社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖家族の家

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪市社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 148名
施設長氏名 中田 浩 所在地 大阪府
URL http://www8.ocn.ne.jp/~holyfamy/
【3】実施調査日 2014年09月26日~2015年02月10日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・幼児を含む縦割り男女混合の小規模ホーム制をとり、落ち着いた雰囲気の中で、個別的で継続的な愛着関係を築くことに留意し、家庭的養護を意欲的に進めています。早期からグループホーム(分園型)を逐次増やして数多く実施し、小規模化への先進的な取り組みは高く評価できます。
・養育・支援において、安定した提供体制を担保できるように、標準的実施方法としてハンドブックを策定し、子どもの尊重、実施時の留意事項など養育・支援の全般にわたり文書化しています。また、ハンドブックの内容を研修、勉強会等により職員に周知し、日常の実践に活用しています。
・職員が青少年指導員・福祉委員等地域団体の役員として活動し、子どもたちは地域の敬老会やお祭りに参加しています。また、施設主催のオープンガーデンやクリスマス会などに地域の人々を招いて活発に交流を図っています。そのほか、近隣町会との合同防災訓練に職員と子どもが参加するなど、地域と施設との相互交流の促進、良好な関係づくりに努め、成果が認められます。
・心理的ケアの取り組みは先駆的であり、現在も常勤の心理療法担当職員と心理臨床を学ぶ大学院生ボランティアで、子どもの心理療法(プレイセラピー)が実施されています。必要に応じて随時、生活担当職員から状況を聞き、年2回全16ホームで開かれるホーム運営会議でセラピーの様子や心理判定に基づくアセスメントを伝え、生活担当職員や家庭支援専門相談員等と情報を共有し、連携体制が整っています。
・余暇の利用として、スイミング、ピアノ、柔道などの習い事をすることが保障されています。小学生にも習い事の門戸が開かれていることは評価できます。
・子どもたち一人一人のニーズに対応するために、担当職員との密なコミュニケーションを心掛けているほか、施設長が直接子どもたちの声を聴く機会を設けているなど、「大切にされている」という感覚を保障するための取り組みもなされています。

◇改善が求められる点
・プライバシー保護について、基本的知識を含め、留意すべき事項などをマニュアル等として文書化する必要があります。
・子ども等からの意見、苦情等に対応する手順、方法等をマニュアル化して、迅速に対応し、養育・支援の質の向上に反映していく姿勢を明確にする必要があります。
・ 災害発生時や感染症対策のマニュアルが未整備です。今後マニュアルを整備し、積極的に活用することを期待します。
・小規模単位での生活ですが、年齢が高い児童の個室化など、子どもたちの発達に応じた対応を工夫されることを期待します。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 今回の自己評価の進め方として、項目別に複数の小グループでの話し合いを繰り返し、その結果を集約する方法を試みましたが、意見統一の難しさについての課題が見えてきました。それは、職員集団の大きさや勤務形態等の問題でもあり、また職種や経験年数などの違いによる差異も含まれています。そのような意見をまとめる工夫が、様々な状況で必要であることが確認できました。
 また、受審結果と自己評価を比較することで、第三者評価の基準について評価のポイントや着眼点の具体的な考え方について理解する事ができました。
 それらの考え方をふまえて、各項目について施設は他者(世間)に説明することが求められているということを知る良い機会になりました。
 今後は、評価項目についてはもちろんですが、施設変更時(乳児院から児童養護施設、児童養護施設から他施設など)の引継ぎやリービングケアについて等、それ以外にも見えてきた施設としての課題について柔軟に考え、これからの施設が目指す方向を検討していきます。
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