員を呼び出し対応、また、早朝、夜間は各1名増員されています。
・退所された母と子には、毎年6月には「退所者の集い」8月には「退所児の集い(小中高生の部・大学生と成人の部)」が開催され、継続されています。
・以上から、施設の特徴として、理念・基本方針・目標の考え方が現場レベルで良く活かされて利用者と職員が関わっていること、又、20世帯(総計53名)のうち19人がパートタイマーなど就労していることでしょう。職員・利用者とも大変にがんばっております。
・一方、今後の課題としては、職員の教育・研修で得た知識・技術(CSPトレーナー終了が2人、基幹的職員研修終了者3人)を組織の中でどのように活動に結びつけていくのか、非常勤の心理担当職員(臨床心理士)の活躍にとどまらず全職員が、いわゆる一人一人の職員の専門性が発揮されるシステムが問われてくるのではないでしょうか。今後大いに期待をしています。 |