社会的養護施設第三者評価結果 検索

尼崎市尼崎学園

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15183
1301C018



【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 福岡 昇 所在地 兵庫県
URL http://www.amashaji.jp/academy/
開設年月日 1950年04月01日 経営法人・設置主体 尼崎市社会福祉事業団
職員数 常勤職員 29名 非常勤職員 11名
専門職員 社会福祉士 2名 保育士 5名
社会福祉主事 4名 教員免許 8名
心理職 4名 精神保健福祉士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 37室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
児童の処遇にあたっては、子どもの権利条約の明記された、児童が権利行使の主体であること、児童の最善の利益を追求することを全うするために制定した「今、子どもたちと」(尼崎学園子育て支援基準)を処遇指針の礎とする。

(処遇理念)
1.心身ともに健やかに育つこと(心と体が元気に育つこと)
2.社会の一員としての責任を自主的にはたすことのできる子どもに育つこと(社会のひとりとしての責任を自分から進んでできる子どもに育つこと)

【基本方針】
一人一人がこころ豊かな、たくましい子どもに育つように3つの基本方針がある。
1.夢のある子ども
2.他人を思いやることのできる子ども
3.自立した生活のできる子ども
【4】施設の特徴的な取組 ①道場地区の豊かな自然環境の中で、施設自体の歴史が長く地域に受け入れられており、行事等での結びつきも多い。地域住民からも児童の健全育成において協力が得られている。また、職員の勤続年数が比較的長く、長期的視野を持って児童の養護にあたっている。

②児童の誕生日を重視し、誕生日には個別に外出し食事の機会を持ち、プレゼント購入をするなど、個別対応を重視している。体制として完全個室の6人制ユニットを採用しており、家庭的な環境の中でより個別的な対応ができるように工夫している。

③児童の様々な体験が可能なように、個別やユニット単位、小グループでの活動(小人数での一泊旅行、少人数での外出、スポーツ観戦、テーマパークへの外出、釣り等)を企画している。児童の興味・関心に基づき、それを広げられる様に計画・実施している。
【5】第三者評価の受審状況 2016年08月15日(契約日)~ 2017年03月07日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 児童のみならず、母子・身障・高齢と幅広く7つの施設を擁する「尼崎市社会福祉事業団」が運営する施設ですが、所在地は神戸市の北端(東に2kmで宝塚市、北の三田市までは1km未満)に位置し、周囲は豊かな自然に恵まれた環境にあります。この地は尼崎市の学童疎開地でしたが、後に戦災孤児や引き揚げ孤児の合宿教育所(小学校分校)という形で開設され、昭和25年からは児童福祉法上の施設となりました。このように70余年の歴史もあり、すっかり地元に溶け込んでいます。
 平成25年度末には、家庭的養護推進施策の先鞭をつける、中央に広い空間を設け採光に優れた全ユニット式(幼児以外は全個室)の園舎が敷地内に新設・移転され、児童・職員ともども心機一転の再スタートをきる絶好の契機となりました。

◇特に評価の高い点
良い支援は職員の心身の健康から
 給与の水準はじめ、育休後の復職、長期休暇制度、一時間単位での有給休暇等々、働きやすさ・居心地の良さで職員の満足度は保たれており離職率も低くなっています。『良い支援は職員の心身の健康から』の信念で、魅力ある職場づくりをめざしています。

オールユニット化
オールユニット化への整備を進め、子どもたちの住空間にゆとりをもたらしたことが確認されました。

働きやすい職場環境づくり
職員の方々が居心地の良さを感じて就労していることが確認されました。

◇改善が求められる点
ユニット制の功罪
 従来施設全体で取り組んできていた、いくつかの大切な仕組みがなくなっています。ユニット化によって得られたものは多いと思いますが、その一方で、失ったもの、失われようとしているものがないかどうかを十分注視してほしいと思います。
 日常的に子どもたちから意見が聞けるようになったとして「子ども会」をなくされたりもしていますが、業務改善計画の最優先課題とも直結する事項だと考えますが、大丈夫でしょうか?また、ユニット化により施設全体の行事の縮小、自治会の廃止という方針で進められていますが、小規模ユニットの形の中において求められる子どもの権利保障の在りようについて検討されることを望みます。

第三者評価結果の活用
 三年前に実施した第三者評価の結果が、全く活用されていないのは残念です。

リスクマネジメント
 機械警備の導入等、安全管理の意識はあるものの、ヒヤリハット事例の組織的な分析などの仕組みが整っていません。また、事務分担として「リスクマネジメント担当」が明示されていますが、運営上では十分に機能していません。

アセスメントから自立支援計画の策定、実際の支援、振り返り、自立支援計画の見直しのPDCAサイクル
 オールユニット化が実現して施設環境的には充実を図られたのですが、児童養護施設処遇の核になるべきアセスメントから自立支援計画の策定、実際の支援、振り返り、自立支援計画の見直しというPDCAサイクルが確立されていません。早急に整備されることを望みます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  今回、2回目の受審でしたが沢山の改善点をご指摘いただきました。自己評価で出来ている点、また出来ていない点等をこの第三者評価を受審することにより、明確になりました。取り組み方法についても色々な提案をしていただき、「子どもの最善の利益」とは何かを再確認できたと思います。改善を求められた内容については、全員職員会議において話し合いを行い、速やかに出来る項目や早急に取り組みが必要な項目の優先順位をつけて、翌日より着手しております。各種委員会活動で特に権利擁護委員会及び研修委員会を充実させて職員がスキルアップすることにより入所児童等の安全・安心を確保していきたいと思います。今後は今まで以上に「子どもの最善の利益」「ここの施設に来て良かった」と思われるように、職員一同サービスの向上に取り組んでいきたいと思います。
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