社会的養護施設第三者評価結果 検索

神戸真生塾

【1】第三者評価機関名 (特非)エイジコンサーン・ジャパン
評価調査者研修修了番号 SK2021200
1401A029
1901C007


【2】種別 児童養護施設 定員 65名
施設長氏名 上杉 徹 所在地 兵庫県
URL http://www.kbshinsei-j.org/
開設年月日 1890年05月23日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 神戸真生塾
職員数 常勤職員 34名 非常勤職員 3名
有資格職員 保育士 18名 社会福祉士 3名
臨床心理士 1名 栄養士・調理師 5名
施設設備の概要 (ア)居室数 37部屋 (イ)設備等 多目的ホール
(ウ) プール (エ) リフレッシュルーム
【3】理念・基本方針 新約聖書ルカによる福音書の10章25節から37節の『善きサマリア人のたとえ話』には『隣人を自分のように愛しなさい』と描かれています。「聖書の中に示されたイエスの姿」は当時、社会的な弱者と呼ばれた「子どもたちや、高齢者、障がいを持つ人々、難病を持つ人々」たちに寄り添い、様々な癒しの業を行ったこと、私たちはこの様なイエスの実践が現代の社会福祉の実践モデルであり、我々もその通り行うべきと考えます。
基本方針
1.明るく暖かい家庭的な生活を通して、児童の心身共にすこやかな成長を支援し、自律心を培う。
2.児童の健全育成のために家庭と教育、保健、医療などの社会資源との調整を図り、早期の家庭復帰と社会的自立を支援する。
3.地域の人々と共に福祉を考え、子どもたちの生活空間と夢を拡げるために、質が高く多様なサービスを地域にも提供する。そのために積極的に情報公開を行い、地域社会の福祉向上に貢献する。
【4】施設の特徴的な取組 生活:子どもの権利を擁護し、意見表明ができ、安心・安全が守られる日々の暮らしを営みます。
養育:子ども一人ひとりの個性に応じた支援、自己肯定感の育成に努め、社会性を身に付けていきます。また、入所児にとどまらず、保護者への支援も行います。
自立支援:子どもの年齢や成長に応じた体験の場を提供し、進路・就労についてもたくさんの選択肢を提供し、自己決定できる環境を整え、自立(自律)に向けての支援を行います。また、退所児童、家庭復帰した児や里親家庭に送り出した児への支援も継続して行います。
心理ケア:必要に応じて心理士とあそびを通して子どもの話を聴く、個別的な関りの場を提供します。
【5】第三者評価の受審状況 2022年11月03日(契約日)~ 2023年03月19日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評  平成30年に行政が発表した「都道府県社会的養育推進計画の策定要領」を受けて神戸市も新しく「神戸市社会的養育推進計画」を策定された。神戸真生塾は措置施設の立場から既にこの計画の実現に向けての具体的な策定をされており、令和2年度から中・長期計画の中に取り組まれている。達成期間は10年とされるが5年ごとに進捗状況と目標の見直しもされる。計画は特に“家庭養育優先原則”が重要視されており、当該施設もその観点からフォスタリング機関としての役割を果たす為、里親支援の強化を図られている。小規模化地域分散化についても具体的な数値目標を定めており、現在4年目に入いる時期であり前期の目標に対して邁進されている最中といえる。
(事業所の優れている所)
・社会福祉法人神戸真生塾は1890年にキリスト教精神を信奉する人たちによって設立された歴史がある。以来、生活困窮者から孤児救済へと進んで来られたが、最近ではDV関係の虐待児の受け入れが多く七割を越しているのが現状である。当該児童養護施設も、年少の時期に家庭で生活できなくなった子どもの達に、少しでも家庭に近い雰囲気のもとでの毎日の生活ができるようにとの支援に励んでいる毎日である。通学や自習などの学業に励める環境、スポーツや趣味やレクリエーションの場、友と語り合える時間、職員との相談もできる機会などを用意され充実した生活が出来るようにされている。神戸真生塾の支援の精神には、新約聖書の福音書から引用されている場合があり、当該施設の内在的ではあるが、宗教の愛の思想が伴った福祉の面が現れているものといえよう。信仰の自由は認められてはいるが、十代の感受性の豊かな時期に培われた愛の精神は、その人のその後の人間形成の土台になるものであるといえよう。
・当該施設の実習生受け入れ受け入れ人数は前年度の集計で36名であり社会的な貢献度は極めて高いものといえよう。
インケア・アフターリービングケアの充実に努力目標を置かれている。入所児童達に、地元の「兵庫県中小企業家同友会」「NPO法人まなびと」等の外部団体の協力を得ながら「職場見学」「就労体験」「学習支援」を、実際の学ぶ機会として与えられて活きた勉強として学ばさせている。この種のケアはこれから社会人として一人前の人間として生きていく為の最も重要な支援ともいえよう。
(課題とされる所)
・2022年度末の事業計画は大きく五項目に集約されている。その内の「職員と共に進めていく課題」の項目については、前年度と内容はほぼ同じである事から達成が難しいものである事は推察できる。課題に対して職員は努力的ではあるが、特に②には具体的な対応策も求められるであろう。
・マニュアルの整備や策定はされてはおり、また、マニュアルの有る無しも知らされているが、その内容についての周知が曖昧な面が散見されます。今、自分の業務に直接関係がなくてもその存在と、適度な知識も施設の職員として求められよう。今後の課題とされて頂きたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント ・「神戸市社会的養育推進計画」については新型コロナウイルス感染拡大による影響も有り推進できたこと、出来なかったことがある。修正を加えながら「目標の見直し」にも対応できるように引き続き短期計画を策定していく。
・課題とされところで指摘を受けた「職員と共に進めて行く課題」は単年度で解決できる内容ではなく、職員が継続して意識し、子どもと取り組んでいくべき課題である。「暴言・暴力」も「性の課題」も改定児童福祉法でも重要視される、「権利擁護」「意見表明権」を守ること、つまり、『子どもの最善の利益』を守ることにつながることであり、簡単には解決しない課題である。また、「マニュアルの周知徹底」についても、前出の「職員と共に進めて行く課題」に通ずる課題であり、丁寧に周知徹底していくために、「自分事とする」「共に善きものになるように考えて行く」土壌づくりが今後の課題となる。
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