社会的養護施設第三者評価結果 検索

サーフサイドセヴン茅ヶ崎ファーム

【1】第三者評価機関名 (特非)ニッポン・アクティブライフ・クラブ ナルク福祉調査センター
【2】種別 児童養護施設 定員 60名
施設長氏名 吉見 哲 所在地 神奈川県
URL http://ss7c.com/
【3】実施調査日 2014年09月13日~2015年02月13日
【4】総評 ◇施設概要
 社会福祉法人茅ヶ崎学園サーフサードセヴン茅ヶ崎ファームは、1959年 「虚弱児施設・茅ヶ崎学園」として設立、1998年児童養護施設へ種別変更 、 2005年には子ども12名の家庭舎養護を開始し、2006年、 新園舎竣工にあたり 名称を 「サーフサイドセヴン茅ヶ崎ファーム(緑が浜の長屋)」に変更しました。定員は60名で、「癒しのための巣づくり」をトータルテーマとし、個室3室と2人部屋、幼児室からなる「幼児から高校生までの子ども6人の家庭舎」 全10軒のユニット、家庭舎2軒の長屋に6名の職員で構成され、子どもと生活を共にしながら、緑に囲まれた ”普通の家”での、”普通の暮らし”を目指した養育支援にあたっています。

◇特に評価が高い点
 1.異年齢の子どもと職員が暮らす家庭舎で育む家庭的な暮らしの支援
 家庭舎の構成は、年齢や性別の違う6人の子どもが生活する家庭舎2件を長屋単位として職員6名が担当し、擬似きょうだい・家族として、大きな子は小さな子の面倒を見たり、小さい子は大きい子を手本とすることで、互いに助け合いいたわりあう関係の構築を支援しています。普通の家の時間の流れを取り入れ、職員は、子どもたちの遊ぶリビングダイニングで食事の支度や洗濯ものたたみをし、子どもたちと1日の出来事を話し合いながら一緒に食事をとったり幼児の部屋で添い寝するなど、子どもが安心し、安定できる場を提供しています。
 幼稚園に通わない幼児では、日中家庭舎の職員がほぼ1対1でかかわり、遊んだり買い物に行ったり、他の家庭舎の子どもと一緒に散歩に出かけるなど、愛着関係構築のためのきめ細かい支援を行っています。

2.子どもの意見要望を把握する仕組みと対応
 子どもからの意見・要望を聞くために、毎日の団欒での話し合いを最重点としていますが、それ以外に権利擁護委員会を定め、、毎月1回子どもたちに聞き取り調査を実施して、施設での暮らしや学校での生活、被害にあっていないか、周りで困っている子はいないかなどを聞いています。聞き取りには全職員がかかわり、聞き取る職員を定期的に変え、どの職員にも言いやすい環境を整えています。ここでの意見は集約され、関係する児童相談所の職員の参加も得て委員会を開催し、検討された内容を参考に施設の改善に努めています。子どもたちには、検討結果や改善点は、家庭舎単位で話し合いを持ってわかりやすく伝えています。

3.情報を共有して全職員で対応する子ども支援
 すべての職員が専門職としての自覚を持ち、子どもを全人的に把握することを目標に、職員間で協力し合い、助け合いながら子ども支援にあたっています。毎朝出勤職員全員でミーティングを行い、子どもの情報を共有するほか、週1回のキッチン会議では食に対して話し合い、家庭舎2件を単位とした長屋会議でケース検討、生活支援の振り返りを行い、子どもの情報を共有しています。家庭舎の職員が、子どものケースの把握から学校や通院などすべてにかかわることを基本としているため、一人で問題を抱え込まないために職員間で情報共有に努め、電子システムを利用しての共有もされ、互いに補い合う体制が整っています。

◇改善が求められる点
1.計画的な個別研修計画の策定
  施設として、職員に年2回の外部研修受講を義務付けたり新任研修や内部研修を行っていますが、個々の職員の援助技術の水準や専門資格の現状を見極め、職員一人一人の目標を明確にして個別研修計画を策定することが望まれます。また、研修終了後には分析・評価して、計画策定の見直しに生かすことが期待されます。

2.施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画の策定
 現在、年度ごとの事業計画は策定されていますが、中長期の目標を明確にした中長期計画は策定していません。運営理念の実現に向けて、職員体制や人材育成等の現状を分析した上で課題や問題点を抽出し、施設の将来像や目標を明確にした中長期計画の策定が望まれます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 自己評価については、全職員参加の下、日頃の営みを謙虚に振り返り作成しました。
 また、質問表に使用されている言葉が、我々の日常の感覚と合致しない事が多く、そのすり合わせ作業に多くの時間を割きました。
 評価事業当日の委員の方とのやり取りでは、我々の目指している養護姿勢と実際の取り組みについて、好意的に評価して下さったと感じています。
 評価結果に関しては、そのままを真摯に受け止めて、我々としては「癒しのための巣作り」をなお一層深めていきたいと思っています。
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