【1】第三者評価機関名 | (特非)環境・福祉事業評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK15092 S25009 S15035 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 45名 | |
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施設長氏名 | 橋詰 邦男 | 所在地 | 長野県 | |
URL | http://w1.avis.ne.jp/~keiai/ | |||
開設年月日 | 1947年03月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 八葉会 | |
職員数 | 常勤職員 | 29名 | 非常勤職員 | 4名 |
専門職員 | 保育士 | 7名 | 看護師 | 1名 |
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心理士 | 1名 | 管理栄養士 | 3名 | |
教員免許状取者 | 3名 | 社会福祉士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 20室(41名)(内1室ユニット) | (イ)設備等 | 多目的ホール |
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(ウ) | 地域交流室・心理室 | (エ) | 里親支援総合相談センター | |
【3】理念・基本方針 | ◆理念 人間に生まれることは、大いなる歓喜なり ◆基本方針 (1)子どもの「最善の利益」を追求する観点から、子どもの権利擁護に努める。 (2)「家庭的養護」推進の重要かつ本来的な目的は、「ケアの個別化」であるという観点から、家庭的養護の推進を図る。 (3)短期・中期・長期目標により、社会的養護の推進に寄与するとともに、平成29年度の移転開設を「ケアの個別化」に重きを置いたものとして円滑に実現させるべく、徹底した準備と推進に努めます。 (4)養育と支援の一貫性・継続性・連続性を子どもに保障する観点から職員研修に重きを置き、研修成果の共有化により組織全体の専門性の向上を図る。 (5)「永きに亘り勤められる職場の風土づくり」が文化として根付くよう、「職員の個性の多様性」を強み(ストレングス)として捉え、職種を越えた相補的な関係性を肝要します。 (6)地域の多様なニーズに応えうる児童養護施設の機能をさらに強化し、虐待の予防や子育て支援の役割を担う他、ショートステイ事業の充実に寄与する。 (7)地域への貢献は枠にとらわれない公益的な活動への実践に努める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ・若い年齢層の職員が多数在籍していることを強みとして捉えているため、従来の旧態依然とした福祉像にとらわれない多様で闊達な意見交換がなされやすいことが特徴的と言える。トップダウンではなくボトムアップ的な提案が採用されやすい風土が築かれつつある。また職員組織については常勤の看護師の他、(管理栄養士含む)栄養士が5名在籍しており、養育において健康管理・食育等の多角的なアプローチを試みることが可能な体制となっている。 ・平成27年度より開設された「けいあい里親支援総合相談センター(以下:センター)」では里親支援専門相談員が里親の支援・開拓・啓発に努めている。また、センターと本体施設との連携が密になされているため、里親研修やレスパイトケア等の取り組みを積極に行なうことが可能となっている。こうした活動を通じて職員は里親への理解を深めつつあり、「社会的養護」と「家庭養護」が手を取り合う相補的な関係を築くための基底づくりが始まっている。 ・家庭的養護推進を具現化するため、平成29年度千曲市稲荷山地籍において「新施設」への移転を計画している。 ・職員研修や視察に力を入れており、研修担当職員が研修計画に基づいて研修を進めるほか、各職員が希望する研修や視察には可能な限り参加が出来るよう配慮している。また、視察をご縁とした県外の優良施設との繋がりから、平成28年度中に4名の職員の交流研修を計画しており、双方の施設の研鑚が図られるよう努めている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2016年05月25日(契約日)~ 2017年02月07日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 2回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【特に評価の高い点】 (1)里親の積極的推進 けいあい里親支援総合相談センターを開設し、里親支援専門相談員を配置し、「長野県家庭的養護推進計画」に沿い、先駆的に里親ファミリー委託推進の広報啓発活動や里親家庭への訪問支援等を積極的に行っている。 (2)2、施設移転に組織一体で取組 平成29年度千曲市稲荷山地籍への「新施設」の建設という大事業に対し、「家庭的養護推進15ヵ年計画」を策定し、法人の理念や長野県の策定した「家庭的養護推進計画」に沿って、小規模化・本体施設の分散、地域支援の取り組みを積極的に推進している。また、新しい施設での運営について、小委員会を設け職員が積極的に参加して組織全体で検討しており、「職員の個性の多様性」と一体感が感じられる。 (3)職員の育成と働きやすい職場環境に努力 年齢層の若い職員が多いが、管理層と職員のコミュニケーションを良くし、風通しの良い運営を心がけている。積極的に職員研修や視察を実施している。また女性職員が長く働き続けられるようワークバランスに配慮した働きやすい環境を作り出そうと努力している。 【改善を求められる点】 (1)管理文書の整備 文書と記録の整備については「備え付け帳簿の種類と保存期間」に定められている。しかし、文書に承認責任者、保管場所、識別方法等については明示されていない。文書管理規定を整備され、また文書と記録の管理方法を区分されることを推奨する。小委員会ではマニュアル、規定等が作成し改訂している。これらのマニュアル等についても合わせ管理されることを推奨する。 (2)第三者委員の活用 第三者委員については、玄関に掲示され、苦情等の相談先について周知されている。また、毎年定期的に年度末には、一年の児童に関する事例や要望、事故報告経過について説明され、意見等を参考にされている。第三者評価の利用者調査の結果からは、児童の様々な感謝や困り事の情報の意見や要望が出されている。第三者評価のない年度についてもアンケートを実施され、開封しないで第三者委員に直接閲覧してもらう等の仕組みを検討されることを期待する。 (3)人事考課等について 職員の給与制度については、整備されている。人事考課等については生涯の賃金カーブや退職金、給与等級の摘要の基準と評価制度について丁寧な周知を望む。個人目標の設定や個人面談によるアドバイス等、定期的な仕組みの構築を希望する。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 私たちは、社会的養護の推進を図るために、平成29年度より、千曲市稲荷山地区に移転新築し、小規模グループケアのもと家庭的養護を実践していきます。これに伴い、今回の第三者評価の受審は、「新施設」の開設に向けて、今現在の恵愛学園の利点と欠点を評価して貰い、評価して貰った内容を真摯に受け止め、新しいスタートに繋げるという気持ちで受審しました。 評価内容の「特徴的な取組」や「評価の高い点」の評価は、施設が取り組んできた結果に結び付いていると実感したと共に、職員全体の確かな自信に繋がりました。また、「改善を求められる点」では、評価内容を職員全体で受け止め、「より良い施設機能と施設運営」を図るために施設として、更なる向上を目指して意識的に取り組んでいかなければならないと実感しました。 今回の第三者評価を実施して頂いた評価機関に感謝すると同時に、第三者評価で挙がった課題を組織として改善し、恵愛学園の「養育」、「食育」、「健康管理」の三本柱に活かして「子どもの養育の質の向上」に反映していきたいと思っております。また、「子どもの最善の利益」を実現していくために、日々、自己研鑽を行っていき、職員全体で良質な養育が実践・提供できる様にしていきたいと思っております。 |