【4】総評 |
【特に評価が高い点】
①設立当初よりの本園各棟における少人数グループケアの実践と地域小規模児童養護施設・ファミリーホームの開設など着実に小規模化と分散化が進められている。これらに伴う「情報の共有化をはじめとする内部統制」・「養育の実践力を主とした職員の育成」に対して先進・継続して行われてきた牽引力は特筆に値することであり、運営の範としてとらえることができる。
②支援の本流を捉え、養育の実践に対して泰然とした流れがつくられている。園内カンファレンスの回数の増加・職員と子どもに対して体系的な計画が立てられた性教育への取り組み・活字で大きく扱われないような地道な地域支援などがなされている。目指す職員像についても同様であり、子どもの成長にとってより必要な人材の育成に取り組んでいる。
③子どもの成長と子どもたちが持つ権利についても生活の中でその指導が実践されている。ただ禁止するだけでなく話し合いながらネットショッピングの実現を図ったり、子どもの苦情に対しても公平に配慮した聴取をしたり、縦割り制の中で共生の意識を醸成したりと子どもたちの経験を見守り子どもたち自身を受け止める姿勢が貫かれている。
【改善を要する点】
今後の展望や改善については、短期的なものと将来的なものとそれぞれ優先と実効性の認識がなされています。
短期的な目標としては、①子どもたちが自主的に話し合うことができる場として「子ども会」の設置、②学習ボランティアや行事ボランティアの利用の充実、③文書類の整理:文書保存規程の設置・入所時の説明用資料の充実・独自の権利ノートの作成などが挙げられています。
将来的に継続的な目標としては、①児童家庭支援センターの設置・アフターケアの充実・里親支援を含めた多機能的な支援の拡充、②棟での直接調理、③職員が積極的に提案や話し合いができ、互いに高め合う風土づくりが挙げられています。
施設のもつ実践力・先進力をもって継続して取り組んでいかれることが期待され、環境や状況を把握され泰然と着実に実現されていことが予想されます。 |