【1】第三者評価機関名 | (特非)北海道児童福祉施設サービス評価機関 |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | SK15003 S16001 S16002 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 80名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 倉知 香美 | 所在地 | 北海道 | |
URL | http://www.seibokaihonbu.jp/ | |||
開設年月日 | 1923年03月20日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人聖母会 | |
職員数 | 常勤職員 | 33名 | 非常勤職員 | 7名 |
専門職員 | 社会福祉士 | 5名 | 保育士 | 10名 |
---|---|---|---|---|
心理士 | 1名 | 栄養士 | 2名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 65室 | (イ)設備等 | 心理療法室、医務室、研修室・会議室 |
---|---|---|---|---|
(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 理念:「愛と真理に基づき 最も困っている人々に 手を差し伸べる。」 基本方針: 「私が愛したようにあなた方も互いに愛し合いなさい」のキリストの精神に基づき、心と身体をつくる。 個別の自立支援計画を基に、直接支援の充実を図る。 子どもの権利擁護を基本とし、信頼関係を作り、家庭支援プログラムをつくる。 児童養護施設天使の園は援助を必要としている子ども一人ひとりに福祉活動を行ってきた創設の精神を保持し、時代の変革の中で社会のニーズに応じてその使命を果たす。 |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | 建物の枠にとらわれず、個別支援を目指し柔軟に対応するべく、設備・体制を整えることに努めております。また、児童家庭支援センターの今後の重要性も鑑み、配置継続しております。 | |||
【5】第三者評価の受審状況 | 2017年10月01日(契約日)~ 2018年03月31日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成26年度 | |
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 1.子どもの主体性や自律性を尊重する姿勢 日々の生活全般において、できるだけ子どもの意向や意見を反映させるよう、子ども会例会での話し合いなどを積極的に行い、必要な改善に取り組んでいる。また、子ども会の運営も子どもたち自身が行えるようサポートしている。地域の行事への参加なども、強制はせず、子どもの意向に沿って行動できるよう支援している。 2.子どもの安全確保の取組み 設備部という独立した部署を設けて、建物内外の点検、設備備品の管理や整備、消防計画の作成から防災関係の備品・食料品の備蓄・管理など、あらゆる面から子どもの安全を守るための体制を整備している。 3.自己領域の確保 個人所有は子どもの自己形成にとって重要である。幼児の頃からお茶碗や箸は個人所有とし、子どもが自分の好みのものを選択し購入している。また、歯磨き粉やシャンプーなど子どもの好みがある日用品についても、年間の上限金額内で好みに応じて選択できる仕組みを作っている。 4.学力に応じた学習支援 施設が伝統的に取り組んでいる、個別学習支援システムを活用し、基礎学力の回復に努める支援が実施されている。また、週1回中学生を対象として、退職した校長職による学習ボランティアによる学習支援が実施されている。 また、地域のボランティアによる書道や、学校の授業で描いた絵画などを施設内に掲示し、子どもが褒められる機会を多く持つことで、子どもの自己肯定感の回復に努めている。 5.施設長のリーダーシップ 施設長は社会福祉法人聖母会の理念と方針を基に、援助を必要としている子ども一人ひとり大切に見守り、支援の充実をはかることを目指して、多くの研修に参加するなど自己研鑽に励み強いリーダーシップを持って組織運営、適正な事業執行に努めている。また、自らの実践経験をもとに養育・支援に係わる助言と指導に強いリーダーシップを発揮されている。 ◇改善を求められる点 1.望まれる中・長期の事業計画の策定 施設運営の根幹をなす中・長期の事業計画と中・長期の収支計画が未策定であり羅針盤を持たない航海となっている。単年度事業計画は作成されているものの、平成26年度以降の中・長期計画がない状況である。中・長期計画の作成とともに、作成された計画は職員に配布し周知されることを望みたい。 2.養育・支援の質の充実 標準的実施方法の策定やアセスメントに基づく自立支援計画の策定等は、実施方法としては不十分であることから、共通評価基準のⅢ‐2‐(1)、(2)の趣旨・解説を参考に整備し、より一層の養育・支援の質の向上を目指されることを期待したい。 3.行動上の問題に対する支援方針の明確化 入所している子どもの多くは、その生育歴より、人間不信を抱えていることがあり、人との関係を築いていくことに困難を抱えていることもある。安心安全な養育環境から、抱え込んでいた感情を暴力という形で職員や他の子どもに表出することも考えられる。暴力やパニック、自傷他害行為、不適切な行動をとる子どもに対し、本人だけではなく、周囲の子どもの安全を守るためにも、どのように対応を行うのか、どのような行為の場合にタイムアウトを行うのかについて、全職員で統一できるよう、支援方法の構造化を行うことが必要である。また、職員の対応については、事前に子ども全員に伝え、相互に理解しておくことが望まれる。 4.人事考課とスーパービジョン体制の構築 人の集まる組織には人の出入りの動きが伴い、人材の確保と安定した技術水準の維持は容易ではなく、福祉職場も例外では無い。常にモチベーションの高い人材の確保と維持には様々な工夫が必要であり、職員個々のキャリアアップを考えた人事考課もその一つである。人材の確保に困難があり、多様な問題を抱えた子どもの増加に伴う職員の疲弊が高い現状にあって、人事管理の基本的な考え方の整理を行い、スーパービジョンとメンタルヘルスケアも考慮した人材育成に重点を置いた取組みに期待したい。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 取り組みや現状を客観的に評価して頂いたことにより、問題・課題が可視化されより明確に目標が立てられるようになりました。 中・長期計画の策定を喫緊の課題とし取り組んでいきたいと思います。 |