社会的養護施設第三者評価結果 検索

サーフサイドセヴン茅ヶ崎ファーム

【1】第三者評価機関名 (特非)ニッポン・アクティブライフ・クラブ ナルク福祉調査センター
評価調査者研修修了番号 SK15063
SK15024
SK15115


【2】種別 児童養護施設 定員 60名
施設長氏名 吉見 哲 所在地 神奈川県
URL http://ss7c.com
開設年月日 1959年12月03日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 茅ヶ崎学園
職員数 常勤職員 31名 非常勤職員 11名
専門職員 保育士 8名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 2軒長屋×5棟 1軒6名 1軒に 一人部屋×3 二人部屋×1 幼児室 1 長屋に1 (イ)設備等 1軒に キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、風呂 1、トイレ 2
(ウ) 事務室、会議室、面接室、親子宿泊室、ホール(地域にも開放)図書コーナー (エ) 工作室、プレイルーム、陶芸・木工等手工芸活動室
【3】理念・基本方針 【トータルテーマ】癒しのための巣づくり
 子どもたちにとって、茅ヶ崎ファームは「第2の我が家」「もう一つの家族」。本当の家族とは離れて暮らしていても「自分の領分」として、せめて「おれんち」「あたしんち」と呼べるような「家と暮らし」をつむぐ。安息と休息、そして暮らしそのものが癒しとなることを願う。

【サブテーマ】
①子ども6人の家庭舎……小さな暮らし
 幼児~18才まで男女混合の6人。年齢差、発達の差、星槎を目の当たりにする疑似的兄弟関係。同年齢のライヴァルの少ない状態。自分の環境が侵されにくい環境。“ともに暮らす”ことでケンカやいたわり、背伸びや甘えがごちゃ混ぜとなってこそ“ノーマルな感覚”が生まれる。
②緑をまとう暮らし
 すべての生き物は緑を目指す。緑のあるところ水ありエサがある。鳥や虫の喜ぶ場所であれば、必ずや子どもたちにとっても安らぎとなる。だから、茅ヶ崎ファームは緑をまとう。
【4】施設の特徴的な取組 ユニットケア推進のため、2006年に園舎を建て替えました。新園舎は、「おれんち」、「あたしんち」をキーワードとし、子ども6人の家庭舎を単位として全10軒にそれぞれ玄関を設け、子どもたちにとって、「第2の我が家」、「もうひとつの家族」とも言える「家と暮らし」に近づけたいという方針のもと、建築されました。
子ども一人一人に応じた個別支援計画のもと、職員は、家庭舎での「自分の領域が脅かされる心配の少ない小さな集団で年齢差のある仲間との共生から得られる秩序感や連帯感」が持てる暮らしの実現に向けて日々取り組んでいます。
定員は60名で、「癒しのための巣づくり」を理念とし、幼児から高校生までの6名が暮らす個室3室と2人部屋、幼児室からなる家庭舎、2軒の家庭舎を1軒長屋として、職員は、子どもと生活を共にしながら、緑に囲まれた ”普通の家”での”普通の暮らし”を目指した養育支援にあたっています。
【5】第三者評価の受審状況 2017年04月06日(契約日)~ 2017年11月01日(評価結果確定日)
受審回数 3回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設概要

社会福祉法人茅ヶ崎学園サーフサードセヴン茅ヶ崎ファームは、1959年 「虚弱児施設・茅ヶ崎学園」として設立されました。1998年に児童養護施設へ種別変更し、2006年に、ユニットケア推進のための新園舎竣工にあたり名称を「サーフサイドセヴン茅ヶ崎ファーム(緑が浜の長屋)」に変更しました。
新園舎は、「おれんち」、「あたしんち」をキーワードとし、子ども6人の家庭舎を単位として全10軒にそれぞれ玄関を設け、子どもたちにとって、「第2の我が家」、「もうひとつの家族」とも言える「家と暮らし」に近づけたいという方針のもと、建築されました。
子ども一人一人に応じた個別支援計画のもと、職員は、家庭舎での「自分の領域が脅かされる心配の少ない小さな集団で年齢差のある仲間との共生から得られる秩序感や連帯感」が持てる暮らしの実現に向けて日々取り組んでいます。
定員は60名で、「癒しのための巣づくり」を理念とし、幼児から高校生までの6名が暮らす個室3室と2人部屋、幼児室からなる家庭舎、2軒の家庭舎を1軒長屋として、職員は、子どもと生活を共にしながら、緑に囲まれた ”普通の家”での”普通の暮らし”を目指した養育支援にあたっています。

【優れていると思われる点】

1.子ども一人一人を尊重し、子ども6人の家庭舎での日々淡々とした「あたりまえの生活」を推進

サーフサードセヴン茅ヶ崎ファームは、理念の実現に向けて、普通の家の暮らしを提供できるように、家庭的な養育・支援を進めています。子どもたちは、幼児から18歳までの年齢の違う子ども6名の家庭舎と2つの家庭舎で構成される長屋を単位として5長屋で、「疑似きょうだい・家族」として、暮らしています。
日課といったしばりはなく、一人一人の子どもにあった過ごし方を支援しています。子どもたちが帰宅するときは、職員はリビングで洗濯ものをたたんだり夕飯の支度をしながら迎え、子どもは職員に夕食のメニューを聞いたり学校での出来事や困りごとを、日中施設内に残る幼児は、ほぼ職員と1対1で外遊びをしたり自転車に乗せてもらってスーパーに食材や日用品の買い物に行って過ごしています。夕食時には子どもたちと1日の出来事を話し合い、夜は職員が幼児に添い寝して川の字になって寝ています。
立て替え以来今年度で12年目を迎え、普通の家庭をめざした家庭舎での暮らしの中で、子どもたちを集団で纏めることなく、個々の子どもと向き合い、子どもが安心し、安定できる養育・支援を推進しています。

2.「外へ」を合言葉とし、地域の学習塾や習い事に積極的に参加

子どもたちが社会の一員であることを自覚できるように、社会との接点を増やすことを積極的に進めています。子どもたちは、一般家庭と同様に施設外での活動に参加しています。
習い事として、小学生は、サッカーやスイミング、ダンス、ピアノ、カブスカウト、中・高生は、部活動や空手など、それぞれの興味・関心が持てる活動を選んで参加しています。職員は練習の付添をしたり大会の応援に行っています。子どもたちは将来の夢を持ち、部活動や習い事に取り組んでいます。
小学校高学年から中学生は、ほぼ全員が、塾の特色を見極めたうえで、子どもに合った地域の学習塾へ通っています。
一人での外出や、職員やボランティアとの個別の外出、地域子ども会への参加、コンサートや家庭舎ごとの外泊行事などは、子どもの要望に応じて取り入れ、子どもが主体的に考えて参加できるように支援しています。

3.子どもの権利擁護や満足度把握に向けた子ども一人一人への聞き取りと関係機関との連携

日常生活の中で、職員が子ども一人一人と向き合いながら、子どもの気持ちを把握するように努め、子どもの要望や苦情、不適切事例の有無を聞き取っています。また、子どもに権利擁護をわかりやすく解説する、「生活ガイドライン(キミの権利と責任)」を作成し、子どもに説明しています。さらに、苦情解決委員会として「ちがさき・タグ・ボート」を設置しています。ちがさき・タグ・ボートは苦情解決責任者を施設長、苦情受付け担当者として3名の職員、権利擁護第三者機関職員3名を生活向上相談役とし、施設の暮らしに関する苦情の解決に向けての委員会として体制を整えています。
また、特別合同委員会「ちがさきダグボート+」を設置し、「子どもの安心と休息」を願い、月1回、子どもが生活する長屋以外の職員が、施設での暮らしや学校での生活、被害にあっていないか、周りで困っている子はいないか、ファームでの暮らしなどについて、子ども一人一人から聞き取りとアンケートを行っています。内部委員会を毎月、施設長、職員、児童相談所所員、必要に応じて学校や関係機関の構成による外部委員会を年4回開催し、把握した子どもの意見や苦情の分析、権利擁護に関する評価、振り返りを実施し、改善に繋げています。

【改善が必要と思われる点】

1.施設としての養育・支援を共有する更なる取組の強化

小舎制のもと、職員の育成は、基本は新任研修で学び、その後は家庭舎での日々の養育・支援の中で、中堅職員が新任職員へ実務を伝えるOJT を基本として取り組んでいます。子どもの状況は、毎朝の打ち合わせ会議で共有していますが、家庭舎・長屋を単位として独自性も保たれています。その結果、長屋ごとに特色があり、子どもからも家庭舎ごとの対応が違うとの声も上がるなど、支援方法に若干の温度差が伺えます。現在、施設長、長屋を代表する中堅職員(ボランチ)を中心に育成を行う体制がありますが、施設としての方針を全職員で再確認・共有する仕組みの強化が望まれます。

2.マニュアルの定期的評価と必要に応じた見直し

養育・支援の標準的実施方法である「養護の基本理念」ほか、各種マニュアルが整えられています。マニュアルは主に施設長が作成し、新任研修で先輩職員が指導する際に読み返すなどにより検証しています。マニュアルについて、職員は、気が付いたことは、毎日の打ち合せ会議などで意見を伝え、施設長の意見も聞いて、必要時見直しています。しかし、検証手順や見直しの時期等が明確になっていないこともあり、現在の手順とマニュアルの内容が異なる状況がみられました。最近では「受け入れチェック表」の一部が改訂されましたが、職員で各マニュアルを再確認するなど、全マニュアルの定期的見直しが期待されます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 自己評価をしていく中で、私たちが大切にしていることを改めて認識することができました。質問内容が、茅ヶ崎ファームの理念や運営にそぐわないものがありましたが、聞き取り作業の中で私たちの取り組みをお伝えし、理解して頂いたように感じます。評価結果に関しては真摯に受け止めていきたいと思います。
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