社会的養護施設第三者評価結果 検索

合掌苑

【1】第三者評価機関名 (社福)岐阜県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15120
2005-31号
2015-05号


【2】種別 児童養護施設 定員 40名
施設長氏名 成澤 武史 所在地 岐阜県
URL http://www.gashyouen.com/
開設年月日 1952年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人合掌苑
職員数 常勤職員 21名 非常勤職員 6名
専門職員 児童指導員・保育士 13名 家庭支援専門相談員  1名
里親支援専門相談員 1名 個別対応職員 1名
職業指導員  1名 臨床心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童居室、19室 (イ)設備等 幼児室、3室
(ウ) 学習室、3室 (エ) テレビ室、2室
【3】理念・基本方針 【理念】
拝み合う心から“わかり合い・助け合い・磨き合う”
人と人との関係の中で、健やかに成長し合う
地域の福祉ニーズに応え、社会に貢献できる人材育成・法人運営

【基本方針】
私たち、合掌苑職員は理念・心得を大切に、以下の事を宣言し、子どもの最善の利益を追求し、養護に励みます。
① 子どもの意見を聞き、話し合うことで子どもとの信頼関係を築き、安心安全な生活を目指します。
それによって子ども自身の情緒の安定を図り、安心安全で合掌苑で生活できるようにします。そのために、笑顔を持って子どもに接し、挨拶、言葉使いや、コミュニケーションのスキルが身に付くよう援助します。
② 共に生活することで相手を認め、思いやる心が育むよう支援します。
やさしく寄り添いながら子どもを褒め、スモールステップを積み上げ認めることで自己肯定感を育みます。その為に、話しやすい態度や環境づくりを行います。
それぞれの子どもの自己肯定感が高まることで、他者を認め、認め合う・思いやる生活を目指します。
③ 夢や目標に向かった支援をすることで自立・家庭復帰を目指します。
子ども相談センター、学校、医療、家庭、地域との連携を持って、入所児童の多角的な支援を行います。子どものアセスメント、将来をプランニングすることで社会性を育んだ支援をします。子どもの健康に配慮し、学力・体力の向上を支援します。
【4】施設の特徴的な取組  地域交流事業として「がらくた市」を定期開催しているほか、子ども会やスポーツ少年団への参加など地域との交流を積極的に行っている。
 大学や短期大学から年間15名ほどの実習生の受け入れを行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2016年07月19日(契約日)~ 2017年02月28日(評価結果確定日)
受審回数 2回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評  合掌苑は、自然豊かな郡上市、県中央部に位置する旧美並村、長良川の上流にある児童養護施設である。都会ではないが、閑雅で民情豊かで温和な地元住民に支えられ、子どもが育つには良い環境にある。
 施設では、季節に応じた取り組みを行っており、地域交流としてバザーや卒苑生によるギター演奏等を催したがらくた市や、映画鑑賞会、海水浴、バーベキュー、神輿担ぎを行う下田祭り、クリスマス会等を行い、地域や自然と触れ合う機会を大切にしている。

【特に評価の高い点】

・ 養育・支援の質の向上には常に関心を持ち、とりわけ職員間の処遇支援の一貫性の確保とチームワーク(関係性)が重要と考え、職員の業務推進の調整にも意を注いでいる。また、職員と定期的に面談して意向等の掌握と育成にも積極的に取り組むなど、指導力を発揮している。

・ 年間を通じて施設内研修のほか施設外研修等にも積極的に参加するなど、多様な研修機会が確保されている。

・ 一般向けのパンフレットの他、小中高生それぞれ向けの説明文を用い、苑での暮らしを分かりやすく説明している。『合掌苑のくらし』と題したそのパンフレットは、絵入りで簡潔にまとめられており、誠実に相対する姿勢がうかがわれる。

・ サッカー、野球などのスポーツ少年団への参加、子どもたちが考えたパソコン・ゲームの利用方法など、子どもたちの主体的な生活の構築への支援がなされている。これからも一人ひとりの個性に応じたより一層の支援を期待したい。

・ 職業指導員を配置し、一人で生活していくという自立に向けた細かな生活指導を今年度より実施している。試験段階であるが、銀行通帳作成の仕方・印鑑の使用の仕方・生命保険の詳細について等、実際に社会に出てから必要な知識や理解できないと思われる問題点について学べるように指導している。

【改善を求められる点】

・ 期待する職員像を明示し職員も理解しているが、計画の策定等に課題がうかがえる。例えば、事業報告中の「人材育成」欄にもあるように年間事業計画の中にも同様に職員の教育・研修計画を盛り込むことなどの検討を期待する。

・ リスクマネジメント体制は整えられようとしているが、スピードアップが必要であるとの認識をお持ちいただきたい。まずは、苑内での十分な研修が必要であり、推進のための責任者の位置付けを確かなものにしていただきたい。常に情報収集、検討、マニュアルの見直しを行い、子どもたちの安全を脅かす危機が起こらないような体制の確立をお願いしたい。

・ 被措置児童の虐待についてのマニュアル等体制整備が不十分である。虐待の問題は、特別な人間のみによって引き起こされるのではなく、全職員誰しもその危険をはらんでいることの認識を持つとともに、全国的に深刻な事件も発生していることも勘案し、早急に整備をお願いしたい。

・「(児童)養護方針」で期待する職員像を明確にしているが、総合的な人事管理については今後の課題として取り組むことを期待する。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者による相対的かつ率直なご意見を頂き、直撃にこれを受け止め、今後の児童養護施設としての養護展開に役立てていきたいと思います。
 評価委員による評価が単なる評価でなく、これからに繋がる期待を込めたご意見を頂きました。創立60年以上経過する施設ですが、その時々で職員集団も変わり、求められる施設の役割も変わりますが、時代に則した施設・法人運営に努めたいと思います。

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