【1】第三者評価機関名 | (社福)佐賀県社会福祉協議会福祉サービス評価センターさが |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021266 S2021103 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 36名 | |
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施設長氏名 | 河原 祐一郎 | 所在地 | 佐賀県 | |
URL | http://www2.saganet.ne.jp/seikaen/ | |||
開設年月日 | 1949年06月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 慈恵会 | |
職員数 | 常勤職員 | 39名 | 非常勤職員 | 1名 |
有資格職員 | 保育士 | 18名 | 社会福祉士 | 5名 |
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精神保健福祉士 | 1名 | 公認心理士 | 1名 | |
栄養士 | 1名 | 看護師 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 41部屋 | (イ)設備等 | 定員6名の小規模グループケア |
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(ウ) | うち分園型小規模グループケアホーム1カ所 | (エ) | 地域小規模児童養護施設1カ所 | |
【3】理念・基本方針 | 1 基本理念 様々な事情により入園してきた児童に対し、安心して生活できる場を提供し、必要な教育を受けさせ、家庭的な環境の下で心身ともに健やかに育てるとともに、最終目標として、社会への自立または家庭復帰を目指すため、様々な取り組みや支援を行います。 2 基本方針 ① 安全、安心な生活の確保 児童を病気や事故等から護り、安心して生活できるよう、衣食住を整えるとともに、心理面においてもケアを行い、より安全、安心な生活環境づくりに努めます。 ② 児童の人権の尊重 児童福祉法及び子どもの権利条約等を遵守するとともに、児童の心の声に耳を傾け、多様性を認めながら、児童の人権を尊重し、プライバシーの保護にも努めます。また、児童の最善の利益を目指す中で、その自主性や自己決定を尊重します。 ③ 個別的な支援の充実 新しい社会的養育ビジョンに基づき、分園化及び小規模化したより家庭的な環境の中で、個別的な支援の充実を図ります。 ④ 健やかな成長を促すための教育と支援 児童それぞれの年齢や能力、発達状況に応じて適切な教育環境を調整するとともに、より発達や成長を促すための様々な取り組みを行い、健やかな成長を支援していきます。 ⑤ 自立を促すための取り組みと支援 社会へ巣立つにあたり、経済的自立は勿論、社会的自立、生活の自立、さらにはこれらを支える精神的自立の力を養うことができるよう、様々な取り組みや支援を行います。 ⑥ 家庭との連携と家庭環境の調整 児童の成長においては、家族の理解と協力が大きな力になることから、家族との協議を丁寧に行うとともに、家庭に戻り、家族と暮らすことは、児童の最大の願いであるため児童が早期に家庭復帰できるための環境づくりに取り組んでいきます。また、家庭復帰後についても、関係機関と連携し必要な支援を行います。 ⑦ 地域との共生 施設の児童は、地域の中で育つということを常に意識し、地域及び学校等の行事や祭などに積極的に参加するとともに、地域の方々にも、聖華園の行事にも参加してもらうなど、地域の方々と聖華園児童との相互理解を深めながら交流を図ります。特に、地域小規模児童養護施設では、地域の一員としての自覚を持たせ支援を行う。 ⑧ 職員の資質の向上 児童を護り、健やかに育てるためには職員の熱意と人間性、専門性の向上が不可欠であることから、これらを高めていくための研修や取り組みを積極的に行い、高度なケアニーズに対応していきます。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ・現在当園は、6棟のホームユニットケアで運営している。うち2棟は、地域小規模児童養護施設、分園型小規模グループケアホームで地域分散化を実施し、定員数も令和2年度は45名、令和4年度は41名、令和5年度には定員数を36名に段階的に削減し、家庭的な環境での養育を推進している。また、地域小規模児童養護施設と分園型小規模グループケアホームについては、児童の居室を完全個室で対応している。 職員配置は3~6名の担当制で、少数の児童に対し、大人と個別に関わる時間を多くとれるように配慮している。また令和4年度から処遇職員による食事の提供(食材の購入、献立、調理等)を行い、より家庭に近い環境の下で児童の支援を行っている。 本園管理棟に自立支援室を設けて、高校3年生を対象として一人暮らしに向けた自活訓練を実施し、支援内容は、児童自ら起床し、弁当を詰めて登校する、掃除、洗濯等身の回りのことは自分で行う、土日の3食は食材を購入し自炊する、などの自立に向けた生活体験の支援を行っている。 施設の多機能化として、令和5年3月1日より、児童家庭支援センター「絆」の運営を開始し、地域の子育て家庭から養育、育児、躾等の相談を受け、各専門職(社福士、心理士、保育士、保健師)が相談業務にあたっている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年05月11日(契約日)~ 2023年11月10日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | 【特に評価の高い点】 ○ 子ども達が家庭的な環境の下で健やかに育ち、社会への自立または家庭復帰を目指し支援するとの基本理念の下、子どもに寄り添い、自主性を尊重しながら支援されている様子がうかがえた。 ○ 段階的な施設定員の削減、小規模グループケアの実施、地域小規模児童養護施設・分園型小規模グループケア施設の開設などがこれまで逐次実施され、令和5年3月には児童家庭支援センター「絆」が開設されるなど経営を取り巻く環境・経営課題を踏まえた組織的な取り組みがなされている。 ○ 春秋の地域の河川清掃への参加、災害時の一時避難所の開設などとともに、児童家庭支援センター「絆」において子育てや家庭内の悩みごとについての電話やメール・来所による相談や職員訪問による相談等の支援に取り組まれている。 〇 被措置児童虐待対応マニュアル、危機管理マニュアル、火災等避難誘導マニュアルを定め、職員及び子ども達に周知するとともに防災委員会を設け、ヒヤリ・ハット事例の収集分析・再発防止策の検討など組織的な取り組みがなされている。 ○ 生活支援マニュアル等を整備し、入園前の施設見学、面談等を通して園での生活の様子の説明や相談に応じるとともに、日常生活用品の準備、保育園や学校等の関係機関との情報の共有・協議と子どもや保護者への説明を密にし、不安の軽減に努められている。家庭復帰等に際しても、相談や来所・訪問等の児童家庭支援センターによる支援が有ることを説明されている。 ○ 退園後の生活に向けて、自立支援室を活用した生活全般に亘るリービングケアの支援、ブリッジフォ―スマイルの自立支援事業への参加、児童家庭支援センター「絆」による電話等による相談や来訪、職員による訪問など退所後の支援に積極的に取り組まれている。 ○ 小学校低学年、高学年、中学生それぞれに応じたプログラムで性についての正しい知識を持つように教育を定期的に実施されている。幼児についても個浴とし、おむつ交換・着換えも他の子どもの目につかないよう配慮されている。また、年齢に応じて、性病・妊娠など医師からの教育を受ける機会を設けるなど命と向き合う大切な教育として取り組まれている。 【改善の求められる点】 ○ 人事基準が明確にされ、職員への周知とともに、職員の目標管理の設定や施設長等との個人面談の実施等職員の意見等の把握に努められているが、評価が十分ではなく、職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度を評価する人事評価の仕組みの充実が望まれる。 ○ 火災や自然災害発生時の対応マニュアルが整備され、避難訓練や防災訓練を実施し、食料や生活用品、備品類の備蓄管理もなされているが、現在、作成検討が進められている災害発生時の養育・支援継続のため事業継続計画(BCP)の早期策定が望まれる。 ○ 心理士を配置し、心理的ケアが必要な子供に対してはプレイセラピーの実施等自立支援計画に基づく支援がなされ、職員研修や職員会議等で情報の共有、職員間の連携の強化にも配慮されているが、今後とも、職員が外部の専門家からスーパービジョンを受ける仕組みが充実することを期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 当園の取り組みについて、第三者委員の方々からの高評価をいただき、誠にありがとうございました。日頃から全職員で取り組んだ結果と受け止めております。また、改善についてご指導いただいた項目については、真摯に受け止めて改善に向けて取り組みを進めて参ります。これから当園としては、新しい養育ビジョン及び佐賀県社会的養育推進計画に基づき、施設の小規模化・地域分散化、高機能化及び多機能化を目指し、中期計画の見直しを毎年行い、子どもたちの権利擁護と、より家庭的で個別的な手厚い支援が行えるように努力していきます。特に、今年度は児童家庭支援センターを開設し多機能化の一歩を踏み出しました。改善点の中の、人事評価や災害時の事業継続支援(BCP)及び心理担当職員の外部からのスーパーバイズについては、早急に取り組みたいと思います。今後は、小規模化は全てホームで行っていますので、ホームの地域分散化とケアニーズの高い子どもの支援が可能になるように、専門職との連携や職員のスキルアップ、人材確保に力を入れ高機能化を図りたいと思います。多機能化については、児童家庭支援センターを中心に、本園の空きホームを利用し地域支援に貢献できる事業を展開していきたいと思います。 |