社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖母愛児園

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 S2020065
SK18105
24008
S2020068

【2】種別 児童養護施設 定員 36名
施設長氏名 平原 富江 所在地 新潟県
URL http://niigatacaritas.or.jp/
開設年月日 1978年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 新潟カリタス会
職員数 常勤職員 22名 非常勤職員 10名
有資格職員 児童指導員任用資格 7名 保育士 7名
公認心理師 2名 調理師 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 (イ)設備等 本園(現員17名)、カリタスの家(現員6名)、あすなろの家(現員5名)、たいようの家(現員6名)
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 <法人の理念>
キリスト教的人間観に則り個人は外見上有用無用によらずすべて神から愛されて生を受け一人一人に固有の使命が託されていることを基本理念とします。
<施設の理念>
1.児童憲章を基本とし、カトリック精神に基づいた支援を指針とします。
2.家庭や地域社会、関係機関と協働し、子どもの最善の利益を追求しその権利を擁護します。
3.子どもの健全な心身の発達を保障し、安心、安全な気持ちで生活できるよう、最適な福祉サービスを提供します。
<基本方針>
1.個別化の支援
2.社会性の確立
3.信頼関係、愛着関係の確立
4.家庭、地域社会、関係機関との連携
5.自立支援
【4】施設の特徴的な取組 ・本園と小規模グループ3つの経営形態で、いずれも近い距離にあり、幼稚園・小学校・中学校も同じ所に通園・通学しているため、幼稚園や各学校との連携がとり易く、本園、分園の子ども達の交流も良い関係にある。
・子ども達が利用者としての主体であることを常に念頭におき、一人ひとりの個が生かせるよう、専門部会、自立支援計画会議等をもって情報を共有し、直接処遇職員、家庭支援専門相談員、基幹的職員、臨床心理士等も加わって、最善の利益を追求している。
・本園と分園職員の協力関係が良好。
・研修委員会を中心に階層別研修を実施し、質の向上に取り組んでいる。
【5】第三者評価の受審状況 2021年05月01日(契約日)~ 2022年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ■特に良いと思う点
○養育支援の質の向上に向けて、施設一丸となって取り組みを進めている。
 近年、児童養護施設では、子どもに対する養育ニーズが多様化し、心のケア、個別発達支援が必要な子ども等、特別な配慮を要する子どもの入所が増加している。職員は、子どもの心理的課題への関わりや子どもたちが表出する様々な行動への対応、分離後の親子関係の調整、家庭復帰が困難かつ問題を抱えた子どもの自立支援等、生活上の多くの課題に対して、療育支援に関わる全職員が社会的養護を担う使命と責任を強く認識し、法人および施設の理念や基本方針の実現に向けて日々実践している。施設長は、子どもたちに対して「生きる力の基礎をここで培ってほしい」と願い、子どもたちを養育するだけの場ではなく、不安、悲しみ、憎しみ、葛藤を抱えている子どもの多面的理解の大切さを伝えている。基幹的職員・主任は、「権利を侵害されてきた子ども一人ひとりを大切にしていきたい。養育支援は職員の数だけでなく『質』が大事であり、歩みを止めない」と話し、養育支援の統一と、その質の向上に向けて職員をまとめている。
 2年前からは、養育支援の重要なテーマである養育支援、権利擁護、自立支援、ネットモラルの4つの専門委員会を設置している。各分野の専門性を高めるだけでなく、「子どもの最善の利益」を追求するにあたってそれぞれが関連しているものとして、職員間で共通理解を図っている。
 また、「アセスメント力の向上」に取り組み、これまでの支援をより細かく分析、検証し、子どもの状態像を考察していくことを通じて、アセスメントの深化とチーム力の向上につなげている。
 これらの取り組みは、様々な形でSOSを発信する子どもたちの声なき声に気づき、受け止め、望ましい支援ができること、また日々奮闘する職員の支援を支えるものとなっている。

○入所から退所後まで、子どもが安心・安定した生活ができるよう組織的に取り組んでいる。
 施設では、インケアからアフターケアまでの連続性を大切にしている。入所前に事前情報や子どものニーズを把握し、その後担当職員や家庭支援専門相談員、基幹的職員・主任、関係機関で協議し、入所後の養育について、子どもの情報やニーズをふまえて話し合い支援計画を作成している。また、生活が変わる精神的負担を考え、施設に入所した際には、退所時までできる限り同じ施設(本園・分園)で過ごせるように配慮している。
 退所後にも安心・安定した生活ができるよう、日々の養育の中で信頼関係を築きながら子どものニーズを聞き取り、必要な支援ができるよう努めている。さらに、退所後の生活に関する支援計画は、子どもの発達状況や情緒的な面等もふまえて、個々に必要な機関等との連携を含めた支援計画を作成することを意識している。退所に向けた児童の支援については、担当職員を中心に会議等で全体に情報を共有をしており、トラブル等の事案が発生した場合にはすぐに対応できるよう、施設やその他必要な連絡先等も伝えて迅速に対処できるよう配慮している。
 退所した子どもとの交流も行っており、現在は新型コロナウイルス感染症対策として控えているが、OB会を開催している。退所後も開催のたびに参加してくれる子どもや、親子で参加する子どももおり、施設との信頼関係の深さがうかがえる。

■特に改善が求められる点
○施設の中・長期の事業計画と対になる中・長期の収支計画の策定に向けての取り組みが期待される。
 施設の中・長期計画に基づき、単年度の事業計画が策定されている。事業計画には「組織の強化」、「財務・運営方針に関する組織の向上」、「財務の健全運営の保持と事業活動に有効に生かす財務の透明性の確保」、「職員の資質向上と人材マネジメント」、「子どもの権利擁護」、「自立支援に向けた取り組み」、「関係機関との連携、地域貢献」、「アフターケアの充実」、「第三者評価外部評価受審」、「施設整備」の10項目が設定され、実施計画としてまとめられている。実施計画ではそれぞれ項目で細目として具体的に取り組む内容が明示されている。
 しかし、単年度の事業計画・収支計画は策定されているものの、施設の中長期の事業計画と対になる中長期の収支計画は策定されておらず今後の策定への取り組みが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 特にありません。
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