【1】第三者評価機関名 | (公社)新潟県社会福祉士会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18102 SK18100 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 56名 | |
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施設長氏名 | 太田 邦夫 | 所在地 | 新潟県 | |
URL | http://www.minna-de-ikiru.org/ | |||
開設年月日 | 1956年07月22日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人みんなでいきる | |
職員数 | 常勤職員 | 35名 | 非常勤職員 | 4名 |
有資格職員 | 保育士 | 15名 | 児童指導員 | 5名 |
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臨床心理士 | 1名 | 管理栄養士 | 1名 | |
調理師 | 3名 | 看護師 | 2名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 居住棟8ユニット(各ユニット定員7名) | (イ)設備等 | 管理棟・居住棟1658㎡ |
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(ウ) | 心理療法室、家庭生活実習室、多目的室、地域交流ホール等 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 家庭環境に恵まれずに入所していることを常に認識し、職員一同が保護者のかわりとなって「児童の家庭にかわる生活の場」として安心感と信頼に満ちた生活環境を確立し、個性豊かで調和のとれた心身の発達と社会参加並びに自立心旺盛で、落ち着きのある成熟した人格の形成を目指し、施設運営に努める。 【基本方針】 (1)入所児童が「ここで生活できて良かった」と思える施設運営に努める。 (2)児童の豊かな情緒を育てる。 (3)基本的生活習慣や社会性を身につけ、社会人として自立できるように援助する。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 平成25年10月より小舎制に移行し、平成29年4月より指定管理制度になり「社会福祉法人みんなでいきる」が管理運営を行っている。よりきめ細やかな家庭的養育を実践している。一人ひとりの課題と向き合い、進学や退所後の生活なども既成概念にとらわれることなく、可能な限り本人の希望をかなえようと支援している。法人の障害福祉事業部との連携、交流を行い発達障害児童等に対しても専門的な養育を目指している。 | |||
【5】第三者評価の受審状況 | 2021年05月01日(契約日)~ 2022年03月31日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ■特に良いと思う点 ○理念・基本方針に沿った支援を目指して「みんなでいきる」という法人の名前に込められた思いを実現しようとしている。 若竹寮の基本理念「児童の家庭に代わる生活の場」として安心と信頼に満ちた生活環境を確立し、個性豊かで調和のとれた心身の発達と社会参加ならびに自立心旺盛で、落ち着きのある成熟した人格の形成を目指す」と示されているように、住環境は、自然豊かな環境の中でユニットを一つの家族としてユニット担当職員による工夫やアイデアで生活が営まれていることが訪問調査時に確認できた。ユニットは生活する子どもたちにより設えや雰囲気が異なり、個性が尊重されていることがうかがえる。普通の家庭にいるような雰囲気で子どもたちは施設内で思い思いに過ごし、職員や子ども同士で遊ぶ姿が見られ、法人の方針である「みんなでいきる」を目指した支援が職員によって実践されている。 ○職員は生活の営みを通して、生活していく上で必要な知識や技術を子どもが習得できるよう、一人ひとりの状況に合わせて様々な工夫を加え伝えている。 職員は子どもとの生活の営みを通して、日々の出来事や子どもの状況と向き合いながら、様々な工夫をしながら生活していく上で必要な知識や技術を伝えていることが、引継ぎ文書や本第三者評価における職員の聞き取りから確認できた。 施設では、小舎制の良さを活かしユニットを一つの家族のように設え、「①児童の生活の目が届く」「②プライバシーが守られる」「③家事などの暮らし方を間近に見ることが出来る」「④職員の力量が必要である」「⑤児童との人間関係が濃密になる」ことを重視して子どものへの支援を行なっている。ユニット子ども会議では子どもたちからの意見一つひとつに真摯に向き合い、受け止めて対応していることが会議録から読み取れた。今年度は重点目標として「①ルールの見直し」「②年間外出企画の計画実施」「③ユニットによる食事体制の確立」「④ユニットごとの小口現金所持管理」「⑤学力向上機会の創出」を掲げ取り組んでおり、子ども一人ひとりの状況に合わせた支援が具体的に計画され実行されている。 ■特に改善が求められる点 ○子どもの権利擁護に関する規定・マニュアルの見直し、改定が期待される。 子どもの権利擁護に関して、対応の難しい子どもも少なくない現状から、虐待や不適切な関わりの予防的な支援や早期発見のための研修等への取り組みが行われている。上越市による運営だった平成25年度に作成された「子どもの安心と安全を護るガイドブック」や、マニュアル「児童処遇関係」などに子どもの権利擁護についての記載事項があるが、様々な書類に記述が散らばっている状況であり、体系的に理解しにくく、職員の共通認識に至っていないことが、今回の第三者評価における職員自己評価から読み取れた。今後は、権利侵害の予防や早期発見の重要性に鑑み、権利侵害を発生させないための組織作り、権利侵害の発生・発見時の法律に基づく対処方法などをわかりやすく明確にした規程・マニュアル等を作成し、職員への周知徹底に活用することが期待される。 ○アセスメント手法から自立支援計画の作成・実施・評価・見直しに至るプロセスを定め、施設として自立支援計画に関する体制を確立することが望まれる。 児童相談所と連携しながら自立支援計画を適切に作成されていることは確認できた。しかし、アセスメントの手法、自立支援計画の作成・実施・評価・見直しに至るプロセスについて定められ明示された資料は確認できず、また、自立支援計画に関する一連の流れが職員に周知されていないことが、本第三者評価における職員の自己評価の記述から読み取れた。今後はアセスメントの視点や方法、子どもの意向把握の方法、多くの職員や他職種間から意見を得たりチームで検討するための方法など、アセスメントから自立支援計画作成までの方法・手順、および、子どもにとって現状の自立支援計画が有効であるのかどうかを評価し、必要に応じて子どもにとってより良い計画となるよう見直しする方法・手順を組織として定め、職員に周知徹底し、職員全体で子どもにとってより良い自立支援計画を作成するための仕組みを構築し実行していくことが望まれる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価を受審し、子どもの生活、職員の支援、組織体制等を全体で振り返る良い機会となった。第三者の視点が入ることで施設運営における課題が明確になったとともに、職員の実践や意識について高く評価頂いたことは大きな励みとなった。改善が必要な事項としてあげられた、「子どもの権利擁護に関する規定・マニュアルの見直し」及び「自立支援計画に関する体制の確立」については、真摯に受け止め、組織としての方針を立て、改善に努めていきたい。 若竹寮で暮らす児童にできる限りの「普通の生活」「家庭に近い生活」を提供し、「子どもらしく」「その子らしく」育ち、生きていく為の力と自信を身に付けて社会へと踏み出すことが出来るよう、職員一丸となって施設運営に努めていきたい。 |