【1】第三者評価機関名 | (特非)アスク |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | SK15023 T08004 T14001 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 52名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 福田 雅章 | 所在地 | 栃木県 | |
URL | http://yohtokuenhp.kids.coocan.jp/ | |||
開設年月日 | 1957年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 養徳園 | |
職員数 | 常勤職員 | 38名 | 非常勤職員 | 5名 |
専門職員 | 児童指導員 | 9名 | 保育士 | 13名 |
---|---|---|---|---|
心理療法担当職員 | 1名 | 栄養士 | 1名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 44居室 | (イ)設備等 | |
---|---|---|---|---|
(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ◆養育理念 「養徳器成」(徳を養い器成る) ◆援助目標 「明るく・素直に・温かく」をモットーに、あいさつを大切にし、すべての児童が将来望ましい社会人になるよう援助する。 ◆援助の基本方針 ① 児童福祉法及び児童憲章、子どもの権利に関する条約の理念を理解し、常に子どもの最善の利益を考慮した援助に努める。 ② 家庭崩壊等で精神的ダメージを受けている現状を鑑み、子ども一人一人の共感的理解に努める。 ③ 本園が子どもの精神的安定の場となるよう、職員と子どもとの関係性を重視し、家庭的養護推進に努める。 ④ こどもとかかわり続ける方針の下、退所後の援助にも心を砕き、子どもの社会的自立を支援する。 ⑤ 地域とのかかわりを重視し、地域の養育力を最大限生かした援助に努める。 |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | ○家庭的養護の推進を目指して完全ユニット化を達成し、現在、小規模グループケア6か所(施設本館3ユニット、分園3か所)・地域小規模児童養護施設2か所による運営を行っている。 ○平成27年度から施設本館1階に児童家庭支援センターを設置し、相談事業・一時預かり事業(ショートステイ・緊急一時保護・トワイライトステイ)等の事業を実施している。 |
|||
【5】第三者評価の受審状況 | 2016年10月13日(契約日)~ 2017年03月02日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【特に評価の高い点】 ○地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動の展開 地域社会における子どもを取り巻く様々な問題の改善や解消に取り組むことを、園の大きな役割の一つとしていて、平成27年度に児童家庭支援センターを開設した。センターでは、虐待予防及び早期発見・早期対応に関する相談事業、要保護児童一時預かり事業としてショートステイ事業を実施していて、センター職員が民生委員・児童委員協議会や要保護児童対策地域協議会に参加するなど、県北地域を中心に要保護家庭への支援拠点として子どもの居場所づくりに努めている。 ○充実した年間実施計画に基づく職員の教育・研修の実施と機会の確保 職員の経験年数に応じた勤務態度・能力(専門性)を明示した「求められる職員像」に応じる形で、充実した内容の年間職場研修計画書を作成している。計画書には目的が明文化されていて、経験年数・習熟度・職種・資格・運営上必要とされるテーマ・前年度の受講状況等を配慮しながら計画を策定し、できるだけ多くの職員が研修に参加できるようにしている。 研修としては、①園内研修(毎月テーマを設け実施)、②法人としての研修(年6回実施)、③栃木県児童養護施設等連絡協議会研修(各種研修に該当職員が参加)、④外部研修、⑤園長ゼミ(年数回、主に新任職員を対象)などが設けられており、職員の資質向上に向けて積極的な取組を行っている。 ○援助基本方針に基づく、学習・進学・進路への充実した継続的支援体制 援助基本方針に「子どもの最善の利益を考慮した援助」を掲げており、その援助方針の実現に向けて、学習に関しても様々な支援を行っている。小学生に対しては、20年以上にわたって「公文式教育」を導入していて、公文施設サポート部の講師による子どもへの指導・アドバイスや、職員に対する「モチベーションを保つ指導技術」等の研修を行うなど充実した学習支援体制となっている。「学力の向上は、子どもが学校へ適応するための大きな要素でもある」という認識から、職員は日常生活の中でも宿題等に一緒に取り組み個別指導を行うとともに、学習習慣や学習態度の確立にも積極的に取り組んでいる。中学生の通塾・私立高校への進学について、措置費の対象となる以前から法人独自で予算を組んで実現してきており、現在でも希望する中学生は全て通塾していて、全員が高校(全日制・定時制・特別支援学校高等部)に進学している。また、学習ボランテアの活用、学力に応じた資格習得や漢字検定受験、「SBI英会話教育支援プログラム」の支援による英語教育にも取り組んでおり、大学進学希望者には法人独自の「大学等進学助成基金」を設けて支援しているなど、子どもの自立に向けた継続的な支援の取組を行っている。 【改善を求められる点】 ○職員の就業状況や意向の把握と働きやすい職場づくりへの取組 職員の就業状況については園長を中心に把握に努め、人員配置や勤務体制の工夫・人材の確保などを行うことで働きやすい職場になるよう改善に取り組んでいる。しかし、家庭的養護の推進によって少数の職員で子どもに関わることとなり、年次休暇取得実績が少ない(職種によるが)・時間外勤務が多くなる・悩みを相談する機会が得にくいなどの課題も抱えているのが現状である。子どもの最善の利益を念頭に置きながらも、職員にとっても働きやすくまたやりがいのある職場にするためにはどうしたら良いのか、今後園長を中心に職員全員で検討を重ねていくことが望まれる。 ○子どもの満足の向上を目的とする仕組みの整備 子どもの満足の把握については、「子どもがどのように感じているのかを日々の生活の中で職員が感じ取るものである」との施設の方針により、あえて満足度の調査は行っていない。また、「子どもの意見は尊重するが、不満に感じていることでも養育過程の中では必要なこともある」と職員が認識し支援に当たっている。しかし、子どもの満足を調査し把握することによって、養育・支援の質の向上に結び付けることが求められることから、組織として仕組み作りに取り組んでいくことが望まれる。 ○スーパービジョン体制の確立 園長をはじめ経験の長い職員がおり基幹的職員も設置されていて、随時経験の浅い職員へのサポートを行っており、毎月行なわれる園内研修(新任者ゼミ等を含む)や定例のユニット会議等で養育・支援内容について話し合い助言等を行っている。しかし、スーパーバイザーを明確にした体制が取られておらず、アンケート結果でも半数以上の職員が「スーパービジョン体制が確立していない」と回答している。今後、施設として職員相互に評価し助言しあうといったチーム支援の推進を図り、職員の専門性や施設の組織力の向上を更に図るため、スーパービジョン体制を確立することが望まれる。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 過去2回の評価と比して、評価基準の求めている水準についてじっくり考える機会となり、施設全体でより質の高い養育を目指していくことを確認できたと思います。また、職員アンケートの結果からは、職員間に仕事に対する意識の差があることを感じることができました。高みを目指しながらこの差を埋めていくことが、今後の課題であると認識しました。 |