社会的養護施設第三者評価結果 検索

若松児童ホーム

【1】第三者評価機関名 (特非)北九州シーダブル協会
評価調査者研修修了番号 SK2021257
14-a00026
SK2021256


【2】種別 児童養護施設 定員 57名
施設長氏名 松本 祐子 所在地 福岡県
URL https://www.wakaji.jp
開設年月日 1929年06月20日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 若松児童ホーム
職員数 常勤職員 39名 非常勤職員 12名
有資格職員 児童指導員 11名 保育士 16名
家庭支援専門相談員 2名 看護師 1名
心理士 4名 里親支援専門相談員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童居室・幼児室 18室 (イ)設備等 浴室 3ヶ所、食堂 1室、トイレ・洗面所 4ヶ所
(ウ) 学習室 2室、プレイルーム 1室、リビングルーム 2室、 (エ) 集会室 2室、実習生室 1室、医務室・静養室 1室、心理室 1室
【3】理念・基本方針 1. 子どもたちの権利擁護への取り組みを行います。
2. 子どもたちの個性に合わせた養護に努めます。
3. 地域社会などと連携し、子どもたちの社会性を高めます。
処遇困難児・被虐待児などに専門的援助、治療的ケアを行います。
【4】施設の特徴的な取組 ・明るく働きやすい職場作りを目指す努力をしている。
・人事考課(施設長や各チーフとのヒアリング実施、関係構築や自己PR)【賞与に反映】
・福利厚生の充実。(年休消化率アップや、交代勤務で働きやすい勤務体制強化
リフレッシュ休暇【連休利用】・産休育休の積極的活用・職員研修旅行【施設見学】など)
・原則的には、毎日施設長はじめ出勤者が参加して引継ぎ(報告会)を開き、子どもたちの
現況など各部所(幼児・男子・女子・地域小規模・調理・看護・事務等)と情報共有を図る
ことで、サービスの向上につなげる取組みを行っている。
・地域小規模施設2ヶ所の職員配置及びバックアップ体制の充実【自立と家庭的養護をテーマにした取り組み】
・多目的ハウス(海風)の有効活用(小グループ宿泊体験・新型コロナウイルス感染隔離
家庭支援親子生活訓練・自立訓練一人暮らし体験など)
・夏旅行を子どもたちの意見を反映できるよう取り組んでいる
【令和1年大阪USJ・令和2年コロナ禍中止・令和3年九州方面・令和4年大阪USJ】
・ホームページの充実(多くの方々に児童養護施設に関心を持ってもらい、人材確保に役立っている)
・情報の一元化情報管理システム「抱」
 【本園と地域小規模施設との情報共有がスムーズになった】
【5】第三者評価の受審状況 2022年09月28日(契約日)~ 2023年03月13日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
〇 地域に愛されている施設である。
・小学生は校区キッズクラブに入会し、地域の一員として行事や活動に参加している。現在建て替え工事中であるが、隣接する古前小学校との関係も密であり、学校行事(運動会の準備、後片付け、清掃活動等)に多くの職員を派遣し、良い関係を築くことが出来ている。また、施設長が校区のまちづくり協議会のメンバーであり、地域の情報やニーズを把握し、地域行事の手伝いに職員や中高生を派遣する取り組によって、施設に対する地域の眼が温かい。また、古前少年消防クラブを結成し、消防署と密に連携した活動が始まっている。
〇 人材の確保、育成に力を入れて取り組んでいる。
・実習生を積極的に受け入れ、「ここで働きたい」と思える施設であることから、実習生が多く入職している。また、コロナ禍の中、Zoomによる就職説明会を開催する等、人材の確保に向けて意欲的に取り組んでいる。
・心理士が作成した、「ケアワーク・トレーニングガイド」を基に、新人職員が段階的に専門的知識、技能を身に付けることが出来るよう、定期的に先輩指導員による研修を実施、心理士がスーパーバイザーとなって計画的に施設内研修を実施して職員の育成に取り組んでいる。
〇 地域小規模化を推進し、より家庭的な環境の下で養育、支援に取り組んでいる。
・令和4年4月に地域小規模児童養護施設「みなと」を開設し、小学生の男子6名が生活している。「汐風」(平成28年開設)には中高生男子5名が生活しており、地域小規模の特性を活かした手厚い支援を愛情深く行っている。また、若松児童ホーム近くの一軒家を借りて、多目的ハウス「海風」を開設し、家庭復帰に向けた親子宿泊体験場所、子ども達の宿泊体験、自然災害に備えた避難場所、職員の休憩場所等、様々な目的で活用している。
〇 専門職の強化と各事業班に分かれて活動を深化させている。
・心理士を1名増員して4名、家庭支援専門相談員も1名増員して専任2名体制、里親支援専門相談員1名、今年度から自立支援担当職員を1名配置して、児童指導員、保育士、看護師、栄養士、調理師と連携し、情報を共有しながらチームによるアプローチが図れている。また、各事業班(業務運営改善班・後保護支援班・子ども交流班・児童自立支援班・学習班・保健環境整備班・広報班・食育班)に分かれて活動を深めることで全員が運営に関わることができ、職員の意欲とやりがいに繋げている。
〇 情報発信の強化とパソコンソフト導入による情報の共有、ペーパーレス化に取組んでいる。
・広報誌を年1回発行し、りホームページをリニューアルして、「知ってもらう」ことに力を入れた取り組みにより、各方面からの問合せが少しずつ増えている。
・Wi-Fi環境を整えて、記録・情報管理ソフトを導入し、日誌、児童記録、スケジュール、マニュアル等を共有できるシステムを構築し、本体施設から離れた場所にある2ヶ所の地域小規模とも瞬時に情報を共有できている。
〇 「食」の楽しみと役割について伝えることに力を入れている。
・年2回嗜好調査を行って献立に取り入れ、盛り付けや色味も大切にしながら家庭的な食事を提供している。手作りおやつ、選択食、季節の料理、行事食、色々な地方の郷土料理を提供することで、子ども達が食に関心を持ち、食を楽しめるよう工夫を重ねている。高校3年生には土、日曜日の昼食時に調理実習を行い、自立に向けた支援にも取り組んでいる。

◇改善を求められる点
〇 情緒不安定や発達がい等、処遇困難な児童が増えている中、各専門職が報告、連絡、相談を徹底し、連携してチームで課題解決に取り組む体制の構築を期待したい。
〇 看護師が中心となって子どもの健康管理を行い、必要時の病院受診、関係機関との連携を行っている。地域分散化が進む中、地域小規模児童養護施設2ヶ所を含め、これからは、現場の職員一人ひとりの観察力や適切な判断、対応が必要になる場面が増えると思われる為、医療、健康に関して学習する機会を増やし、知識を深める取り組みを期待したい。
〇 コロナ禍であり、卒園生が集まる同窓会の開催も難しい状況であるが、コロナ収束後には定期的に同窓会を開催し、卒園生とホームの子ども達が交流する機会を設けて絆を深め、卒園生との繋がりを大切にする取り組みを期待したい。
〇 建て替えプロジェクトチームをホーム内の職員で組織しているが、内部だけではなく外部からも専門家を招いて多方面からアドバイスを受ける等、時間をかけて慎重に検討していく事を期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント ・今回の受審において、地域小規模児童養護施設2ヶ所の見学や、親切丁寧な聴き取りまた、課題に対して的確な助言を頂き、心から感謝申し上げます。
日々のルーティンの振り返りの機会が出来たことは、施設運営においても良い機会であったと思っています。ご指摘いただいた点を真摯に受け止め、職員一丸となって取り組み「安全で安心できる生活」を提供し、アフターケアを充実した「継続的な支援」に繋げていく所存でございます。
職員が笑顔で働き、子どもたちが「この人と出会ってよかった」と思える施設を目指していきます。
今後ともご指導の程、よろしくお願い致します。
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