社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖小崎ホーム

【1】第三者評価機関名 (特非)北九州シーダブル協会
評価調査者研修修了番号 SK18274
SK18273
14-a00026


【2】種別 児童養護施設 定員 60名(現員46名)
施設長氏名 竹山 公浩 所在地 福岡県
URL http://st-kozaki.com/
開設年月日 1946年08月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 カトリック社会事業協会
職員数 常勤職員 28名 非常勤職員 18名
有資格職員 心理士 1名 栄養士 4名
看護師 1名 保育士 13名
児童指導員 6名 社会福祉士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 本館1階(幼児)・本館2階(小学生男子)本館2階(中高校生男子)・幼児棟(女子)小規模ケア含む (イ)設備等 洗濯機、乾燥機、食器乾燥機、冷蔵庫
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理 念】
聖小崎ホームは、創立者の精神に従って、キリストの教えられた隣人愛に基づき個々の児童の人格を尊重し、児童が自主、自立の精神を持ち、神から与えられた使命を全うし、健全な社会人となることができるよう、その養護に最善を尽くすものとする。
【基本方針】
児童福祉法に基づき、家庭において適切な養護を受けることのできない児童に対し、良い環境と、神の恵みである“いのち”を、愛をもって育むというカトリックの理念のもとに、健全な社会の一員に育成する。児童養護施設運営指針に基づく児童の養育支援と運営を目指す。
【4】施設の特徴的な取組 ・子どもたちの基礎学力向上のための公文学習を実施
子どもたちの希望を聞きながら、各種スポーツや習い事…小学生中心に施設外での交流を主目的に習い事(野球・習字・英語・水泳等)を行っている。
職員の支援力向上のために各研修を実施している。(全職員が所属)
①委員会活動…全職員が所属し、自立支援・性支援・ライフストリーワーク(生育歴)の3つの委員会活動を      行っている。
②職位研修 …新任・中堅・リーダー・ベテランと勤務年数や役割によってその立場で求められる役割や悩み      等を共有している。
【5】第三者評価の受審状況 2022年02月04日(契約日)~ 2022年04月18日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
〇 キリスト教の愛の精神に基づいた養育
一人ひとりの人格を尊重しながら愛をもって子ども達に関わり、より良い支援を目指して、施設長、副施設長、主任指導員を中心に職員が一つにまとまり、温かな大きな家としての雰囲気作りに日々取り組んでいる。
〇 地域交流・地域貢献
地域企業の協力による田植え、稲刈り、梅の収穫体験、草刈りボランティア、餅つき、魚釣り、プロ野球の招待、スポーツ教室、習い事の同行支援等、多くの体験を通して豊かな育ちに繋げている。校区町づくり協議会に参加し、地域行事への参加や近隣老人ホームとの交流、地域の方を招いてのお花見会等、子ども達と地域との交流を広げ、社会性を身につけられるよう支援している。また、地域の年末防犯夜回りやNPO法人主催のホームレス支援、一人暮らしの高齢者への支援等、地域社会貢献活動に積極的に取り組んでいる。
〇 子どもの思いや意見を大切にする取り組み
うさぎの耳(苦情、要望を投函する箱)を玄関に設置し、苦情等が入った場合には丁寧に対応し解決に向けて取り組んでいる。また、グループ会議、プロジェクト会議、定期的に行うアンケート、要望ノート、個別面談等、多くの機会を通して子どもの意向や悩みの把握に努め、子どもの思いに寄り添った支援に努めている。
〇 職員参画の下で事業計画が策定されている。
事業計画策定の前に、アンケート「事業計画立案についての提案」を実施し、職員に関すること、組織全体・施設整備修繕、その他改善すべき点・気づいた点についての意見を集約し、事業計画に反映させている。
〇 自立支援・性支援・ライフストーリーワークについて委員会を設置して全職員が所属し、定期的に勉強会を実施する等、重点的に取り組んでいる。
〇 家庭的な雰囲気の食事の提供と食育への取り組
30年在籍する栄養士の他にも長く勤める調理師が多く、ベテラン職員が自分の子どもに食べさせたい食事を意識しながら、家庭的な料理を提供している。新型コロナ感染症対策の為、食堂に集まって食べることを控え、各グループに冷蔵庫、IHのコンロ、電子レンジ、炊飯器を準備して、各グループに食事を運んで提供している。季節の行事食、郷土料理、誕生日のリクエストメニュー、手作りおやつの提供等、普段と違う食を楽しめるよう支援している。

◇改善を求められる点
〇 外部への発信の強化
前回の第三者評価結果を受けてホームページは作成されているが、広報誌の発行には至っていない。施設の行事や生活の様子、寄付やボランティア活動への感謝、新入職の職員紹介、お知らせ等を掲載して地域の方や保護者に配布することで透明性を確保し、施設の頑張っているところ、支援して欲しい事を外部にオープンに伝えることで更なる繋がりを広げていく事を期待したい。
〇 人材の育成・職員の定着を目指す取り組み
3年目未満の若手職員が多く、その層が意欲を持ち継続して働き続けられるよう、一人ひとりの個別の研修計画を作成し、計画的に人材育成に取り組み、スーパービジョンを含めたフォロー体制の構築が望まれる。
〇 退所者と入所者が交流する機会を設け、入所している子ども達へのアドバイスや経験談を話したり、退所者にとっては、「里帰りの会」と位置づけし、不安や悩みの相談が出来る機会とする等、施設が「心のふるさと」としてあり続けるための取り組を期待したい。
〇 障がいや疾病を持つ子どもが多く、年々処遇が難しく多岐にわたる支援が必要となることから、職員一人ひとりが専門分野について学ぶ機会を設け、知識の共有とスキルアップを図る事を期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回、三回目の受審となりました。以前と比べて職員数も増え、地域小規模児童養護施設など新たな取り組みを始めた中、受審の機会を与えていただいたことで、今現在の状況を客観的に把握する材料となり、より良い方向へ進む指針としたいと思います。

職員増員により、子どもを支援していく中で必要と理解しながらも、順調に取り組めていなかった性教育、ライフストーリーワーク(生い立ちの整理)、自立支援の勉強会を継続的に開催し、日々の支援の中に少しずつ反映できた点を評価していただいたこと、家庭支援について重点的に取り組んでいる点も評価していただき、取り組む職員にとってモチベーションを維持することにつながり感謝致します。

子どもにとっても大人にとっても、より良い施設を目指し、今後も日々の関わりを大切にして、前へ進んでいきたいと思います。ありがとうございました。
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