【1】第三者評価機関名 | (公社)鹿児島県社会福祉士会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021294 S2021116 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 46名 | |
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施設長氏名 | 上薗 昭二郎 | 所在地 | 鹿児島県 | |
URL | http://www.meitetukai.or.jp | |||
開設年月日 | 1975年06月25日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人明澈会 | |
職員数 | 常勤職員 | 46名 | 非常勤職員 | 7名 |
有資格職員 | 臨床心理士 | 2名 | 公認心理士 | 3名 |
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社会福祉士 | 5名 | 保育士 | 12名 | |
栄養士 | 2名 | 教職 | 6名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 小規模グループケア2棟 | (イ)設備等 | 地域分園型小規模グループケア棟3棟 |
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(ウ) | 地域小規模児童養護施設1棟 | (エ) | 管理棟・多目的棟1棟 | |
【3】理念・基本方針 | 基本理念(基本養護方針) 家庭的養護・集団養護のなかで、社会人として自立できる豊かな心と、現状を正しく判断できる眼を養い、施設生活が特異なかたよりをもつことのないよう、子どもの幸せをはかることを方針とする。 運営方針(指導目標) 1.基本的生活習慣の確立 2.思いやりの心を育てる 3.どんな小さな体罰、力の威圧も排除する(特に児童の上下関係) 4.食事を文化として確立していく |
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【4】施設の特徴的な取組 | ・小規模グループケアが2カ所、地域分園型小規模グループケア3カ所、地域小規模児童養護施設1カ所ですべての子どもたちに小グループケアを行っている。 ・子どもにとって施設での最大の楽しみは食べることにある。空腹が満たされ気持ちが安定し、そのようなものとして心身に溶け込んだ食の記憶は、生涯その人の人格の基礎の一つとしてあり続ける。このことを念頭において「食」を基盤とし、とりわけ食べることの重要性を大切にしている。 ・食事は、調理職員によって3食調理され、極力既製品を使わず手作りのものを心がけている。味付けは化学調味料を使用せず、薄味を心がけている。子どもの誕生日には、元シェフの調理師が誕生者のホームを訪れ、目の前で特別献立を調理して祝っている。毎週土曜日は、家毎に食事作りをしている。学期毎に1回は、独自の献立を立て材料の買い出しに行き、子どもたちも一緒になり調理をしている。 ・心理療法は、心理療法を行う有資格者が3名おり、うち2名が心理療法を実施している。心理療法室は大小の2部屋あり、大プレイルームでは主に遊戯療法を小プレイルームでは主に心理面接を実施している。 ・園長は、県内で初めて施設機能を地域に開くために「子どもと家族の相談室」を設置し、主に不登校問題を中心として、地域のみならず県下一円に窓口を開いて定期的に相談会を実施している。 ・令和2年に地域支援部門として「子どもと家族の支援センターもぜもぜ」を附設し、南薩地域の子育て相談に応じている。「もぜもぜ」では南さつま市からファミリ―サポートセンター事業や利用者支援事業を受託し、子育て相談の窓口となっているため、ニーズの把握とともに子育て支援活動を実施している。さらに、心理職が南さつま市の発達相談会や乳幼児健診に担当心理士として参加しているため、地域のニーズを把握する貴重な機会となっている。令和3年7月から「児童家庭支援センターもぜもぜ」を開設し、4名の専門職スタッフが、行政職員と連携しながら、積極的にアウトリーチにて地域のニーズを把握する取り組みを行っている。隔週で南薩4市役所内に相談窓口を設けて、情報収集や相談業務を行っている。法人としてスクールソーシャルワーカー(SSW)を受託し、小中学校と連携した地域の福祉ニーズの把握に努めている。 ・職員研修は、行動化した子どもへの対応についてのトレーニングを生活支援職員全員が行い、ペアレントトレーニングを定期的に行い、職員のスキルアップを図っている。全職員が研修できるように、施設内研修として、権利擁護、性教育など外部講師を招聘しての研修や、トラウマインフォームドケアや子どもの虐待防止センター(CCAP)の研修など、配信による研修も実施している。 ・令和4年に第9回「生活の中の援助」事業報告会を開催し、事例集10を発行した。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年11月20日(契約日)~ 2024年03月26日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | ◇総 論 ・児童養護施設南さつま子どもの家は、県内初の不登校児童指導施設として唯一認定され、理事長兼園長は30年余にわたり、鹿児島市内外において不登校児童を中心とした相談を行っています。理事長の長年の不登校相談の取組や児童養護施設の小規模化への先駆的な取組が高く評価され、令和2年に地元新聞社主催の第71回南日本文化賞社会福祉部門で社会福祉法人「明澈会」が顕彰されています。 ・当法人の施設は、小規模グループケア棟、地域分園型小規模グループケア棟、地域小規模児童養護施設ですべての子どもたちに小グループケアが行われており、国の「新しい社会的養育ビジョン」を先駆的に取り組み、運営されています。 ・令和3年から「児童家庭支援センターもぜもぜ」を県認可のもとに開設し、専門的知識・技術を活かしながら、児童に関する家庭等の相談業務などを行っています。 ◇特に評価の高い点 ・児童の養育にあたっては、どんな小さな体罰、子ども同士も含む力の威圧を排除し、思いやりの心を育てることが信条として掲げられ、CPI(非暴力的危機介入法)トレーニングやペアレントトレーニングを導入しています。体罰・虐待防止、子どもの心理的変化と行動化した際の適切な対応が取れるよう、職員の資質向上を図るための様々な研修が行われています。 ・「南さつま子どもの家の生活の流れ」という子どもの養育・支援の実施マニュアルは、社会に巣立っていく子どもが常識的な生活マナーなどを習得して真に自立していけるよう、細やかな配慮がなされ、定期的に見直されています。 ・先駆的に心理療法を取り入れており、心理療法のできる有資格者を複数配置し、心理療法対象児のプレイセラピーと心理面接を継続的に行い、子どもの心理的課題に対応しています。 ・指導目標に「食事を文化として確立していく」と掲げ、食事を命と心にとって大事なものとして捉え、減農薬米を使用したり、既製品や化学調味料は極力使用せず手作りで薄味の食事を提供するなど、食に対して細やかな配慮がなされています。また、子どもの誕生日には、元シェフの調理師がホームに出向いて希望する特別メニューを目の前で調理して祝っています。毎週土曜日には、各ホームで独自の食事を作るなど食育に注力しています。 ・虐待・不登校の子どもへのソーシャルワークの活用事例報告会を3年に1回行い、「生活の中の援助」事例集を発行しています。今回10冊目となる事例集は、施設入所後の支援の記録をもとに作成された児童養護施設としての具体的な自立支援のモニタリング・プランニング、スーパーバイザーからのコメントが加えられた実例であり、児童養育・支援従事者の有効な参考資料になるものと思われます。 ◇改善を求められる点 ・国・県の施策に沿った先進的な取組により、施設の小規模化が計画的に進められ、福祉人材の確保も充実した運営となっています。そのような中、新たな福祉サービスの実施などに取り組んでおり、将来構想、財務分析による中・長期ビジョン、収支計画の策定が期待されます。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 4回目の受審でした。今回の受審では、特に「南さつま子どもの家の生活の流れ」の改訂や「生活の中の援助」事例集10の発行を高く評価していただきました。今後も丁寧な養育、子どもたちとの日々の生活・関わりを大事にしていきたいと思います。 そして、児童家庭支援センターを設置し、積極的にアウトリーチ支援を行い、学校・地域と密着した地域相談支援や、里親支援の取り組みについても高く評価していただき、今後も地域の子育て支援に努めてまいります。 自己評価は、コロナ禍もありガイドラインに沿って十分な自己評価が実施出来なかったため、自己評価の進め方ガイドラインに沿って自己評価を実施していきます。 中・長期計画(家庭的養護推進計画)は、ほぼ計画通り達成されており、さらに地域分散化をすすめており分園型小規模グループケアの数を増やす方針です。鹿児島県社会的養育推進計画のなかでは中・長期のビジョンが示されていないため、県のビジョンが示されることで、施設も中・長期計画、収支計画の策定を進めやすいと考えております。 |