社会的養護施設第三者評価結果 検索

あいさんテラス

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK18210
地福第2250-42号



【2】種別 児童養護施設 定員 44名
施設長氏名 永 恵美子 所在地 愛知県
URL http://aisankai.jp/facility/terrace.php
開設年月日 2014年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 愛燦会
職員数 常勤職員 28名 非常勤職員 10名
有資格職員 保育士 5名 児童指導員 18名
管理栄養士 1名 臨床心理士 1名
調理師 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 31室 (イ)設備等 地域交流スペース・親子訓練室
(ウ) 静養室・セラピー室・休憩室 (エ) コンテナ倉庫(屋外)・全館放送設備
【3】理念・基本方針 ★理念
・法人:あなたが楽しいと私は嬉しい
・施設・事業所:テラスに関わる全ての人が毎日幸せだと感じられるために、物心両面での環境を整える

★基本方針
①安心安全:健やかな成長の為に環境整備に努めます。目配り、気配り、心配り、思いやりを持って行動します。『先手必笑』あいさつをします。
②自立発達支援:子どもが迷わないよう、それぞれの個性に合わせた支援をします。言葉よりも行動で自主性を伸ばします。長所、短所を受け入れて成長を促します。
③余暇活動:誰もが仲間意識を持ち助け合い、感謝の気持ちを育みます。スポーツや行事を通して礼儀を学び心身共に成長できる支援をします。積極的に地域、他業種施設との交流が持てるように支援します。
【4】施設の特徴的な取組 <安全委員会方式の導入>
 入所している子どもたちが安心安全な生活を送れることが、施設の第一の役割です。これを実現するために施設全体で取り組める仕組みとして、平成28年3月から安全委員会方式を導入しています。生活の場である施設での安心安全は、すべての基礎となるべきものであり、子どもたちだけでなく職員にとっても対応の指針が明確になるメリットがあります。取り組みから4年目になり、「あいさんテラスは暴力を許さない、見逃さない」という風土が子どもたちにも職員にも当たり前のこととして浸透してきていることが感じられます。今後も施設の軸となる取り組みの一つとして活用していきたいと考えています。
<環境整備の徹底>
 事業所理念にもあるように、あいさんテラスでは開設当初から環境整備を重視してきました。朝、昼に職員による清掃を毎日行い、子どもたちにも自室の整理整頓、清掃清潔を呼びかけ、特に学童には登校前に行うことを明示して取り組んでいます。整理整頓に取り組む事は心の整理にもつながり、物事を整理して考えることができるようになりますし、整理された環境は心を落ち着かせるものと考えます。そこから、自分自身を落ち着いて振り返る余裕が生まれること、そして整理整頓を身につけて育つことが、子どもたちの自立に繋がると期待しています。また職員、児童ともに環境整備に毎日取り組むことにより、職員、児童とも、心の荒みの解消につながるものと考えています。
【5】第三者評価の受審状況 2019年05月07日(契約日)~ 2020年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
◆地域の福祉ニーズに応えて
 地域の福祉ニーズに応えて、基本的には「必要とされる場合には、すべて受け入れる」方針で臨んでいる。地域の福祉ニーズの収集・分析から、近隣5市町村と委託契約を結び、ショートステイ事業を行っている。具体的には、里親のレスパイトとして子どもの受け入れや、障害児の受け入れを行っている。隣接する小学校の運動会等の行事の際は、施設の駐車場を提供している。市と契約を交わし、災害時の一時避難所としても登録している。

◆安全委員会方式の定着
 安全委員会を設置して4年目となり、施設内で「暴力を許さない」、「見逃さない」という風潮が職員や子どもの間で定着してきており、子どもが安心安全な施設生活を送れるように、施設の軸となる取り組みとなっている。また、施設の暴力事件に限定することなく、施設の多様な課題に対しても安全委員会から適切な助言を得ている。

◆ボランティアの有効活用
 子どもにとって質の高い学びや遊びの場を保障するため、著名な書道家による書道療法、個別の学習支援、折り紙教室、料理教室、理髪、幼児のお相手、クリスマス会等の催事に各種ボランティアが数多く訪問している。様々な年齢や職種のボランティアと接点を持つことで、子どもの社会性が育まれるという意味からも、ボランティアの有効活用が図られている。

◇改善が求められる点
◆研修効果の測定・検証
 様々な職員研修が実施されており、これらの研修履修後には「研修受講シート」が提出されているが、このシートの提出をもって研修が完結している。研修で得られた知識や技術が現場支援に活かされたか否かの、研修効果を測定・検証する仕組みの構築を期待したい。

◆適切なアセスメントに基づいた自立支援計画の策定
 自立支援計画画の作成にあたっては、日々成長する子どものアセスメントを適切に行うことが求められており、施設独自のアセスメント手法を確立することが望まれる。

◆退所後の支援体制の充実
 退所した子どもの拠り所となる施設を目指して、退所した子どもの状況の把握に努めること期待したい。退所後に施設を訪れた人数や頻度を記録に残し、退所者が集まれる機会や退所者と入所している子どもが交流する機会を作ることが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  地域の福祉ニーズに応えている点に高い評価をいたたき嬉しく思います。特別な取り組みとは思っていませんでしたが、法人として地域に根差した福祉に努めておりますので、それが運営にも現れたのだと思います。安全委員会方式、ボランティアについて評価いただいた事も、地域・外部のたくさんの力で支えられていることを実感する結果でした。一方、改善を要する点として、研修効果を検証する仕組みづくり、自立支援計画に繋がるアセスメント手法の確立などの指摘がありました。いずれも、職員が明確な目標の下で迷わず日々の業務にあたれるような仕組みが不完全であるという事が浮き彫りになったものと思います。子どもたちへのより良い支援に繋がるように、明文化。数値化といった具体的な指標を取り入れながら、施設内の仕組みの見直しに取り組みたいと思います。退所者と入所している子どもとの交流は、早速行事として立案し、実現に向けて取り組んでおります。
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