社会的養護施設第三者評価結果 検索

春風寮

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
【2】種別 児童養護施設 定員 37名
施設長氏名 村松 隆之 所在地 静岡県
URL http://www4.tokai.or.jp/harukaze/index.html
【3】実施調査日 2014年07月22日~2014年12月25日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・施設は、田畑等自然の残る住宅地にあり、入所児童は、幼児、小学校以上の男子、小学校以上の女子の3つの生活スペースに分かれて生活している。処遇上、入所児童を2つのグループに分け、それぞれのグループに経験豊かな職員をグループ長として配置し、各部職員の研鑽、連携を図り、養育・支援に取り組んでいる。施設長は、本年4月に外部から就任し半年余りであるが、長期にわたって社会福祉・社会的養護に携わってきた専門性と児童養護に対する信念のもと、就任後、春風寮の養育・支援の質の向上、経営や業務の効率化と改善に向けた様々な取り組みを実施している。施設長への信頼と高い専門性に裏打ちされたリーダーシップのもと、職員も自らより高い要求水準を掲げ、入所児童へ深い愛情を注ぎ、協働して前向きに真摯に養育支援に努力する姿が見られた。課題改善に向けた組織全体としての様々な取り組みが今後大いに期待できる。
・地域支援として、施設職員と里親との懇談会や施設の子どもたちと里親会との交流会、里親の施設実習(里親認定前研修等)等を実施している。また、市町の依頼に応じて、指導員、保育士、心理治療専門員等の施設職員が講演を行い、補導員や地域の人々に子どもとの接し方や子育てに関するノウハウを提供している。さらに、平成25年4月から施設内に開設された児童家庭支援センターが主体となり、施設と連携した地域支援の実施が始められた。地域や家庭からの相談事業、市町の家庭児童相談室と連携した支援事業、児童相談所からの受託による児童や家族への指導、関係機関との連携・連絡調整等の様々な地域支援が進められつつあり、27年3月には施設の敷地内に施設に隣接して児童家庭支援センターが新築完成予定であり、来年以降は、児童家庭支援センターと連携したさらに多様な地域支援の実施が大いに期待できる。
・児童相談所との連携が非常に密に行われており、中央児童相談所、市児童相談所それぞれとの定期的な連絡会が年間数回実施されている。また、子ども一人ひとりの発達課題や心理状態に応じて、児童相談所の心理担当職員・精神科の医師による定期的な面接の実施、児童相談所とのケース検討会の開催、児童相談所の協力を得た性教育の実施、児童相談所との連携による早期家庭復帰の推進等に取り組んでいる。児童相談所との密な連携は、子どもの養育・支援の上で大きな効果を生んでいる。

◇改善が求められる点
・それぞれの記録の関連性や分かり易さという点では、さらなる工夫の余地がある。また、各マニュアルや規程の中には、社会状況や施設の状況に応じて見直しが必要なものが見られた。
・経験豊富な職員も在職しているが、中堅職員が少なく新任職員が多い職員構成である。そのため、養育・支援の技術や知識に個人差があり、子どもへの対応が職員によって異なる場合も生じている。この点の解消に向けて新任研修等が実施されているが、今後は職員一人ひとりについて、基本姿勢に沿った的確な教育・研修計画を策定し、計画に基づいて外部研修、施設内研修、具体的な業務を通しての指導等に取り組み、特に新任および経験の浅い職員の育成をさらに進めることが求められる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
当寮は、1法人1施設で運営をしてきましたが、社会情勢の変化する中で、平成25年度に児童家庭支援センターを設置し、今年度、センター建物の建設をしているところです。寮の職員体制については、ベテラン職員と新人職員の2極化となっているが、今年度は、2グループ制のチームワークで対応しています。また、ケア担当職員だけでなく心理療法担当、家庭支援相談員、里親支援相談員などの職員を配置し、法人の基本理念を踏まえ、施設の養護理念の基、子どもたちの安全・安心を確保し、あたりまえの生活を通じて、支援に努めているところです。
第三者評価については、平成24年度に義務化されたことで、今年度、当寮も新たな基準の評価項目に基づいて自己評価をしました。今回、第三者評価を受審することで、子どもの支援内容を全職員で見直すよい機会となりました。
今回の評価結果から“評価が高い点”では、取り組んでいる内容が、子どもたちの生活や支援にも良い影響をしているなど、今の取り組んでいる方向が認められた部分と考えられます。“改善が求められる点”では、見直し・工夫が、まだまだ十分でないなどの課題が見えてきました。
当寮は、社会的養護施設としての役割を認識し、社会のニーズを踏まえて、子どもたちの支援を常に考え、職員全員が共通意識をもち、地域の児童福祉の拠点として、より高い専門性をめざしたいと考えています。
今後、この調査結果を踏まえて、改善が求められた事項については、できることから取り組んで、子どもの支援に活かしていきたいと考えています。
第三者評価結果はこちら