【1】第三者評価機関名 | (公社)新潟県社会福祉士会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18101 SK18105 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 50名 | |
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施設長氏名 | 斉藤 保則 | 所在地 | 新潟県 | |
URL | https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kodomokatei/1339448496703.html | |||
開設年月日 | 1950年03月01日 | 経営法人・設置主体 | 新潟県(指定管理者:社会福祉法人愛宕福祉会) | |
職員数 | 常勤職員 | 21名 | 非常勤職員 | 4名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 8名 | 精神保健福祉士 | 1名 |
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保育士 | 3名 | 看護師 | 1名 | |
心理士 | 1名 | 管理栄養士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 居室 4人部屋10室、2人部屋5室 | (イ)設備等 | 食堂1ヶ所、体育館1ヶ所 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 児童一人ひとりが自らの将来像や夢を思い描けるように支援する。 【基本方針】 (1)児童にとって安全で安心できる生活の保障に努める。 (2)教育や社会体験を通じて基礎学力や社会性を身につけ生きる力を養う。 (3)家庭復帰へ向けた家庭環境の調整や退所後のフォローアップに力を入れる。 (4)就労支援や就学支援を関係機関と連携を行い、児童一人ひとりの可能性を最大限引き出す。 (5)指定管理者として公の施設であることを常に念頭に置き、施設の効用を最大限発揮するとともに、管理経費の縮減に努める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 児童の心理ケアのため、心理療法担当職員を1名常勤で配置している。「セカンドステップ」というプログラムを実施、社会性を育むこと、問題行動を減らすことを目的としている。対象児童はすぐに感情的になり、物や人にあたることが多かった。「セカンドステップ」によって自分自身の気持ちに気づき、言語化できることを目的に週1回のセッションと毎日の振り返りを行っている。 | |||
【5】第三者評価の受審状況 | 2021年08月01日(契約日)~ 2022年03月29日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | 【特に良いと思う点】 ■「安全委員会」の設置により、子どもの暴力等の問題の予防に努めている。 施設として、第三者的立場の委員から構成された「安全委員会」が年6回開催されている。「安全委員会」は、子どもの権利擁護を目的としており、委員は施設長を始めとして児童相談所や学識経験者、小中学校等の関係者で構成されている。施設や子どもの課題等について協議されている他、改善案が協議・実行されている。 ■心理的なアプローチを取り入れ、子ども自身の精神面への効果がみられる。 心理療法担当職員を配置し、心理療法を取り入れた面談を実施する中で、対象児童に対しては、社会性を育む、問題行動を減らすことを目的として「セカンドステップ」というプログラムを取り入れている。プログラムを重ねて行っていく中で、クールダウン等による自身の感情のコントロールが可能となり、衝動性が抑えられようになるなどの効果がみられている。心理療法担当職員を配置して間もないため、施設としてはさらなる取り組みの必要性を感じており、今後さらに子どもの健やかな成長につながるような支援に期待したい。 【特に改善が求められる点】 ■施設運営に対する職員参画の体制づくりに期待したい。 事業計画は、職員の会議等で必要な意見聴取をしながら管理職が作成している。年度初めに事業計画にかかる資料の配布と説明を施設長又は次長が職員に対して行っており、職員に周知された形で施設運営がされている。 事業計画は、職員の意見も反映させながら作成をし、具体的に計画をどのように進めていくか等を一緒に検討し、実践することによって、より課題が明確になり、改善につながりやすいと思われる。今後は職員が参画できる体制をつくることが望まれる。 ■養育支援における標準的な実施方法、自立支援計画の評価の仕組みづくりが望まれる。 養育支援における標準的な実施方法については、施設のマニュアルとして作成されており、施設長、次長が見直しを行っているが、職員間での周知がなされていない状況がある。標準的な実施方法は施設における養育・支援の基本となるものであり、個別支援の基礎として職員間で共有され適切に実施されるための仕組みづくりを期待したい。 子ども一人ひとりへの個別の対応、自立支援計画については、児童相談所の児童票に基づき、施設の中で棟会議等を通して個別の対応を検討し、児童相談所とのケース連絡会において検討している。しかし、個別の子どもや家庭の状況を把握するためのアセスメント手法が十分とは言えない状況がうかがえた。今後は、児童相談所からの情報のみならず、子どもの一番身近である施設の職員が子どもの状態把握を行ない情報を整理・分析するためのアセスメント手法を確立し、それをもとにした自立支援計画作成、目標に向けた支援を行う体制づくりと職員間で共通認識が持てるような仕組みづくりが望まれる。 ■子どもの意見や苦情に対するさらなる工夫が望まれる。 職員からの虐待や暴力を受けていないか、子ども間での暴力やいじめがないか、毎月、職員が子どもに聞き取りを行ない、その内容は「安全委員会」に報告されている。子どもへの聞き取りを行なうのは主に子ども自身の担当職員であり、2ヶ月に1回は別の職員が聞き取りを行なう仕組みとなっている。 しかし、信頼関係が構築された担当職員が聞き取ることで話しやすさがある一方、子どもの心理としては、いつも顔を合わせる職員だからこその言い難さもある可能性が考えられる。この点にも考慮し、例えば「安全委員会」の委員が子どもから直接聞き取りを行なったり、匿名でのアンケート・投書を法人本部等間接的な部署に送付できるなど、直接かかわっている職員ではない第三者にも子どもや保護者が意見や苦情を出せる方法も検討されたい。 また、施設では苦情として取り扱った事案はないとのことだったが、棟集会での子どもの意見、相談などが様々ある中で改善が必要と思われる事項も散見された。 子どもの意見等を把握する方法として、生活に関するアンケートや子ども自身による児童集会、子どもとの面談など、いろいろな取り組みが行われており、職員会議等でも協議はなされている。今後は、子ども自身にも「自分の意見が受け止められ、大人に大切に扱ってもらえる経過」を理解してもらえるよう、各ルートで寄せられた意見等がどのように取り扱われ、解決・改善に向けてどのように検討され対応されるのかを子どもにもわかりやすく示したり、改善に向けた検討会に子ども自身も参画する仕組みを設けるなどの取り組みを期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 指定管理者として若草寮の運営に携わって2年が過ぎようとしている。社会的養護の経験が少ない職員が多い中、第三者評価を受審することで現在足りないところを指摘していただき感謝している。特に改善が求められる3点、①施設運営に対する職員の参画 ②養育支援における標準的な実施方法、自立支援計画の評価の仕組みづくり ③子どもの意見や苦情に対するさらなる工夫を職員全体で共有、協議検討を行い、しっかり改善できるように取り組んでいきたい。 |