社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖智学園

【1】第三者評価機関名 (特非)はりま総合福祉評価センター
評価調査者研修修了番号 SK18148
HF06-1-0046
HF15-1-014


【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 三浦 一広 所在地 兵庫県
URL https://www.seichigakuen.com
開設年月日 1955年01月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 椎の木会
職員数 常勤職員 28 名 非常勤職員 4名
有資格職員 施設長 1名 児童指導員・保育士 18名
心理療法担当職員 1名 里親支援専門相談員 1名
家庭支援専門相談員 1名 管理宿直・学習指導 4名
施設設備の概要 (ア)居室数 2人部屋 6室 (イ)設備等 3人以上 6室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針  子どもたちの最善の利益を実現し、子どもたちの権利擁護を図りつつ、「個性豊かで心逞しい思いやりのある人間として育つ」ことが出来るように支援していきます。また、職員の専門的かつ適切なサービスを提供し、地域社会に必要とされる施設を目指します。
【4】施設の特徴的な取組  大舎制ではあるが、先代の施設長が拘ってきた比較的少人数の30人という定員を生かし、幼児から高校生まで男女問わず全員で物事に取り組んでいくことを大切にしてきました。まず、食事は全員揃って「いただきます」の挨拶をして食事を摂ることを約束としてきました。また、生活上の全ての日課においても、年齢・性別問わず全員で取り組むことで、職員からだけでなく、子ども同士で刺激しあいながら、互いに成長し合えることに、大きな期待と意図を持っています。行事でも、全員で取り組むことに拘り、毎年行っている駅伝大会や地域の福祉祭りへの参加では、幼児から職員まで全員で心を繋ぐことを目標に取り組んできました。「全員で何かに取り組むことから生まれる何かを大切にしよう」との現施設長の提案から始まったキッズお遍路では、企業の支援もあり、これまでに3回実施することができました。近年は卒園生も積極的に巻き込んで行事に取り組んでいくことで、在園生にも良い刺激となっていることが期待されるため、キッズお遍路にも卒園生を交えながら、いつの日か四国巡礼88か所を達成することが大きな目標です。
【5】第三者評価の受審状況 2020年07月13日(契約日)~ 2021年01月26日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○施設長のリーダーシップのもと、地域をとりまく子育ての環境とニーズを的確に把握・分析され、計画的に事業を展開されています。
 園長は、淡路市の児童福祉に関する会議や児童養護施設協議会の政策提言への参画を通じて、社会福祉事業全体の動向や地域の子育ての環境や状況などを的確に把握され、地域の福祉サービスのニーズや課題解決に向けて、事業を展開しています。具体的に、子どもの多様化についても対応できるよう、職員の資質向上を図り、施設の小規模化や乳児院の設立など、地域の子育て支援拠点としての地位を確立されています。

○子どもの力を信じ、子ども自らが判断し行動できるような養育支援が行われています。
 生活の中で子どもが自ら行ったり、自ら決めたりする心を養うために、掃除や洗濯、布団たたみなど身近な生活習慣が身につくように見守りを基本とした支援が行われています。また、子どもの主体性に配慮した、園独自の自治会が定期的に開催され、生活に対するルールや活動に対する話し合いを行う機会が設けられ、子どもが自ら決めて行動できるような養育支援が行われています。

○食事を美味しく楽しく食べるための養育支援が行われています。
 「団居」(まどい)と称した食堂に集まり、子どもと職員が一緒に食事をする機会を大切にした食事提供が行われています。また、定期的に献立会議が行われ、子どもや職員の意見を反映できるよう施設がこれまで取り組んできた考え方が根付いています。昨年度から新たに、クッキング活動が行われ、調理技術を体験する機会を通して、子どもが食べる事を楽しむ取り組みが積極的に行われています。

◇改善を求められる点
○支援や業務の評価から見直しに至るまでの手順を明確にし、PDCAサイクル(改善のためのサイクル)を確立していくことにより、業務のつながりを明確にしていくことが重要です。
 昨今、中・長期計画の策定をはじめ、職員の資質向上に向けて、業務の改善が図られており、多様な事業が展開されていることがうかがえます。今後は、養育支援マニュアルや自立支援計画など、多様な業務についての評価から見直しに至るまでの手順を明確にすることによって、PDCAサイクル(改善のためのサイクル)を確立し、業務のつながりを明確にしていくことが重要です。

○子どもと家族の信頼関係を再構築していく取り組みは行なわれていますが、施設としての考え方を伝えていく取り組みには至っていません。
 親子関係の再構築に向けて、こども家庭センターと連携し、面会やお便りなどを通じて、子どもの生活の様子を伝える取り組みが行われていますが、家庭支援専門員の役割についての家族への周知には至っていません。今後は、親子関係の再構築に向けた相談機能を充実させるとともに、こども家庭センターとの連携を踏まえた、施設全体での考え方を明確にしていくことが求められます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 当初の受審目標通り、評価機関の変更によって、養育を見直す新たな視点を頂けたことが、大きな収穫であったと実感しております。特に、自立支援を充実させるためのPDCAサイクルへのご指摘は、当施設にとって急務な改善事項だと気付かせて頂きました。今後も、これまで取り組んできた養育に慢心することなく、ご評価の中から見えてくる課題に、職員全員で取り組んでいきたいと考えております。
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