社会的養護施設第三者評価結果 検索

合掌苑

【1】第三者評価機関名 (社福)岐阜県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK18124
S2019032
2015-05号


【2】種別 児童養護施設 定員 40名
施設長氏名 成澤 武史 所在地 岐阜県
URL http://www.gashyouen.com/
開設年月日 1952年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人合掌苑
職員数 常勤職員 26名 非常勤職員 5名
有資格職員 児童指導員 ・ 保育士 4名 ・ 5名 家庭支援専門相談員 2名
里親支援専門相談員 1名 職業指導員 1名
心理療法担当職員 1名 看護師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童居室19室  幼児室3室 (イ)設備等 学習室3室
(ウ) テレビ室2室 (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
拝み合う心から“わかり合い・助け合い・磨き合う”
人と人との関係の中で、健やかに成長し合う
地域の福祉ニーズに応え、社会に貢献できる人材育成・法人運営

【基本方針】
私たち、合掌苑職員は理念・心得を大切に、以下の事を宣言し、子どもの最善の利益を追求し、養護に励みます。
① 子どもの意見を聞き、話し合うことで子どもとの信頼関係を築き、安心安全な生活を目指します。
 それによって子ども自身の情緒の安定を図り、安心安全で合掌苑で生活できるようにします。そのために、笑顔を持って子どもに接し、挨拶、言葉使いや、コミュニケーションのスキルが身に付くよう援助します。
② 共に生活することで相手を認め、思いやる心が育むよう支援します。
 やさしく寄り添いながら子どもを褒め、スモールステップを積み上げ認めることで自己肯定感を育みます。その為に、話しやすい態度や環境づくりを行います。
それぞれの子どもの自己肯定感が高まることで、他者を認め、認め合う・思いやる生活を目指します。
③ 夢や目標に向かった支援をすることで自立・家庭復帰を目指します。
 子ども相談センター(児童相談所)、学校、医療、家庭、地域との連携を持って、入所児童の多角的な支援を行います。子どものアセスメント、将来をプランニングすることで社会性を育んだ支援をします。子どもの健康に配慮し、学力・体力の向上を支援します。
【4】施設の特徴的な取組 昭和27年4月に定員30人の(児童)養護施設として認可を受けて事業を開始した。その後定員の増減を経て平成26年から40人の定員で運営している。現在、本館棟のほかに敷地内に別棟方式による小規模グループケアを2ユニット設けて計3か所に分散して児童が生活しているため、施設全体のスペースに余裕ができたことから児童居室の多くを1人部屋又は2人部屋に改修すると共に学習室や談話室の設置に加え、近々家族療法室の整備に着手する予定である。その他、被虐待児童の緊急一時保護にも対応できる設備を設け行政等の緊急要請にも真摯に応えるなど、養育・支援の質の向上並びに在宅児童の安心の場の提供等時代の変化に対応すべく取り組みを行っている。
さらに、月1回開かれる茶話会が、職員と子どもの心をつなぐ良き場となるとともに、子ども自治会の役割も果たしている。
【5】第三者評価の受審状況 2019年05月21日(契約日)~ 2020年01月15日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 児童養護施設合掌苑は、周辺が春には梅や桜が咲き誇り、夏には長良川の風物詩である鮎釣りで賑わい、秋には山々の紅葉が訪れ、冬は一面銀世界に覆われる四季の風情を全て備えた自然豊かで、静かな環境の中に立地している。
平日の児童たちは地元の小、中学校のほか高校生は第三セクターの鉄道で元気に通学している。また、就学前の幼児たちは温かい眼差しの保育士等が見守る中で部屋や庭で元気に遊んでいる。
小学生は地域の子ども会に参加し日常的な交流が根付いている。最近は、地域の子どもたちが施設に遊びに訪れるなど、ごく自然な交流の足音が着実に近づいて来ている。
勤続年数が長い職員の占める割合が増え、施設長をキーパーソンに中堅職員との合議を経ながら業務全体を進める仕組みが徐々に整いつつあり、施設全体の養育・支援スキルの向上に期待が膨らむ。
 地域小規模グループホームの開設や本体施設の改築など、大きなプロジェクトも予定されている。役員会等の合議はもとより資金計画に加え、現行小規模グループケアの運営ノウハウの蓄積や職員の育成等プロジェクト実現の取り組みに期待が持てる。

◇特に評価の高い点
要保護児童の福祉ニーズを理解し地域小規模児童養護施設の開設に取り組んでいる。また、増加が著しい在宅で生活する被虐待児童の安全確保の重要性を理解し、職員を増員して緊急一時保護の受け入れに積極的に取り組んでいる。
看護師を配置し児童の健康管理の充実に努めているほか、心のケアの充実を期して家族療法室の整備に取り組んでいる。
児童自立支援計画書や児童ケース記録及び業務日誌等各種記録のパソコンへの記入・保存によりネットワーク化が可能となり、情報共有の仕組みが整えられた。
室内を見学させていただいて、施設内での小さなこだわりを大切にされていることが分かった。中でも、社会の小さな約束事を絵と言葉で伝えることを大切にして合掌苑のくらしを考えている。そのため、<小学生のあなたへ・中学生のあなたへ・高校生のあなたへ>と年齢に応じた決まりを子どもたちが守り生活していることで、合掌苑全体の雰囲気が今の整理整頓された暮らしに繋がっている。

◇改善を求められる点
事業計画の策定について、事項を羅列して表記しているように見受けられるので、職員の理解を促すためにも例えば、性質別項目に区分して表記するなど内容の見直しを期待する。
施設長(管理者)と個別面談を中心に職員の就労状況等について掌握して業務に反映させているが、人事考課の実施を含めた総合的な人事管理について今後の取り組みを期待する。
養護・支援の取り組みを文書化によって支えるという様式は、手間がかかることであり必ずしも必要を感じないであろう。しかしこれは単に形式を整えるという事ではなく、常日頃の実践を見直し、より良い子どもの養育・支援に資するものを生み出すプロセスとなるはずである。
少しずつでも丁寧な取り組みを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 社会的養護の子ども達の安全と安心を守る児童養護施設として、第三者の方から施設内の様子、自分達の養育を定期的に評価頂くことは、自分達の養育を見直す機会として大変重要であり、大切な機会を頂いていると思っています。
委員の皆様には、私達の仕事の意義を理解して頂き、また勇気づけられる評価やご意見を頂きました。
今後も社会的養護の子ども達が安心して暮らせ、それぞれの家庭の支えとなれるよう努力していきます。
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