【1】第三者評価機関名 | (社福)大阪府社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK15113 S24172 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 65名 | |
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施設長氏名 | 富川 和彦 | 所在地 | 兵庫県 | |
URL | http://www.kbshinsei-j.org | |||
開設年月日 | 1890年05月23日 | 経営法人・設置主体 | 神戸真生塾 | |
職員数 | 常勤職員 | 29名 | 非常勤職員 | 5名 |
専門職員 | 保育士 | 18名 | 社会福祉主事 | 4名 |
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栄養士 | 4名 | 中学教諭免許 | 2名 | |
社会福祉士 | 1名 | 臨床心理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 34室 | (イ)設備等 | |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 神戸真生塾はキリスト教の精神に基づき、養育を必要とする児童に対して、その独立心を損なうことなく、健全な社会人として生活することができるように育成することを目的とし、特に児童に欠くことのできない家庭的処遇に留意し、児童の心身が共に健やかに成長することを支援します。又、子どもを中心として地域福祉の推進に貢献します。 | |||
【4】施設の特徴的な取組 | (1)都会にありながら、住宅が多く、子育て家庭も多い。 このため、子育て家庭向けの支援プログラムを多く提供してきている。 (2)児童福祉事業の種別を増やし、地域の児童福祉センター的役割を目指している。 (3)子ども達の生活フロアは、男女混合縦割りでグループ構成し、生活している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2016年05月11日(契約日)~ 2017年01月10日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【施設の概要】 1889年の事業開始から今年度で126年、当法人はその時代の社会の要請に応じて社会事業を展開してきました。現在、児童養護施設 神戸真生塾(以下「当施設」という)の他に乳児院、保育園、児童家庭支援センター、小児科診療所等を運営し、地域の児童福祉の拠点としてのセンター的な役割を目指しています。 当施設については、いま児童養護施設等に求められている家庭的養護への取り組みについて、いち早く子どもの生活単位を小規模化し、男女混合縦割制(異年齢の男女の混合グループ)を取り入れ、より家庭の家族構成に近づけた施設養護のあり方にチャレンジしています。 【特に評価の高い点】 (1)養育・支援の質の向上に向けた取り組み 当施設内に「第三者評価検討委員会」が設置され、養育・支援の質の向上に向けて定期的に自己評価シートを用いて自ら検証し、改善する取り組みが実施されています。また、第三者評価等の結果についても、自己評価と同様に評価結果を分析した結果やそれに基づく課題等は文書化され、まとめられて改善計画が策定され、組織として計画的な取り組みがなされています。この一連の取り組みは、実施している養育・支援の質の程度や内容について自ら評価、検証し、質を高めていく上で非常に有効なものとして高く評価できます。 (2)敷地内の乳児院との連携 法人が運営する乳児院は、当施設と建物が隣接しており、普段から交流の機会が積極的に設けられています。特に乳児院から当施設に移行してくる子どもについて、育ちが分断しないように、また精神的な負担をできるだけ軽減するために丁寧な「慣らし保育」が実施されています。 すなわち、乳児院在籍中に乳児院の担当職員と共に当施設に遊びに来る⇒泊まりに来る⇒生活する といった具合に段階的、計画的に子どもが当施設の生活になじませる取り組みを行なっています。また、当施設に入所してからも生い立ち学習の一環として里帰りの機会として度々乳児院に行き来できる機会づくりに配慮しています。 (3)子どもの最善の利益を目指した実践 当施設はいち早く小規模化された家庭的養護に取組むと共に子どもの最善の利益を目指した日々の実践を行っています。職員はパソコンで記録し情報の共有化を図り、職員が連携する事で子どもたちの信頼関係が深まっています。 (4)施設内虐待の撲滅 子どもの権利擁護の強化を目標として掲げて施設を挙げて施設内虐待の撲滅に努めています。子どもを主体とした権利擁護の考え方は新しい児童福祉法の理念にもかなった取組です。軽微な不適切なかかわりのレベルでのヒヤリハット事例を収集し、施設内虐待の予防、防止の方法を検討しています。今後も、職員の風通しの良い職場環境作りから考えて見直していく事も重要な取り組みです。 【改善が求められる点】 (1)中・長期計画の策定 中・長期計画は、「施設内虐待の撲滅」等を始め6つの項目のみの列挙に留まっており、中・長期における具体的な取り組み計画が策定されていません。ヒヤリング時には口頭で話されていた地域小規模児童養護施設の設置計画や地域に向けての新たな子どもへの支援事業についての具体的な内容が書面で明確になっておらず、収支計画も未作成になっており、理念や基本方針に謳われた内容の実現に向けて具体的な中・長期計画を策定し、その計画に基づいた取り組みが求められます。 (2)子どもや保護者への施設の情報提供等に対する取り組み 子どもや保護者が当然知っておかねばならない情報(例えば施設の理念や基本方針、自立支援計画や事業計画の主な内容、権利擁護等の取り組みなど)を口頭のみでなく、文書にして伝えることが求められます。例えば「入所のしおり」等を作成して、子どもや保護者に施設の様々なルールや生活・行事の内容、施設が大切にしている考え方など周知すべきものはこれを活用することが望まれます。 (3)施設での性教育の実施 性教育に関する職員の検討会で話し合いが始まっていますが、出来るだけ早くマニュアル化して取り組むカリキュラムを策定する事が重要です。 (4)朝・夕の忙しい時間帯や夜間の職員の配置に対する配慮 現在2か所で施設内小規模ケアが認められていますが、全ての小規模ケア(6か所)の認可を要望して加算職員の増員をはかる事が求められます。実現すればよりきめ細かな個別的対応が前進します。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価の受審後の全体職員会議では、受審時の様子や評価項目についてコメントをいただいた内容など、共有する機会を持った。当日、担当をした職員はもちろんの事、当日は間接的にしか関わる事が出来なかった職員まで、施設職員全員が施設として第三者評価を受審したという意識を持ち、3年後につなげいくイメージを持つ最初の機会と致しました。 改善点については、指摘の通り、作成資料や取り組みについての弱さがある事は明らかである為、早速、改善を試みており、継続的に3年後の受審を見据え、計画的に取り組んで参ります。 |