社会的養護施設第三者評価結果 検索

同仁会乳児院

【1】第三者評価機関名 (特非)福祉経営ネットワーク
評価調査者研修修了番号 SK15057
S24370



【2】種別 乳児院 定員 20名
施設長氏名 大谷 節子 所在地 茨城県
URL http://www.doujinkai.or.jp
開設年月日 1950年10月07日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 30名 非常勤職員 1名
専門職員 看護師 2名 社会福祉士 1名
栄養士 1名 保育士 18名
児童指導員 1名 調理師 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童居室 2部屋 (イ)設備等 84㎡
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 1)理念
法人理念は「合掌深敬の心」を掲げ、子ども一人ひとりの個性を尊重し、その「人権を守る」と定義しています。施設においては、このことを踏まえ、当院の目指す子育てとして「同仁会乳児院では、一人ひとりの赤ちゃんをしっかり抱きしめ、安心感の中、のびのびとした明るい子育てを目指します。」を掲げています。
(2)
子ども達の生活が安全で安心なものになるよう次のことに努力していきます。
1.「愛着関係の形成」を重視した個別対応や小グループでの養育を行います。
2.子ども達がよりよい生活を送ることができるよう、環境の整備を行います。
3.家庭支援専門相談員を中心に、子ども・家庭・地域等の総合的な調整を図り、里親委託を含めた早期家庭復帰支援を行います。
4.心理担当職員による専門的な関わりや、家族の心理的不安の軽減に努めます。
5.里親支援専門相談員を中心として、地域の里親支援を行います。
6.職員の研修機会を多くし、子ども達の処遇向上に努めます。
7.子どもの成長に合わせた食育の計画及び実践を行います。
【4】施設の特徴的な取組 同一建物内に児童養護施設が併設されているため、0歳から18歳までの継続的な支援を行える環境が整っており、日常的な交流も行っている。また、同じく併設されている児童家庭支援センター(里親支援機関)と共催で、独自の里親支援事業を展開している。
【5】第三者評価の受審状況 2017年04月11日(契約日)~ 2017年08月30日(評価結果確定日)
受審回数 2回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

○「法人内研修や月1回の学習会等、職員が学べる多様な機会を用意して専門性の向上に努めている」
 職員の専門性向上を図るために、法人として階層別研修や研究発表会、講演会を企画・実施する他、法人内の乳児院と職員交換研修を通して相互に学び合う機会を用意している。また、年度初めに各職員が個人目標を施設長に提出して面談するしくみが定着しており、それぞれの研修ニーズを把握したうえで外部研修の年間計画することで新たな専門技術や知識を得ることができるように努めている。

○「子どもの心に寄り添うとともに、日常生活場面で担当職員とスキンシップを図る機会を多く持つことにより、愛着関係の形成に取り組んでいる」
 担当職員が、入所から退所まで一貫して担当児に関わる「担当養育制」を取り入れており、担当職員と1対1で過ごす定期的な行事として、スキンシップデー・お楽しみ保育・買い物体験・ハッピーデー等が計画・実施されている。また、職員は子どもの心に寄り添う養育を心がけ、なるべく小グループで過ごし、何気ない毎日の中でも、遊び・授乳・食事・入浴などをはじめ、お手伝いする時やちょっとした買い物に、担当職員が担当児と一緒に過ごせるよう職員間で協力しながら時間を捻出して、おんぶや抱っこなどのスキンシップを多くとることで、愛着関係の形成に努めている。


◇改善を求められる点

●「保護者向けに施設の理念や基本方針、養育内容その他の情報を文書にとりまとめ、入所時に説明・配布していくことが望まれる」
 入所にあたり、保護者に説明すべき事項を明確にしたうえで伝えている他、予防接種の同意文書を取り交わす等の取り組みがなされている。ただし、他にも施設の理念や基本方針、個人情報保護の具体的な取り扱い方法について等、入所時に保護者へ周知が必要な情報を配布用に文書化したものが用意されていないことは改善が望まれる。現在、それらの情報のとりまとめ作業を始めているため、完成が期待される。

●「子どもや保護者等が心理的な支援を必要とする場合、専門的な見立て、的確な助言を支援にいかせるよう、心理担当職員の採用と定着に期待したい」
 施設では、子どもや保護者等に心理的な支援が必要な場合において、現在は特別支援学校のコーディーネーターや法人内の児童家庭支援センターの心理担当職員など施設外の専門家から助言を受けて、支援にあたっている。現在、心理担当職員が不在となっているため、子どもや保護者等との関わりの中で、心理担当職員の専門的な見立て・的確な言葉かけなどが必要と考え、採用に向けて取り組んでいる。子どもへの心理的支援だけでなく、配置職員の支援にもいかされるとともに、家族等との関係構築にもつながっていくため、採用と定着に期待したい。

●「昨年度発生した事故を受け、養育目標に掲げた「子どもの安全第一」の姿勢保持とさらなる強化に向けて、引き続き取り組まれたい」
 昨年度、重大な事故が発生したことから、職員全体で事故防止への取り組みの不足を反省し、その検証や養育マニュアルの見直しを進めている。また、今年度の養育目標に「子どもの安全第一」を掲げ、職員の安全への意識を高め、ケースカンファレンスや各種会議開催時には、常に子どもの安全を第一に検討するように努めている。今後も施設・法人内はもとより、関係団体や関係機関等との情報交換や外部研修受講等で専門知識・技術を収集し、子どもの安全のさらなる強化に向けて引き続き取り組まれたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 昨年度発生した乳児死亡事故を受け、養育面では再発防止に向けた取り組みを見ていただきました。今後は、常に子ども一人ひとりの安全を第一に考え「改善を求められる点」の評価どおり、関係機関との情報交換や外部研修にも積極的に参加し、安全の強化に努めてまいります。ありがとうございました。
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