社会的養護施設第三者評価結果 検索

つくば香風寮

【1】第三者評価機関名 (一社)Riccolab.
評価調査者研修修了番号 SK2021082
SK2021083



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 江原 勝久 所在地 茨城県
URL https://doujinkai.or.jp
開設年月日 2011年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 31名 非常勤職員 3名
有資格職員 社会福祉士 8名 臨床心理士・公認心理司 1名
精神保健福祉士 1名 栄養士 1名
保育士 9名
施設設備の概要 (ア)居室数 個室4,2人部屋1・・・3ユニット個室8,2人部屋2・・・1ユニット (イ)設備等 静養室、家族訓練室、宿直室、セラピールーム等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 1)理念
綱領「合掌深敬の心」を基本理念とする。
合掌深敬とは「感謝して深く敬う」との言葉であるが、狭義では人間尊重や個性尊重を意味している。
 しかし、課題として捉えるには漠然としている。故に、これを「人権を守る」と定義し、以下のとおり解釈する。
・あなたのことを知っています
・あなたに関心があります
・あなたを必要としています
これらを具現化するために、次のとおりに実践する。これらが、私たちのめざす「自立支援」の基本です。
・「あなたのことを知っています」とは、その基本は名前を知っているということです。必ず名前を呼ぶようにしましょう。
・「あなたに関心があります」とは、人間関係を示唆し、その基本はあいさつすることにあります。常に明るくあいさつすることを心掛けましょう。
・「あなたを必要としています」とは、「ありがとう」と言葉でいえることです。
 私たちは福祉を志し、奉仕やボランティアのこころを強く持っているため、常々「ありがとう」と言われる立場にあります。しかし、福祉の専門職としては、私たちが「ありがとう」と言える環境を造ることが求められています。子ども達の行事の参加や常々のお手伝いの中で「ありがとう」と言える場面を沢山造っていきましょう。

(2)基本方針
「地域社会における社会的養護のニーズに応えた、児童養護施設の安定的・継続的運営に努めるとともに、変容する多くの子ども家庭福祉の課題に柔軟かつ主体的に取り組みます。子ども達の生活支援において「受容・共感」「支持」「教示」を援助の基本とし、安心と安全の維持に最大限努力して、その子ども一人ひとりの健全な自己実現の助けとなる自立援助を実践します。
さらに、その子どもの声に丁寧に耳を傾け、子ども自身の意思や選択が反映されたより家庭的な生活支援の実現を目指します。
 子ども達の生活支援を地域生活の中での実践し、それらを通して地域に子どもの権利擁護意識啓発の発信する、地域児童福祉への専門性還元を視野に入れながら、地域と一体となった施設運営を目指します。」(施設運営基本方針)
【4】施設の特徴的な取組 ・職員全員がペアレント・トレーニングを学んでいる。(援助技術の標準化)
・アセスメントシートを作成,更新し,援助方針を立てることに役立てている。
・施設内外の研修に積極的に参加している。
・施設の高機能化,ケアワークの質の向上のために,心理支援的養育基本方針を掲げている。
【5】第三者評価の受審状況 2023年05月25日(契約日)~ 2023年12月28日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○「ストレングスに着目したアセスメントを踏まえ、会議で話し合う際にも個々の良い部分に焦点をあてて、目標の達成に向けて検討し、支援にあたっている」
 施設提供サービスの向上の一つに、アセスメントの強化による子どもと家族の理解を掲げており、一人ひとりのストレングス(強み)に焦点をあて、個々の理解を深めるために、子どもの良いところ、頑張っている部分を職員間で共有している。そのうえで、本人が克服したいことや、職員ができるようになってほしいところ等をすり合わせ、子どもの気持ちを尊重しつつ、生活体験、社会体験の機会を設けながら、「あったかい雰囲気」を大切にしながら、将来の自立生活に向けて必要な支援の提供に尽力している。

○「施設の方針を多様な形で全職員へ示すことにより、全職員の使命感や養育・支援の統一を図っている」
 養育指針や年間支援計画、生活マニュアル等に加えて、期待される職員像や心理支援的養育基本方針、施設長講話等、さまざまな方法で施設の方針を全職員で共有する取り組みを進めている。それぞれの浸透に向けて、新規採用職員についても「一年目のあなたへ」という冊子を配布したり、チューター制度等で丁寧な育成に努めながら、使命感や養育・支援の統一を図っている。

◇改善を求められる点
●「施設を離れた子ども・職員が集まる機会を創出し、近況報告によって現状を把握したり、相互の協力・連携につながる関係づくりに活かされたい」
 開設12年が経過し、施設は退所した児童や退職した職員等に声をかけて交流会を開催したいと考えている。退所後にどのような自立生活を送っているか、入所中のどんなことが役に立っているか等、卒園生から体験談を聞くことで、在籍する子どもが希望をもって生活することへの一助としたい。また、退職した職員と思い出話をする等、施設を離れた子ども・職員が集まる機会を創出し、近況報告によって現状を把握したり、相互の協力・連携につながる関係づくりに活かされたい。

●「運営計画の作成のしくみの中に各職員が関わる機会を用意し、運営参画意識の向上につなげていくことが期待される」
 毎年、運営計画を作成し、中間報告を理事会・評議員会へ提出して進捗状況を把握しながら年間を通して計画達成を目指すしくみが定着している。一方で、運営計画の作成にあたり、職員一人ひとりに意見を募り、反映するしくみまでは導入されていない状況となっている。今後は、次年度の計画作成の時期に職員一人ひとりに意見を募る場面を用意する等で、全職員が運営計画立案への関心を高め、運営参画意識の向上につなげていくことが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 前回の第三者評価でご助言いただいたことについて、施設として取り組んでいたことを評価していただきました。また、当施設の支援の核ともなっている「ストレングスの視点」を高く評価していただけたのは、職員全員が同じ方向を向きながら日々頑張っているところを認めていただいたと、ありがたく感じております。
当施設も開設して12年が経過する中、改善点として挙げられた退所児へのケアにはより力を入れていきたいと考えております。また、施設の運営についても、職員一人一人がより参加している意識を持てるような取組みをしていきたいと考えております。この度は本当にありがとうございました。
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