社会的養護施設第三者評価結果 検索

播磨同仁学院

【1】第三者評価機関名 (株)第三者評価
評価調査者研修修了番号 SK15176
S25062
S16045
HF10-1-0001

【2】種別 児童養護施設 定員 90名
施設長氏名 山本 千代 所在地 兵庫県
URL http://harima-doujin.sakura.ne.jp/
開設年月日 1955年08月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 播磨同仁学院
職員数 常勤職員 36名 非常勤職員 15名
専門職員 栄養士 1名 看護師 1名
家庭支援専門相談員 1名 社会福祉士 1名
精神科医師 (嘱託) 1名 調理師 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 52室 (イ)設備等 親子訓練室 ショートステイ室 心理療法室 医務室 静養室 病後児保育室
(ウ) 地域子育て支援スペース (エ)
【3】理念・基本方針 『 法人理念 』    すべての子どもたちに 限りない愛を!

恵まれた地域の中で次世代に生きる子どもの心と体を育むために
「児童の権利条約」を遵守し子どもたちが安心安全に生活できるよう そのサービスに努め
個性豊かな育ちができるよう 明るくたくましい子育てに励みます


『 基本方針 』

児童養護施設は子どもたちにとって生活の中心となる場所です。私たちは施設の健全な環境づくりに努力し児童の権利条約を遵守し、子どもたちが出来るだけ温かく心安まる雰囲気の中で、安心安全に生活できるようそのサービスに努め、子どもたちの生活の充実をはかるために人間関係、創造活動、日常生活技術等の学習が行えるよう、一人ひとりの計画を立て、個性豊かな育ちが期待できるよう力を注ぎます。
 私たちは地域の皆さまに支えられ、常にその愛を背中に感じながら育つ子どもたちが大好きです。だから子どもたちがいつでもこの施設を憩いの場所と感じとってくれるよう、心を込めて夫々の年齢に応じた子育てに専念しています。
 そのために施設職員は当法人管理規定を遵守し、特に懲戒権乱用禁止の精神を固く守り、虐待情報の交換発信に努めます。また守秘義務の精神の徹底は必須であり、個人情報の流出禁止の高揚に努めます。被虐待児の増加とその対策には、職員の資質向上が先決であり、その気力の充実を大切にし、幹部職員の働きに期待することが大なのです。近年の社会情勢は、人の命の尊厳が軽く見られがちですが、職員は日々の生活の中で徹底して子どもたちに命の尊厳を教えていかなければなりません。そのためには職員自身が日々の生活の中で他人を思いやる精神の徹底に努め、責任ある生活を送ることが大切なのです。
【4】施設の特徴的な取組 (1)養育・支援では特に食生活について力を入れています。当院では季節に応じた食材を選び、子どもと職員が一緒にメニューを考え、食材の購入から調理、食べるところまでを実施する「自由献立」を永年継続しています。その季節ごとの旬を知る機会、食材の購入をすることで金銭感覚を身につける、下ごしらえから一緒に行うことでそのメニューに応じた調理工程の特徴や効率などを知るなど多くのことを学ぶことができます。既に施設から自立した子どもたちから聞く言葉では食事面での心配ごとが多いということもあり、そこに力を注ぎ続ける必要性を感じております。そのために高齢児だけでなく、幼児の子どもたちにも簡単なおやつ作り(卵を割り、混ぜる等)の経験を積むことで、幼いときから料理に興味を持つことができるよう、またお手伝いをすることも含め、人のために行動することで感謝の気持ちを知るなど、子どもたちが感情豊かな育ちができるようにも取り組んでいます。
またアレルギーを持つ子どもに対しての対応もきちんと取り、記録もとっています。誤配、誤食がないように、職員だけでなく子どもにも分かり易くするために、視覚で確認できるよう配慮しております。

(2)感染症の防止、発生時の対応についての取り組みを強化しています。感染症の発生時のマニュアル作成に取り組み、紙面作成だけでなく、それを基に実践(デモンストレーション)研修を行い、さらに見直しを行うなど改善も行っています。(嘔吐物の処理研修)
 また当院は、感染拡大の防止に努めるために、各ユニットに罹患者用の静養室、トイレを設けており、適切な対応に取り組んでいます。

(3)学習・進学・進路支援についても力をいれて取り組んでいます。大学進学を希望する子どもも増えており、その際に分野等によりどのような学習が必要であるか、また進学先ではどういった学識を習得するのか、どういった就職ができるのかなどの情報を子どもたちに具体的に入れるため、大学教員、就業者からの話を聞くことができる機会を設けるなどしています。書籍からの情報だけではなく、生の声(研究者や企業就業者)を聞くことで、子ども自身が進路を決定できるように取り組んでいます。
また子どもたちの学力向上に向けて低年齢児の頃から学習の機会を設けています。幼児から公文学習に取り組んでいます。その内容は子ども一人ひとり、その子に合った内容で取り組むことで、学力だけでなく、忍耐力を養うこと、そして自信をつけることで子どもたちが自己肯定感を持てるように心掛けています。

(4)地域交流活動として、これまでから継続している地域の高齢者向けの給食サービス、地域のお祭りへの参加などに加え、子育てママ支援活動として、地域の子どもたちへの給食サービス(子ども食堂)や保護者向けの外部講師を招いての講演会を開催するなど、少しずつですが施設の機能を活かして地域貢献できるよう取り組んでいます。またその中で地域の二―ズ把握にも努めています。

(5)心理的ケアの取り組みでは精神科医による心のケアを行っています。近年は愛着障害、発達障害、精神症(害)、など多くの課題を抱えた子どもが児童養護施設に入所しており、その養育支援は容易ではなく、またその専門性が施設職員にも問われています。子どもの日常を側で見る施設職員が精神科医から心のケアでの診断内容を聞き、またアドバイスをもらうことで、子どもの抱える課題とどう向き合っていかなければいけないかを考える機会を設けています。またカンファレンスの際には施設内だけでなく、子どもたちが通う学校関係、児童相談所から職員方の参加が可能としており、関係機関との協働で子どもの支援に当たることができるよう取り組んでいます。
外部の医療機関への移行が必要なケースもあり、その際も速やかに対応をしております。
【5】第三者評価の受審状況 2016年12月07日(契約日)~ 2017年04月07日(評価結果確定日)
受審回数  1 回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 『明日は今日よりも良くしよう』をテーマに、改善は進んでいるか、全86項目を4名の評価調査者で2日間掛けて確認しました。 その結果は、b評価が1項目のみのたいへん優秀な結果となりました。施設長・副施設長・統括の3本の矢のリーダーシップで方向性を打ち出し、それを実践する副統轄を中心とした幹部の職員層に厚みが出てきており、3年前の第1回よりも確実に成長されていると感じました。 特に、①Plan 計画策定 → Do 実行 → Check 評価 → Act 見直し 改善マネジメントの力量が優れています。 ②子育てママ支援事業の一つとして地域の親子が参加できる「子ども食堂(夏休み、冬休みに10~20名の参加で各6回実施)等で施設が有する機能の地域への還元。 ③施設長の命により、自立していく児童らの生活の為に、栄養士が作成した書籍『巣立ちのために(食生活版)』の出来映えは絶品です。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回2度目の第三者評価受審に向けて昨年度から改訂された評価項目に対して自己評価を行うにあたり、できるだけ多くの職員が参加できるように努めて参りました。一部の職員だけで取り組むのではなく、施設全体での仕事の質を底上げする事に力を注いできたつもりではありますが、正直まだまだ足並みがそろわない事もあります。それも含めての今後の課題としていきたいです。今回良い評価をいただきました項目の中にもまだまだ改善の余地がありますので、今後も少しずつですがステップアップできるよう、若手から幹部職員まで施設全体で一丸となって取り組んで参ります。今後も末永くご指導をお願い致します。
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