社会的養護施設第三者評価結果 検索

おさひめチャイルドキャンプ

【1】第三者評価機関名 (株)マスネットワーク
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 西村 武 所在地 長野県
URL
【3】実施調査日 2014年05月09日~2014年07月15日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
1.「子どもたち一人一人のニーズに応える施設づくり」の取り組みとアフターケア 
 「子どもたち一人一人のニーズに応える施設づくり」を重点事項にかかげている。日課としての食事時間など決まりはあるが、自主性を尊重しており、休日の過ごし方などチーム担当の職員に相談すれば、子どもの自由に任せている。習い事や塾、中高生のクラブ活動など、子どもの希望や意思を尊重して支援している。生活においてのルールや、行事などは、全体会や年代別の自治会活動の中で話し合い、子どもの主体性を大事にして決めて実施している。また、退所児童の支援は、電話やメールを使って行事への参加を呼びかけ、退所後1年は食事支援を行うなど、いつでも来園できるような体制作りを積極的に行っている。今年度より来園者や電話連絡などの記録様式を整備し、職員間で共有し組織的にアフターケアに取り組んでいる。
2.継続して働き続けられる環境
 職員が結婚・出産を経験しても働き続けられるように配慮、職員の悩み等の相談体制を整備、研修計画の策定など、継続して働ける環境作りが整っており、離職率が低い。施設長がリーダーシップを発揮し、職員間の協力体制や人間関係も良好で、職員の仕事への意欲につながっている。このことが、施設全体の雰囲気や体制、質の向上にも反映しており、子どもへの支援に活かされている。
3.将来構想の明確化
 中・長期計画の基本目標を国が示している「社会的養護の課題と将来像」を受け、15年間を三期に分けて家庭的養護推進計画を策定している。期間計画では、一見して理解できるよう年度計画を図にして、用地確保から改築、資金計画等具体的な数値が示され、将来構想が明確である。課題も、具体的にメリットやデメリットをあげて分かりやすい内容となっている。

◇改善が求められる点
1.食育の推進
 献立は、管理栄養士が作成し、嗜好調査、残食の記録もされ、アレルギー等にも配慮されている。高年齢の子どもに対して遅い時間の夕食、朝早い弁当や時間の対応、休日の朝食など時間外に食べたい時は、調理員と相談するようにルールで決めて実施されている。小規模棟では、夜に好みの夜食を作り、休日にお菓子や簡単な調理などされているが、一括しての調理が原則であり、あたりまえの生活における食材の買い出しから下ごしらえ、調理方法、味付け、片付けなどのお手伝いの機会は限られている。毎日の食事の中で、食品分類や栄養についての正しい知識のみならず、季節感や食に込められた豊かな文化など、栄養士や職員の協力により食育への更なる工夫が望まれる。
2.標準的な実施方法の確立
 養育・支援については、生活プログラムが標準的な実施方法となっている。子どもの尊重やプライバシー保護の姿勢を取り入れ、年度当初に見直しがされている。今後、子どものより豊かな生活を目指して、“みんなのルール”を参考にしながら年代別の標準的な養育・支援の実施方法を文章化し、更に質の向上を期待したい。
3.職員の質の向上と人事管理の体制整備
 年間研修計画を作成し、施設内外の研修に積極的に取り組んでいる。今後は、職員一人一人についての基本姿勢に沿った研修計画が策定される事とあわせて、人事考課制度と連動されるよう総合的に把握し、学びが浸透され活かす仕組みを構築される事を期待したい。人事考課の導入においては、評価基準を明確に示し、より透明性を高め人事考課後個別面談を行うなど、更に意欲を高める取組が望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 前回は平成23年に受審し、今回2回目の第三者評価となりました。その間自己評価を通じて、より一層の改善に努めて参りましたが、外部からの第三者評価と違い、自己 評価には限界があると感じておりました。
 今回の「評価が高い点」をさらに高めながら、「改善が求められる点」については、職員全員で真摯に向き合い、どのようにすべきか議論して参ります。特に、個別評価で「C」が付いた「外部監査を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている」と「客観的な基準に基づき人事考課が行われている」の項目については早急に検討 いたします。
 当施設の特色を出しながら、これからも「子どもたち一人一人のニーズに応える施設づくり」に努めて参ります。
第三者評価結果はこちら