社会的養護施設第三者評価結果 検索

天使の園

【1】第三者評価機関名 (特非)北海道児童福祉施設サービス評価機関
評価調査者研修修了番号 SK2021013
SK2021010
S2021002


【2】種別 児童養護施設 定員 42名
施設長氏名 畠山 祐志 所在地 北海道
URL https://www.tenshiangel-kids.jp/
開設年月日 1923年03月20日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 聖母会
職員数 常勤職員 35名 非常勤職員 8名
有資格職員 社会福祉士 6名 保育士 11名
公認心理士 1名 臨床心理士 1名
管理栄養士 1名 栄養士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 完全ユニット型で6棟のグループケア 個室23室、2人部屋6室、3人部屋2室 (イ)設備等 体育館、母子訓練室、心理療法室、研修室、会議室、クラブ室(習字、学習室)、和室(茶道)、音楽室(ピアノ教室)、実習生室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 聖母会基本理念:「愛と真理に基づき最も困っている人々に手を差し伸べる。」  
聖母会基本方針:利用者本人を尊重し、個々のあるべき人生の支援に努める。地域関係機関と連携し、地域福祉の向上に努める。法人の理念に基づき、質の高い職員を育成する。                                                  天使の園基本方針:「私が愛したようにあなた方も互いに愛し合いなさい。」のキリストの精神に基づき、心と身体をつくる。個別の自立支援計画を基に、直接支援の充実を図る。子どもの権利擁護を基本とし、信頼関係を作り、家庭支援プログラムを作る。児童養護施設天使の園は援助を必要としている子ども一人ひとりに福祉活動を行ってきた創設の精神を保持し、時代の変革の中で社会のニーズに応じてその使命を果たす。
【4】施設の特徴的な取組 建物の枠にとらわれず、個別支援を目指して設備・体制を整えて、柔軟に対応出来るように努めております。その上で児童の状況に応じてライフストーリーワークにも取り組み、新任職員には年間を通した研修カリキュラムを導入しています。
 また、地域支援として里親支援専門相談員の配置や児童家庭支援センターを併設し、地域に貢献できるような取組みも行っています。
【5】第三者評価の受審状況 2023年07月26日(契約日)~ 2024年05月09日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
1.子どもの意見やニーズ等を把握する研修と体制作り
 子どもの権利条約や改正児童福祉法(2016)により、日本の社会的養護は「子どもが権利の主体であること」「子どもの最善の利益が優先して考慮されること」「施設養護よりも家庭養護を優先すること」を原則にした、社会的養護のグローバルスタンダードを目指し、制度改革の舵を切ったところである。天使の園においてもこの3原則を追求する実践として、子ども自身が自らの生活を主体的に考え、営むことができる支援を模索している。本園では、その取組の一環として、子どもの意見やニーズ等の把握方法の探求に焦点をあて、子どもとの定期的な面談等を積極的に進めている。また、そのための知識や技術の向上を目指した研修を、施設内で体制を作り取り組んでいる。

2.子ども一人一人のことを大切にする実践の実施
 ライフストーリーワークを実践することで、子どもの生い立ちを子どもと一緒に考えるきかっけになっている。この取組は、子どもにとって大切なことであり、子ども自身のアイデンティティ形成に必要な実践である。また、子どもの退所後を考えて調理実習の機会を作ったり、自活をしていくために必要なスキルの定着ができるように施設設備を利用しながら取り組んでいる。

3.運営の透明性の確保
 ホームページが開設され、施設の理念、子どもの生活の様子、事業計画、事業報告、財務情報、第三者評価の受審結果等が公開されている。また、地域の関係機関に施設パンフレットや年5回発行の広報誌「天使の園だより」を配布している。天使の園ではホームページを活用し、施設の事業や財務等に関する情報について、適切に公開し、運営の透明性を確保するための取組を積極的に行っている。

◇改善を求められる点
1.実践体制の明確化とマニュアルの整備
 養育に関する姿勢や考え方等は養生されているものの、文章化されたマニュアル等の整備が不十分であり、職員間での共通認識とその確認の効率化を図るためにも整備が望まれる。実践内容を記録する意識があることから、必要な部分から実施されるのを期待したい。

2.職員間の情報共有の充実
 子どもの情報など基本的なことはイントラネット(アイリス)で共有しているため、即時確認が可能になっているが、それぞれの職種の業務内容について記載されているものはあるものの、曖昧になって理解されている部分があるため、それぞれの役割・業務内容がすぐに確認できるように整備できるように確認できるように整備されることが期待される。

3.中・長期の事業計画の策定
 仮の「中・長期の事業計画」として目標が作成されているが、「中・長期の収支計画」が策定されていない。 また、北海道の社会的養育推進計画等を考慮した、施設の単年度の事業計画、地域特性に応じたニーズの把握、社会的動向や利用者層の変化などを踏まえながら、中・長期的なビジョンを持つことが必要とされている。これらを総合的に取り入れた中・長期計画の作成が望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 評価して頂いたことで、改めて当施設の強みと課題が可視化され、整理することが出来ました。改善点としてご指摘頂いた内容については、より良い施設運営のために、改善策を検討して参ります。また、高く評価いただいた内容についても、現状に満足することなく、さらに充実させられるように努めます。
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