【1】第三者評価機関名 | (特非)アスク |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021050 SK2021051 S2021024 S2021025 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 40名 | |
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施設長氏名 | 藤原 崇夫 | 所在地 | 栃木県 | |
URL | http://www.shimotsuke-sanrakuen.net | |||
開設年月日 | 1912年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 下野三楽園 | |
職員数 | 常勤職員 | 31名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 4名 | 精神保健福祉士 | 3名 |
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保育士 | 9名 | 栄養士 | 2名 | |
調理師 | 2名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 26室 | (イ)設備等 | |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 「慈悲(じひ)」思いやる心 「智慧(ちえ)」正しい心 「勇猛(ゆうみょう)」強い心 【基本方針】 ①児童の健やかな発達に必要な家庭的機能が十分発揮されるように努める。 ②児童と職員が一体となった施設づくりに努める。 ③児童の保護者・関係機関及び地域社会の連携感の中で児童の養護に努める。 上記の3つを基本方針とし「慈悲」「智慧」「勇猛」の3つの柱のもと、 児童の健やかな心身の発達と自立に向けた支援に努める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 〇西館・南館で幼児男女と小学生以上女子が生活している4つのユニットでは、女子職員が「住み込み」という勤務形態をとっている。職員は、家庭的な雰囲気の中で、自分の家のような感覚で子どもたちが安心感を持って生活できるよう、養育支援に取り組んでいる。 | |||
【5】第三者評価の受審状況 | 2022年06月21日(契約日)~ 2022年12月11日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 1 経営改善や養育・支援の質の向上に向けた、施設長の指導力の発揮 施設長は、就任後、施設の人事、労務、財務等を分析して課題となるものを把握し、改善に取り組んでいる。中途採用の職員が少なからずいることから、前歴換算制度を採り入れ、採用前の経歴を給与に反映させている。児童棟(南館・西館・東館)ごとにチームリーダーを設けて、その結果業務がスムーズに進行するようになった反面、チームリーダーの業務量や精神的負担がかなり増加したことから、チームリーダー手当を支給することとしている。勤務時間についても、住み込み職員がサービス残業にならないよう、勤務時間や勤務シフトの調整を行うなど、施設長は、経営改善や業務の実効性を高めるため積極的な取組を行っている。 また、施設長は、理念や基本方針を具現化する観点から、第三者評価や自己評価を定期的に実施して、その結果をホームページに掲載し、施設内に第三者評価委員会を設置して評価結果の分析や課題の把握の取組を行っている。各種会議の場や子どもの自立支援計画票作成においては、養育・支援の現状把握と助言、指示等を行い、質の向上に向けて意欲を示している。2018年(平成30年)からは、職員一人ひとりと個別に面談する仕組みを設け、職員からの意見や提案、要望等について運営に反映させると共に、適切な養育・支援が実践されているか確認している。職員の教育・研修についても、養育・支援の質の向上に欠かせないものとして位置づけ、積極的に職員を参加させるなど、施設長は、養育・支援の質の向上に向けて指導力を発揮している。 2 工夫された学習環境の整備、学力等に応じた学習支援 中学生と高校生は個室で生活し、落ち着いて学習できるようになっている。小学生や中学生は、公文式学習を施設内で行えるように教室が準備されている。公文式を導入して10年以上が経つが、自分に合った学習内容なので、子どもたちの学力は伸びており、椅子に座って勉強をするという基本的な学習習慣が確実に身についていると施設では捉えている。地元の小・中学校では子どもにタブレットを貸与し、タブレットを利用して宿題を出すようになったが、それに対応するため、施設内にWi-Fi設備を整えている。常時Wi-Fiが使用できるとゲームやメール、SNS、ウェブサイトの閲覧等、子どもの生活習慣に影響を及ぼすことが懸念されるため、Wi-Fi設備のスイッチを宿題の時間に限定してONにする等の工夫も行っている。 3 子どもの満足度を把握する取組 毎月、ユニットごとに子どもと職員による会議を開催して、子どもの意見や要望を聞いたり、ユニットでの生活ルールなどを話し合ったりして、子どもの生活満足度を把握し、意見に基づいた改善を図っている。また、給食委員会では食事に対する調査も行っていて、子どもの意見を反映したメニューや行事食の提案を行っている。さらに、2021年に、小学3年生以下と小学4年生以上に分けてアンケート項目を作り、初めて総合的な児童アンケート調査を実施した。高学年の子どもへの調査項目は、①生活満足度、②楽しかったこと、③いやだったこと、④権利ノートの認識度、⑤プライバシーが守られているか、⑥自分の意見が言いやすいか、⑦相談相手はいるか、⑧不安に思っていること、⑨今の生活をよくするために必要なこと、などである。アンケートを集計・分析し、グラフを入れるなどその結果をわかりやすくまとめた文書を作り、子どもに回覧するとともに、子どもと話し合いを行って、養育・支援の改善につなげている。 ◇改善を求められる点 1 法改正や社会情勢・価値観等の変化に対応した、各種マニュアル・規程の見直し 運営管理規程等の施設運営の基礎となる規程類はもれなく策定済みであり、養育・支援に関連する生活支援マニュアル等のマニュアル類もほとんどが整備されている。しかし規程類やマニュアル類に使用されている文言や文章には、児童福祉法改正や子どもを取り巻く社会情勢・物事の価値観の変化に応じて、修正する必要のある部分が散見される。例えば、「入所のしおり」は、決まりごとがメインとなっていて、子どもにとって施設が安心して生活できる場所であることを明示していないことや、「生活支援マニュアル」の内容や表現が指導的・指示的な傾向にあり、「子どもの支援」という視点が十分でないことなどである。今後、各種のマニュアル・規程等の点検を行い、法改正や制度変更、社会情勢や価値観の変化等に対応した内容と表現になるよう、見直すことが求められる。 2 児童相談所と連携した親子関係再構築の取組 親子関係の再構築支援は、児童相談所が中心となって取り組まれており、施設は、児童相談所の援助方針に従って連携する形で支援をしている。しかし、設備運営基準に「親子関係再構築の義務が施設にもあること」が示されており、施設側から積極的に児童相談所に働きかけて、連携して家族に対して支援していくことも期待したい。特に親子分離ケースには、児童相談所が働きかけにくい場合もあるので、その際は、施設が家族に積極的に働きかけを行っていくことも必要である。施設には2名の家庭支援専門相談員が配置されているので、その役割を明確にして家族への支援体制の充実を図ることが期待される。 3 職員一人ひとりの育成に向けた取組 施設の運営方針の一つとして職員の教育・研修に力を入れていて、施設長が職員との個別面談を実施して職員からの意見や提案、要望等を聴き取り運営に反映するという仕組みはあるものの、職員一人ひとりの育成に向けた目標管理制度に類する取組は行われていない。施設運営にとっては、職員一人ひとりが目標を持ち、成長を続けることで、質の高い福祉サービスの提供につなげることが重要であり、前回の第三者評価でも改善の指摘を受けていることから、目標管理制度の導入に向けて早期に取り組むことが求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回で四回目となる第三者評価を受審しました。これまでの積み重ねにより改善が見られるという評価をいただいた一方で、不十分な点や見直しが必要な点もまだ少なくないことが明らかになりました。 今後の分園型小規模グループケアユニットの整備と併せてさらなる改善策を検討し、子どもたちの最善の利益のために、職員が一丸となってより良い施設運営ができるよう心掛けていきたいと考えています。 |