社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖智学園

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 三浦 純夫 所在地 兵庫県
URL http://www.seichigakuen.com/
【3】実施調査日 2014年06月17日~2015年01月27日
【4】総評 ◆特に評価が高い点
◇施設の運営全般(特色ある沿革)
昭和30年、個人経営の養護施設として開設、当初の定員は幼児5名、その後、定員は30名になりました。開設以来、兵庫県下で最も小規模な施設として、淡路島の自然環境を活かしつつ「家庭的雰囲気を大切に」を施設運営の基本としてきました。平成15年に現在の社会福祉法人の運営になり、平成24年に現在の建物に全面改築、住宅街の中にあり一見すると施設とは判らない外観で、建物は将来の小規模化を見据えた構造(一部ユニット化)となっています。平成25年には特別支援学校に通う入所児童を対象とした地域小規模児童養護施設「まほろば」を近隣に開設しました。地域との関わりを大切にし、地域にとけ込んだ施設運営を心掛けています。
また、平成27年1月に高校生の自立支援を目途とした二番目の地域小規模児童養護施設「あすなろ(仮称)」の開設が予定されています。

◇小規模施設を活かした取り組み
定員30名という小規模施設の特色を生かし、「全員でやり遂げる」ことに重点を置き、全体の一体感や全員の団結力を大切にしています。毎年行われている学園駅伝大会は、この精神を具体化するものです。幼児から職員まで全員が2チームに分かれて行いますが、襷を繋ぐことで全員の団結力や協力の大切さを子ども達に伝えています。子ども達も毎年とても楽しみにしている行事です。

◇子どもの養育支援にかかる情報共有の仕組み
毎朝全職員の参加で行われる職員朝礼を、子どもの養育支援に係る情報共有の場と位置付け、子どもの養育支援に係る検討協議を行う充実した時間を十分に確保しています。

◇障害のある子どもへの専門的ケア
障害のある子どもに対し心理職と連携したSST(ソーシャルスキルトレーニング・社会生活技能訓練)プログラムの実践や、地域小規模児童養護施設(まほろば)における特別支援教育を受ける子ども達へ生活全般の自立支援の取り組みなど、専門的なケアが実践されており高く評価できます。

◇子どもへの自立支援の取り組み
養育目標に「労働・生産を尊ぶ人間」を掲げて、施設や周辺地域の清掃や居室の整理整頓、衣服の洗濯等の支援を重視し、子どもたちは自治会で自主的に当番を決めて清掃や洗濯の習慣づけができており、施設全体が美しく環境整美がなされています。地域清掃は住民からも喜ばれており、自立を支援する取り組みと評価できます。
また、27年1月に高校生の地域小規模児童養護施設の開設が予定されており、自立支援のさらなる取り組みが期待されます。

◇子どもの意向の尊重と主体的な解決支援
毎月子どもの自治会を開催し、行事の企画運営や日課の役割分担、ルールの検討など子どもたちの主体的な話し合いが行われています。また子ども間トラブルについてもみんなで主体的に考え、解決のために話し合う仕組みや雰囲気ができており、この取り組みは高く評価できます。

◇迅速な改善の取り組み
全職員が参画して、自己評価の結果について個別な項目の分析および課題整理等を実施し、可能な改善に迅速に取り組んでいます。さらに、子どもへのアンケートの結果を踏まえた改善への取り組み姿勢は高く評価できます。

◆改善が求められる点
◇リスクマネジメントの推進
再発防止の観点にたってヒヤリハット報告や事故報告の要因分析と必要な改善の措置を行うなど、リスクマネジメントの推進が求められます。

◇基本方針の充実
社会的養護施設運営指針を踏まえ、家庭的養護の推進の視点が含まれ、且つ職員の行動規範となるような具体的な内容の基本方針を、現行の基本方針の追補版として策定することが望まれます。

◇各年度の事業計画の策定
各年度の事業計画は、中長期計画の内容が反映されたものであることが求められます。

◇養育支援マニュアルの策定
各項目の着眼点が求める内容を含んだ養育支援に係る標準的実施方法(養育支援マニュアル)の策定が求められます。

◇性教育の取り組み
子どもが正しく性知識を習得するための個別支援は実施されていますが、施設全体での性教育は未実施です。年齢や発達段階に応じた性教育はお互いを尊重し合う生命の教育でもあり重要です。来年度から実施の予定で情報収集や職員研修、子どもへの配布資料作成を検討開始しており、子どもが意欲的に参加できる性教育の実施が期待されます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 今日まで経験則に基づいて行ってきた養護について、我々なりに自信をもって行ってきました。しかし、今回、第三者評価を受けることにより、その運営の質について客観的に見直すことができました。評価を受けた事項については全職員が共有し、改善に向けて各種委員会にて検討していきます。また、平成27年度事業計画に重点事項として組み入れ、早期の改善を図っていきたいと考えています。
 当施設の基本理念である。『子どもたちの最善の利益を実現し、また、子どもたちの権利擁護を図りつつ、個性豊かで心たくましく思いやりのある人間として育てる』ことができるように全力で取り組んでいきます。
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