社会的養護施設第三者評価結果 検索

若葉学園

【1】第三者評価機関名 (公社)鹿児島県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK18293
S2019067



【2】種別 児童養護施設 定員 暫定82名
施設長氏名 徳永 千早 所在地 鹿児島県
URL https://wakabagakuen.com
開設年月日 1951年02月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人鹿児島県社会福祉事業団
職員数 常勤職員 36名 非常勤職員 9名
有資格職員 社会福祉士 6名 保育士 14名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 男子棟20室、女子棟20室、乳児棟2室 (イ)設備等 相談室、調理室、医務室、静養室、面談室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 ○一人ひとりのおもいを大切にします
 私たちは、利用者や地域のみなさん一人ひとりの、それぞれのおもいを大切にしていきます。
○みなに笑顔を届けます
 私たちは、みなさんすべてに、心からの笑顔が生まれるよう努めていきます。
○地域のくらしを守ります
私たちは、地域のみなさんの、自分らしく、生きがいのあるくらしを支えていきます。
【運営方針】
○養護理念
 子どもたち、一人ひとりの人権を擁護し、子どもが将来、一人の社会人として生き抜いていくための力と、望ましい人間形成の育成が図られるよう適切な自立支援を行い、子育て支援の専門機関としての社会的責任を果たしていきます。
 ○養護基本方針
  1 受容と語り込みを基本とし、充実した楽しい学園づくりに努めます。
  2 健康と安全の確保に留意し、体位、体力の向上に努めます。
  3 子どもの個々の発達に応じた社会生活技術力が獲得できるよう支援します。
  4 将来の進路選択の幅が広がるよう、学習環境づくりに努めます。
【4】施設の特徴的な取組 ①小学校と月1回、中学校と週1回の連絡会を定期的に実施し、相互に情報交換を行い支援の必要な児童について協議の上、個々に支援している。
②中学生は学習塾に通う対象となっている。学習についていけない児童や塾での対応が困難な児童については、個別で家庭教師をお願いしている。
③個々の支援の充実を図るため、発達に課題のある児童は、児童相談所、市町村、医療機関等と連携を図り、障害児通所支援の利用を行い療育支援の充実を図っている。
④家庭支援専門相談員を2名配置し、家庭調整を必要とする児童について面談や家庭訪問を実施し、親子の再統合に向けて積極的に取り組んでいる。
⑤子育て短期支援事業や、一時保護児童の受け入れを積極的に行うとともに、地域子育て支援に努めている。
⑥心理士2名を配置し、プレイセラピーやカウンリングを実施し、児童の心のケアに努めている。また、男性、女性の心理士をそれぞれ配置することで、性的な問題を抱える児童に対して支援の充実に努めている。
⑦職業指導員を配置し、高校生の進路指導及び退所者の職業指導をしている。
⑧女子棟の片方のユニットを利用して小規模グループケアを実施している。
⑨地域の子育て支援の一環として、園内で子育て講座を開催している。
⑩里親支援専門員を配置し里親サロンの実施やレスパイトケアの受入、里親制度の広報活動を実施している。
【5】第三者評価の受審状況 2019年12月01日(契約日)~ 2020年04月13日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評  ◇特に評価の高い点
・社会福祉法人鹿児島県社会福祉事業団は、鹿児島県内の社会福祉事業者の中で福祉サービス第三者評価事業を最初に受審するなど率先して取り組まれており、当施設も定期的に第三者評価を受審、自己評価を取り入れることで施設運営の全体にわたって、福祉施設に必要とされる条件の整備に努めていることが高く評価されます。
・法人の「基本理念」及び「職員倫理綱領」は、職員等の行動規範として具体的な指針となっており、施設の養護理念、養護基本方針と合わせて、個人の尊厳や人権の擁護、権利の尊重に関わる姿勢が明示されています。
・法人の中期計画である「鹿児島県社会福祉事業団経営計画2019」では、「利用者満足」「職員満足」「経営満足」「地域満足」の四者満足の実現を図ることとしており、基本理念や経営理念、経営方針が明確に示されており、その実現に向けた実効性のある取組方針が具体的に記載され、的確な進捗管理が行われています。
・「若葉学園養育・支援の基本マニュアル」に子どもを尊重した養育・支援の実施についての基本姿勢が明示され、子どもの尊重や基本的人権への配慮についての職場内研修や人権擁護チェックリスト等による、理解し実践するための取組が行われています。
・全児童に暴力聞き取り調査を毎月実施し、聞き取りをする職員をそのつど代えるなど児童が真実を話しやすいように配慮しており、子ども間の暴力、いじめが生じた時は、施設全体で調査点検、対応の検討を迅速に行うこととし、問題克服に向けた適切な取組がみられます。
・子どもに対して過干渉にならず、つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に問題を解決していくように職員が柔軟に支援しています
・就職、進学で退所する子どもの自立訓練指導を計画的に実施し、入所中に日常生活管理の体験訓練を通して、側面からの自立促進を図る取組を行っています。
・子どもの生い立ちについて、真実告知を慎重、丁寧に行っており、また子どもの成長記録を日頃から収集・整理し、退所時にアルバムとして本人に渡しています。

・令和2年度から「鹿児島県社会福祉事業団人材育成計画」による総合的な人材管理・育成制度が本格的に導入されることとなっており、効果的な目標管理、人材育成が行われ、職員がやりがいと希望をもって働けるさらなる魅力ある職場づくりが達成されることを期待します。

◇改善を求められる点
・法人の基本理念、施設の養護方針及び施設の事業計画等について、子どもや保護者等に周知し、理解を促すための取組は、施設が行っている養育・支援の意図が理解されるために必要なことです。事業計画等について、子どもに関わる主な内容を簡潔にまとめるなどの工夫をし、子ども自治会(チャイルドクラブ)や保護者会等の機会をとらえての説明や広報誌等での周知が望まれます。
・施設退所後のアフターケアは子どもの安定、安心した生活に欠かせません。退所後の支援内容について明文化したマニュアルを作成し、退所して自立する子どもや保護者等への周知に努めるなど今後の取組が期待されます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回、4回目の第三者評価を受審し、当施設の施設運営の質について、専門的かつ客観的な立場から評価をいただきました。
 今回の受審は、平成28年の児童福祉法等の一部改正で、子どもが権利の主体であることが位置付けられて、2回目の第三者評価となり、当施設において、入所児童主体の質の高いサービス提供と社会的養護を担う専門機関として地域に開かれた施設運営を行う上での専門的かつ客観的な施設運営の指標となりました。
 今回の評価結果を踏まえて、今後も社会的養護の担い手として、各関係機関と協力し、子どもや子どもの家族の方等への最善の支援はどうあるべきかを常に問いながら、できる限り良好な家庭的環境を提供できる施設運営を目指して努力していきたいと思います。
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