【1】第三者評価機関名 | (特非)福祉経営ネットワーク |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021092 SK2021086 SK2022013 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 太田 一平 | 所在地 | 愛知県 | |
URL | https://www.wakyokai.or.jp/hachiraku/ | |||
開設年月日 | 1953年10月24日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人和敬会 | |
職員数 | 常勤職員 | 20名 | 非常勤職員 | 6名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 5名 | 保育士 | 5名 |
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栄養士 | 1名 | |||
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 鳥の家・花の家・魚の家・丘の家・順の家・幸の家(6名定員) | (イ)設備等 | 管理棟 |
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(ウ) | 事務所 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | (1) 理念 個人の尊厳の保持を旨とし、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援する。 (2) 基本方針 「家庭的養育を目指す」 1.より家庭に近い生活環境を目指す 2.子どもの最善の利益を尊重し、社会的自立へ向けた支援を行う 3.社会の一員として子どもを育てていく |
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【4】施設の特徴的な取組 | 70年小舎制養育を行っている。 1小舎に2名固定職員を配置し、子ども達の愛着対象となるよう努めている。 養育プログラムを取り入れ、施設全体で取り組んでいる。 子どもの要求に即時対応できるように各小舎で担当職員が調理を行っている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年11月07日(契約日)~ 2023年03月30日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ○「子どもの最善の利益の実現に向けて、「養育プログラム」に基づき、施設一丸となって、子どもの養育・支援にあたっている」 施設は、子育ての方法をまとめた「養育プログラム」に基づき、養育・支援を行っている。このプログラムは、20年近く前から取り組んできたもので、海外で開発された、「施設における子育ての方法(養育プログラム)」に準拠している。子どもの養育・支援にあたっては、チームで行う場合が多くあるため、関わる職員が、考え方や対応方法を共有することで、子どもは戸惑うことなく、どの職員からもより良い養育・支援が受けられる。また、子どもは、コミュニケーションや生活技術等、物事を行うためのスキル(技能)の中から、「目標スキル」を設定し、毎日、振り返りカードを活用しながら、達成すると次の目標設定を行う等、目標の実現に向けて、取り組んでいる。これらは、施設が長い年月をかけて構築してきたものであり、退所後の子どもの自立を見据えた、特長的な取り組みである。職員は、共通の養育・支援のスキルを持ち、それらを積み重ね、伝承して、子どもの最善の利益の実現を目指して、子どもの養育・支援にあたっている。 ○「地域における交流や公益についての取り組みを積極的に進めている」 施設では、地域貢献事業として、ショートステイ、トワイライトステイ、育児相談などの事業、保育園の園長を対象とした支援スキルの講座等を実施し、未就学児のいる子育て家庭には、家庭訪問型子育て支援事業を始めている。また、地域の子どもの居場所づくりを目的に、毎月、子ども食堂を開き、活動を通じて、社会福祉協議会や更生保護女性会との連携も深めている。そのほか、処遇困難事例研究事業を立ち上げ、他施設の指導員や保育士とケース研究や職員間の交流など積極的に行っている。施設長が、市の子どもの未来応援事業計画策定に参画するなど、政策立案にも寄与している。加えて、他県の震災時の実態を踏まえ、災害時の非常用備蓄に、地域支援分を上乗せして確保するなど、地域住民のことも考慮に入れた体制を整えている。 ◇改善を求められる点 ●「事業報告書を充実して次年度の事業計画との橋渡しの機能を強化することが期待される」 施設では、八楽児童寮社会的養育推進10か年計画(2020-2029年)を策定し、それを踏まえた単年度の事業計画書を策定している。しかし、事業報告書は、前年度の事業計画書で掲げていた各重要事項に関する達成状況や今後の課題の抽出が記されていない状況となっている。コロナ禍に、施設が子どもの安心・安全を確保しつつ、事業継続に努めた職員の努力・実践や、そこから得られた成果、今後の課題については、今後の活動のために、記録しておくことが必要と考えられる。事業報告書は、事業計画の実践を振り返り、次年度に向けた成果や課題、到達点を抽出して、次の事業計画へつなげる橋渡しの役割がある。今後は、次年度に向けた達成水準を明示できる策定方法が望まれる。 ●「職員の定着へのさらなる工夫と努力が望まれる」 子どもの安心感につなげるため、小舎に住み込みで働いていたが、職員の働き方の幅を広げるため、通勤による勤務が可能な就労形態に移行した。移行にあたっては、就労形態の変更に合わせて休日を確保するように促す他、勤務に時間制を取り入れ、休憩時間確保のためランチミーティングを朝礼に切り替えるなどしている。また、通勤者に住宅手当を支給するなど、就労条件を改善してきている。若い世代の定着を促す取り組みとして、職員一人ひとりの「サポート計画」を策定し、戦略的人材育成の「キャリアステップ」を構築するとともに、充実した研修メニューと受講体制が用意されている。しかし、今回の自己評価結果には、人材育成や人材不足についての意見が挙がっており、職員の定着に課題が見受けられている。今後は、例えば、組織風土の醸成やコミュニケーションの活性化を生む、メンター制度など、先輩職員が若手に寄り添う取り組み等の検討が望まれる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回、第三者評価を受診し定期的な施設の振り返りができました。コロナ禍という特殊な状況下での評価はより困難がある事と思います。そんな中丁寧な対応、評価をいただき感謝いたします。八楽児童寮が理念としている「より家庭に近い環境を目指す」「子どもの最善の利益を尊重し社会的自立へ向けた支援を行う」「地域の一員として育てていく」の項目を特に高く評価いただいた事は今までの取組みが報われる結果となったと感じております。改善点もいただきましたので今後の参考とさせていただき、よりよい施設づくりを目指していきます。 |