社会的養護施設第三者評価結果 検索

札幌育児園

【1】第三者評価機関名 サード・アイ(合)
評価調査者研修修了番号 SK15002
S24289
S24515


【2】種別 児童養護施設 定員 80名
施設長氏名 千葉 徹 所在地 北海道
URL
開設年月日 1906年01月15日 経営法人・設置主体 社会福祉法人札幌育児園
職員数 常勤職員 34名 非常勤職員 0名
専門職員 社会福祉士 9名 保育士 12名
栄養士 3名 臨床心理士 1名
調理師 4名
施設設備の概要 (ア)居室数 29居室  (イ)設備等 食堂、体育館、フリースペース、ショートスティ個室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 理念:子どもの人権を擁護し、子どもの最善の利益を追求する。基本方針:①子どもの生きる権利、生活する権利、発達する権利、教育を受ける権利を保障し、子どもの自立支援を行うこと。②家族の再統合に向け、親子関係の調整や、家庭環境の改善など家庭環境調整を行うこと。③子育て家庭が持つ子どもの福祉に関する問題について解決への支援を行うこと。
【4】施設の特徴的な取組 子どもの権利擁護。児童自立支援基金。
【5】第三者評価の受審状況 2016年07月14日(契約日)~ 2017年05月13日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 <評価が高い点>
1 「心理的ケアの必要性が共有されている」
 施設は、常勤の臨床心理士を配置して、心理療法室を設置し、心理的支援が必要な子どもには心理プログラムを策定しています。職員は、支援の場面で臨床心理士から日常的に相談・助言を受けられる体制にあり、臨床心理士からのスーパーバイズを活かして、職員の力量の向上を目指す仕組みともなっています。心理記録は自立支援計画に反映させ見直しをしています。また、医療機関との関係では、個人情報等で連携が難しい場面でも、臨床心理士を介して連絡や情報の共有がスムーズとなっています。さらに施設では、月に2度、嘱託児童精神科医が診察をしています。医師は、診察場面のみならず子どもとともに外出する機会を持ち子どもの把握をして、職員と情報の共有をしています。
 このように施設は、心理的支援の目的を共有し職員が子どもへの理解を深めることが出来るように、臨床心理士に加えて、児童精神科医から助言を受けられる体制を作っています。

2 「地域との交流と貢献」
 施設では、町内会担当職員を配置し町内会費の負担や町内会行事への参加を通して、町内会とは良好な協力体制が出来ています。近隣の子どもに対しても、実質的な地域のトワイライト機能(子どもの居場所)を果たしています。さらに、2週に1度、地域包括支援センターや行政と共同で計画して開催する「高齢者サロン」に場を提供し、グランドや体育館は、近隣の福祉施設や自衛隊、町内会等に無料で開放しています。
 また、積極的にボランティアの受け入れ態勢を整えています。札幌市スタディメイト派遣(学習ボランティア)事業に参加し、毎月の理髪ボランティアの来園もあります。幼児へは里親ボランティアが定期的な訪問があり、毎年の園祭には、多数のボランティアが参加しています。
 企業からは、継続的な招待行事として、スポーツ、コンサート、映画等、多様な外出の機会が提供されています。企業ボランティア団体会員と子どもとの同行外出もあります。
このように、施設が長年にわたり、地域との交流を深め、地域に貢献をし続けている背景により、毎年多くの寄付金が寄せられています。施設では現時点で災害時の避難場所としての指定はありませんが、近隣住民の高齢化が進む中、災害時における将来的な施設の役割を意識しています。

<改善が求められる点>
1 「職員一人ひとりの育成について」
 「施設では、「職員の心得」で「期待する職員像」を表し、日課の標準化のためにケアマニュアルを作成して、職員がするべき動きを明確にしています。また、新人研修として一定のメニューがあり、個々のレベルに応じて0JTを取り入れています。毎週水曜日には全体会議を開き、厨房や栄養士、事務職員など間接支援職員も参加しています。外部研修と内部研修を組み合わせ、全体会議の後では、各担当別にケース検討会議を開くなど、個々の職員が一人で課題を抱え込まないように、管理職が支持的・援助的な姿勢で助言を行っています。また、個々の職員には研修履歴があり、教育・研修の機会は確保されています。
 但し、職員一人ひとりの育成のための目標項目や水準を明確にした取り組みとまではいえません。さらに個々の職員の研修内容の理解・成果の確認と、評価・分析・見直しという点についても、明確とはいえません。施設は、職員一人ひとりの育成の重要性を強く認識しており、若年職員の定着のためにも、今後の取組に期待します。

2 「被措置児童等虐待の届出・通告の整備」
 「児童の権利擁護の取組」を作成し、第三者委員による聞き取りや、施設内部での倫理委員による子どもへの聞き取りも定期的に行われ、虐待防止に取り組んでいます。被措置児童等虐待対応ガイドラインを配布しています。
 但し、施設が職員研修用に作成した「被措置児童等に対する虐待への対応の流れ」のフロー図には、子どもが自ら直接、関係機関に届け出ができることや、施設職員等が直接関係機関に通告出来ること、通告に守秘義務が課されないこと等の明記がありません。
 早急に整備することが望まれます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 評価を受け課題が明らかになりました。今後は課題を考察し、サービスの質の向上を図っていきたいと思います。丁寧に評価をしていただきありがとうございました。
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