社会的養護施設第三者評価結果 検索

臨海学園

【1】第三者評価機関名 (一社)Riccolab.
評価調査者研修修了番号 SK2021082
SK2021083



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 塩澤 幸一 所在地 茨城県
URL https://doujinkai.or.jp
開設年月日 1952年06月24日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 25名 非常勤職員 2名
有資格職員 社会福祉士 2名 保育士 10名
臨床心理士 1名 児童指導員 7名
栄養士 1名 調理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童居室25室 定員30名 1,248.89㎡ (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 (1)理念
法人の理念は、「合掌深敬の心」を掲げて、子どもたち一人ひとりの個性を尊重し、その人権を守っていくこととしている。施設では、このことを踏まえて、子どもの目線に立ち、子どもの意思を尊重して自立を促すこととし、家庭的な支援を目指している。
(2)基本方針
「子どもの人権を守る」という権利擁護の意識を常に持ちながら、対人援助サービスの基本であるS・G・N・Tを実践し、子どもが豊かな感性を涵養できるよう援助・支援する。
S(Smile)笑顔   常に笑顔で接する
G(Greeting)挨拶 常に明るくあいさつをする
N(Name)名前   必ず子どもの名前を呼ぶ
T(Thanks)感謝  子どもに「ありがとう」と言える場面を作る
【4】施設の特徴的な取組 同一建物内に乳児院を併設しているので、社会的養護に求められている入所児の継続的な支援を行える環境が整っており、日常的な交流も活発に行っている。また、児童家庭支援センターも併設しているので、施設の心理担当職員を中心として地域の療育事業や子育て支援等にも積極的に関わっている。
【5】第三者評価の受審状況 2022年05月12日(契約日)~ 2022年12月23日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○「日常生活の中での「子どもの声」を傾聴して、その気持ちや希望、訴えを受容し、真摯に向きあい対応することで子どもの安心感を高めている」
 施設は、日常生活の中であがる「子どもの声」に注力し、生活上のお願いごと、人間関係、学校のこと等、明らかに要望という形で表明していなくても、会話の中で発した言葉を取り上げるとともに、その真意を汲み取ることを心がけており、可能な限り即時に応えられるよう努めている。時間を要する場合には、その旨を本人に伝えている等、子どもの願いや希望をできる限り実現させようと努力している。利用者調査結果から、目標や将来について等、気持ちや考えを相談しやすい大人がいて、暮らしやすく安心感を持って生活できていると感じている子どもが多く、日々の支援の成果がうかがえる。

○「施設の建て替えで小規模ユニット化したことにより、食事を中心に各ユニットの裁量で生活を営む家庭的な環境づくりを進めている」
 年度途中から小規模ユニットでの生活がスタートしており、居室は個室となってプライベート空間が確保できた他、各ユニットのリビングは独自性を出せるようになる等、家庭的な環境づくりを進めている。特に食事は、これまで厨房での一括調理からユニット毎の調理へと移行しており、基本的なメニューは同じであるが、食材等は各ユニットで弾力的に使える準備がなされ、子どもの状況等によってプラスアルファの一品を作れるようにしている。子どもが食べたいものを直接職員に伝え、一緒に作る機会も創出できる等、生活体験も増えている。小さな生活単位で、これまで以上に一人ひとりへの関わりが持て、良いところをほめる声かけも増えていることが、自己肯定感の高さにもつながっている。

◇改善を求められる点
●「職員一人ひとりの能力向上を目指して、個別研修計画を作成していくことが期待される」
 施設では、職員の専門性向上を図るために外部研修へ積極的に派遣するとともに、法人内研修やOJT等を通して必要な知識や技術が習得できるように取り組んでいる。一方で、職員一人ひとりの研修ニーズを把握したうえで必要な研修受講や資格取得支援等を行うしくみはなく、施設としても課題と認識している。今後は、個別研修計画を作成する一連のしくみを整備するとともに、これまでの研修履歴についても作成することで、法人内異動等で勤務先が変更しても計画的に能力向上を図ることができるようにしていくことが期待される。

●「子どもの満足度調査を定期的に行うことにより、生活の快適性等を把握しつつ、具体的な改善につなげていくことが望まれる」
 日頃から子ども一人ひとりに適した養育・支援に努めている一方で、施設全体の取り組みや生活の快適性等について、子ども全体の満足度を把握する取り組みに至っていない状況となっている。今後は毎年、衣食住等の生活の快適性についてや、年間行事、職員の関わり方に関する項目等を設定し、子どもの満足度調査を定期的に行うことで現状を把握し、具体的な改善に役立てていくことが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回は、施設の大規模修繕工事が終わり、オールユニット化が実現して間もない時期での受審でした。これから職員の勤務体制をどうしていくのか、また、新しい生活環境の中で子どもたちの家庭的な環境づくりをどのように進めていったらよいのか、といったことを模索している時期でした。その中で的確な評価とともに、今後に向けた方向性をたくさん示していただきありがとうございました。もうしばらくはコロナ禍で制限のある施設運営が続いていくと思われますが、出来るとことから着実に改善に努めてまいります。そして、子どもたちの安心安全を第一に施設運営の質の向上に取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。
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