社会的養護施設第三者評価結果 検索

和歌山市旭学園

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15113
1601C029



【2】種別 児童養護施設 定員 110名
施設長氏名 梶村 智 所在地 和歌山県
URL http://wsj-kyoukai.or.jp/asahi
開設年月日 1966年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人和歌山社会事業協会
職員数 常勤職員 36名 非常勤職員 4名
専門職員 社会福祉士 1名 保育士 5名
社会福祉主事 5名 幼稚園教員免許 5名
精神保健福祉士 2名 栄養士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 15室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 子どもたちの最善の利益と権利の実現のために、安心して暮らせる場と、様々な経験やケアを提供し心身ともに健全な社会の一員として自立できるよう支援を行う。すべての職員は、資質向上に努め、地域における子育て支援に貢献できるように努めることを理念とし、理念に基づく、「明るく正しく健やかに」をモットーに、一人ひとりの個性を尊重しながら支援を行うこと。
【4】施設の特徴的な取組 ①園便りを毎月発行し、行事や子どもの状況等を知らせることが可能な保護者の下に発送している。その際、子どもの手紙や写真、職員からの一言を添えている。

②幼稚園に就園するまでの幼児に保育計画を策定し施設内保育を行っている。

③学習室を整備し、学習指導員を配置し個々に応じた学習支援に取り組んでいる。
【5】第三者評価の受審状況 2017年02月10日(契約日)~ 2017年08月29日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 和歌山市旭学園(以下「当施設」という。)は、1955年設立の児童養護施設であり、現在、和歌山市の指定管理を受けて運営がなされています。3年先には民営化が計画され、市と県が建物の移転地や施設形態等について協議しています。現在の建物は大舎制(一つ棟の中で大勢の子どもが生活するスタイル)で、幼児、小学生、中高生の3つのブロックに分かれて生活しています。

◇特に評価の高い点
「園だより」の保護者への送付
 毎月「園だより」を作成し、関係機関や団体だけでなく、希望する保護者に向けて送付しています。この「園だより」には、その月の施設の行事計画や報告を中心として子どもの文章などが掲載されています。保護者には、この「園だより」と共にそれぞれの子どもたちの状況や写真等を送付しており、情報の提供といった観点と子育てを保護者とともに共有するといった観点からもこの取り組みは高く評価できます。

充実したマニュアル類の取り組み
 前回の第三者評価で課題として取り上げられた管理運営や養育・支援のための各種マニュアル類が整備され、それに基づいた取り組みが展開されています。具体的には、リスクマネジメント関係のマニュアルとして「危機管理マニュアル」「事故防止マニュアル」「不審者対応マニュアル」「防災マニュアル」と項目別に詳しく定められています。また、養育・支援の基本となるマニュアルとして基本的な考えや姿勢を定めた「入所児童支援対応マニュアル」とより具体的な支援マニュアルである「生活ケアマニュアル」が作成され、職員に有効活用されています。

発達段階に応じた学習環境や遊びの保障の充実
 幼稚園に就園する前の子どもに対し、季節や年齢に応じた保育計画が丁寧に作成されています。幼少期における子どもの発達を配慮した取り組みが、学童棟とは離れた安心できる空間の中で取り組まれています。また学童の子どもにおいては、地域の学習塾の活用や施設内における「火曜学習」「木曜学習」といったボランティアや学習塾の塾長による学習支援が定期的に行われ、発達等に課題のある子どもに懇切丁寧な学習支援が実践されています。

ライフストーリーワークの積極的な取り組み
 一人ひとりの子どもの発達段階を配慮して、児童相談所や家族と慎重に調整しながら子どもへの情報開示やライフストーリーワークに注力されています。成長の過程を、アルバム等を有効活用しながら必要に応じて職員と一緒に振り返る機会が設けられており、子どもの生い立ちの整理につながっています。

◇改善が求められる点
中・長期計画の策定
 市の指定管理を受けての施設運営ということで、法人・施設独自で中・長期計画を立案して事業運営をすることが困難な状況にあることは一定理解ができますが、中・長期計画は法人・施設の将来ビジョンであり、目標となるものなので、現在認識しているさまざまな経営課題等の実現に向けて、可能な範囲で策定することが求められます。

定められた評価基準に基づく自己評価への取り組み
 養育・支援の質の向上に向けて第三者評価や自己評価を実施し、各項目の現状や課題を認識し、改善に向けて取り組むことは非常に効果のある取り組みです。第三者評価については当施設は定期的に受審していますが、自己評価については「人権擁護のチェックリスト」等の実施のみで、定められた評価基準に基づいた自己評価が実施できていません。法でも定められた事項でもあるので、評価基準に即した自己評価を毎年実施することが強く求められます。

被措置児童等虐待対応の整備
 被措置児童等虐待防止ガイドラインをベースとした施設独自の対応手順やフローチャート等が未整備となっています。職員間のコミュニケーション・連携を図り、施設のリスクマネジメント体制を強化し、安全性、透明性を確保するために、各職員への周知の徹底を図り、また定期的に日々の支援の振り返りを行うことが求められます。

子どもの養育支援の向上のための組織力の強化
 スーパーバイザーを配置し、職員に対するスーパービジョンを定例的に行う機会を設け、職員がひとりで問題を抱え込まないように組織としての働きかけを行い、いつでも相談できる体制づくりが求められます。スーパーバイザー以外にも職員間、異職種間の相互で評価し、助言し合う組織作りを行い、職員一人ひとりが支援技術を向上させ、施設全体の子どもの養育支援の質を向上させるような組織作りが求められます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 第三者評価を受審することで、自施設の良さ、あるいは課題や改善点をより明確に把握することができ、職員一人ひとりが日々の業務や法人職員としての役割について考え、認識を深める機会となった。
 今回の評価を受けた内容については、真摯に受け止め、改善に向けて取り組んで参ります。
また、当施設の基本理念を職員に周知徹底し、利用者の安心・安全・満足を実現すべく、継続的なサービスの向上に取り組んで参ります。
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