【1】第三者評価機関名 | (公社)新潟県社会福祉士会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK16012 SK16014 21012 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 林 直 | 所在地 | 新潟県 | |
URL | http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kosodate/cate06/hutabaryou.html | |||
開設年月日 | 1954年03月31日 | 経営法人・設置主体 | 長岡市 | |
職員数 | 常勤職員 | 22名 | 非常勤職員 | 5名 |
専門職員 | 臨床心理士 | 1名 | 保育士 | 12名 |
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介護福祉士 | 1名 | 教職員免許 | 3名 | |
調理師 | 4名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 4人部屋7室 個室3室 | (イ)設備等 | 食堂 居間 静養室 保育室 講堂他 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ◆理念 「社会的自立を目指し、生きがいを見つける支援、安心して生活できる環境と家庭的な体験の提供」 ◆基本方針 (1)温かい愛情と潤いのある家庭的な雰囲気の中で、安心感と信頼感のある生活環境を保障します。 (2)児童の能力などを適切に伸ばし、個性豊かで、健全な人間関係を目指します。 (3)職員は研鑽に努め、人権に対する意識の向上と懲戒権の濫用を防止し、より適切な自立支援を行うよう取り組みます。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ・寮内外の研修機会の充実 ・里親会との交流(里親支援) ・リービングケアの充実 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2016年06月01日(契約日)~ 2017年02月06日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【特に評価が高い点】 (1)子どもが自己の意見や将来の夢について職員に相談しやすいように努めている。 職員は子どもとの日頃の関わりを通して信頼関係を築き、子どもが自身の考えを言いやすいように声を掛けたり質問することに努めている。個別の買い物同行や学習支援の場面で子どもからの意向が聞かれることも多い。また、子どもが感情的になり、トラブルとなった際も良い機会と捉え、子どもの話や意見を聞き取ることに努めている。 今年度の職員の自己評価からも、職員は日々の支援で子どもに対して大きな声で注意したことや、しっかりと子どもの話しを聞く時間が持つことが出来なかったことなどを反省点として挙げており、子どもを尊重した支援の姿勢と意識の高さを読み取ることができる。なお、今回の第三者評価における子どものアンケート調査においても、ほとんどの子どもが「職員に将来のことや自分の気持ちについて相談できる」と答えている。 (2)子どものリービングケア(退所後の自立に向けての準備)に努めている。 施設は将来、子どもが社会に出て行くことを考えて、小学生から洗濯、掃除を職員と一緒に行っている。高校生は当番で、他の子どもの分の弁当も調理・作成しており、「調理には自信がある」との子どもの意見も聞かれていた。このようなプログラムの実施によって、退所後の生活スキルを高めるように工夫している。また、施設では中学校や高校でのクラブ活動を推奨しており、子どもが社会性や、共通の目標を持って集団で努力することを学ぶことができる機会となっている。子どもと職員とで目標を掲げ学力の向上にも努め、中学や高校卒業後の進路を見据えた支援も積極的に行われている。 退所後は生活が安定するまでは、担当職員が連絡、訪問したり、退所した子どもからの相談にも随時対応している。 (3)寮長等を中心とした安定的な施設運営がなされている。 施設は寮長と副寮長がリーダーシップを発揮して運営されており、職員は児童養護に必要な知識等を積極的に身に付け、専門的な見識を大切にして子どもの養育・支援にあたっている。また、施設で実施する自己評価の担当者を定め、毎年度の評価結果を分析し、養育・支援の方法や施設運営について見直し、改善策を講じている。これらの取り組みによって、今回の第三者評価においても、前回(3年前)の第三者評価で指摘された標準的実施方法の整備や人材育成等の多くの項目で着実な成果を確認することが出来た。 【特に改善が求められる点】 (1)施設の人材育成の方針や内容を明示することが期待される。 施設は寮長や副寮長等の経験豊富な職員を中心として、子どもの養育・支援について職員の質の向上に努めている。寮長の指導のもと、新任・未経験の職員が担当する業務や役割がおおよそ定められ、職員一人ひとりの支援技術の向上に合わせて役割を変更するなどの具体的な取り組みがなされている。また、日々の職務の中で、寮長や副寮長、先輩職員から、専門性の向上のための個別の職員への助言等も行われている。しかし、職員の育成方針や方法について、組織として定めるまでには至っていない。 現在の施設の養育・支援の質の維持・向上のため、職員の人材育成方法等の概要や留意点について資料にまとめるなど施設として明示し、それを全体で共有することで、共通認識のもとで職員の育成が行なわれることが期待される。 (2)子どもの将来の夢、目標となる仕事や職業を知る機会を増やす検討が期待される。 施設では、アルバイトは社会や仕事について知る良い機会と考え、子どもの希望があれば高校の許可を受けて学業に支障とならない範囲でアルバイトを認めている。また、職員が子どもの進路や将来の希望について丁寧に相談対応を実施している。しかし、子どもが社会の仕事や職業を知る機会の提供は十分ではない。 子どもが実際に仕事をしている大人や先輩から職業の話を聞いたり、職場見学等をすることによって、退所後の目標をより早期に意識することができると考えられる。子どもが将来の夢や仕事、職業について、より関心や理解を持つことのできる機会の提供が期待される。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 2回目となる今回の評価結果を全職員でよく検証し、今後の支援に活用していきたい。 高く評価された、相談しやすい環境の提供やリービングケアの取組みなどは今後も継続していきたい。 人材育成についての方針や方針を確立すべきとの指摘や、子どもに職業知識等の提供が不十分であるという点については、真摯に受け止め、改善に努めたい。 |