社会的養護施設第三者評価結果 検索

地行園

【1】第三者評価機関名 (特非)群馬社会福祉評価機構
評価調査者研修修了番号 SK15029
S15014
S16010


【2】種別 児童養護施設 定員 64名
施設長氏名 須田 昭司 所在地 群馬県
URL http://airinsha.com/chikouen/
開設年月日 1892年06月30日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 上毛愛隣社
職員数 常勤職員 32名 非常勤職員 12名
専門職員 児童指導員 11名 保育士 14名
看護師 1名 栄養士 1名
調理師 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 児童棟:児童居室15室(うち7室個室)、幼児室ユニット・管理棟:児童居室5室(うち4室個室)×3ユニット (イ)設備等 児童棟:学習室、保健室、静養室、セラピー室、ユニット・管理棟:セラピー室、自立訓練室、親子面会室、多目的ホール、洗濯室、食堂
(ウ) 地域小規模施設2 (エ)
【3】理念・基本方針 (1)理念
愛情・・「隣人を愛すべし」との神の声に従った創立者の精神を受け継ぎ、豊かな愛情を持って利用者と地域社会に貢献する。
奉仕・・利用者と地域社会の人々の心身共に健やかな生活を願い、よりよい福祉サービスを提供する。
信頼・・地域社会に奉仕する心を忘れず、信頼関係を築きあげることに努力する。

(2)基本方針
家庭的養護の推進を通して、子どもの理解と受容、信頼関係を大切にしながら、子どもの自己実現と自立を図る養育を行う。
(1)健康な心と身体を持つ人に育てる
(2)愛情豊かな心を持つ人に育てる
(3)英知にすぐれた人に育てる
(4)努力し、自立する人に育てる
(5)規制と調和のとれる人に育てる
【4】施設の特徴的な取組 ・積極的に外部研修へ参加し、資質の向上を図っている。
・子ども達の安心・安全な生活を守るよう、環境整備に力を入れている。
【5】第三者評価の受審状況 2016年11月02日(契約日)~ 2017年03月24日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 ◆特に評価の高い点

○Ⅰ-2 経営状況の把握
・経営状況を把握するため財務活動分析を行い、安全性や収益性の確認を実施している。

○Ⅰ-4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
・第三者評価基準に基づく自己評価の結果に基づき「取り組むべき課題について」という文書を作成し、課題を明確にしている。

○Ⅱ-1 施設長の責任とリーダーシップ
・施設長が職員に対して自らの役割と責任について周知を図り、遵守すべき法令等を理解するための取り組みに努めている。
・職員に対して積極的な研修参加を推奨しており、自らも研修に参加し自己研鑽に励んでいる。

○Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
・実習生に対する受け入れ体制を整えており、保育士資格や社会福祉士資格に応じた実習プログラムが策定されている。

○Ⅲ-1 子ども本位の養育・支援
・毎年、利用者アンケートを実施し、子どもの満足を把握するよう努めている。
・苦情解決、相談対応の仕組みが整備されており、子どもや保護者も実際に活用しており、適切に機能している。

○A-1 子ども本位の養育・支援
・朝会で子どもの養育支援に関する情報や方向性などが日々詳細に共有され、午後の引継ぎにおいても朝会の内容が漏れなく周知されている。
・小学生新聞、中学生新聞、一般各紙を取り揃え、子どもがいつでも閲覧できる。図書・学習環境も整備され充実している。

○A-2 養育・支援の質の確保
・生活環境がきれいに整美されている。子どもが育つ生活環境の美化に特に力を入れて取り組んでいる。
・業務用洗濯機のほか、家庭サイズの洗濯機を男女別に設置し、子ども自身の衣習慣の習得とともに、性差にも配慮されている。
・看護師が常勤配置され、健康管理や病児看護など現場スタッフと有機的に連携し、質の向上に寄与している。特に服薬管理(処方薬に記名、与薬管理表の使用)が徹底され、必要に応じて適宜通院対応も行われている。感染症に対する周知や注意喚起が図られるなど、実際に機能している。


◆改善を求められる点

○Ⅰ-3 事業計画の策定
・中・長期の収支計画が策定され、これに基づき単年度の収支計画が策定されることが望まれる。
・事業計画を子どもや保護者等に周知し、内容の理解を促す取り組みを実施することが望まれる。

○Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
・福祉人材を計画的に確保するための具体的な計画の策定を期待したい。
・職員一人ひとりの目標管理体制の構築を期待したい。
・職員の教育・研修について具体的な基本方針と体系化された研修計画の策定が望まれる。

○Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
・地域の具体的なニーズに基づく、公益的な事業・活動の実施に期待したい。

○Ⅲ-2 養育・支援の質の確保
・標準的な実施方法を定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるような仕組みが構築されることに期待したい。
・アセスメントの様式を定め、結果が明文化されることが望ましい。自立支援計画について、子どもの意向確認と同意を得る手順等が明確にされることに期待したい。
・個人情報に関する規則に「別途定め」と規定されている、利用目的の特定や個人情報等の利用、登録・保管・廃棄に関する必要事項についての規則が定められ、適切に管理されることが望ましい。また、情報開示について、子どもや保護者から情報開示を求められた際のルール・規定が定められることに期待したい。

○A-1 子ども本位の養育・支援
・子どもの権利について、分かりやすい資料の作成や権利に対して向き合える機会の確保が望まれる。
・日常生活や行事参加等について、子どもの主体的な参加や意向確認、子どもと一緒に考え検討する機会など、子ども自身の主体性に配慮した養育支援に期待したい。

○A-2 養育・支援の質の確保
・性教育担当職員が性教育に関する各種資料を取り揃えているが、それに基づいた職員全体での研修や子どもへの具体的な対応が望まれる。
・子ども自身が習得すべき社会的ルールや生活技術、マナー等について明文化され個々に対応されているが、分かりやすい資料の作成や掲示など、子どもが習得しやすい工夫や改善に期待したい。
・スーパービジョンに関する体制の明確化が望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価受審にあたっては自己評価を行うことで、職員一人ひとりが日々の業務について振り返りを行うことができる良い機会となりました。評価委員の方々に客観的な視点で見ていただくことで組織としての課題や方向性を見出すこともできたように思います。
 前回の第三者評価受審時にマニュアルを整備し、それをもとに体制づくりをおこなって来ました。今回の評価結果を受け、さらに体系化の見直しを図り、それぞれの役割や仕事を明確化し、より質の高い養育を目指していきたいと考えています。
 また、前年度成立した社会福祉法人制度改革では、開かれた施設運営や地域社会への貢献などがこれまで以上に求められています。私どもの施設でも地域におけるニーズの把握に努め、地域に福祉サービスの還元ができるような取り組みを検討していきます。
 第三者評価受審の目的は評価を受けることではないと思いますので、今回の結果を真摯に受け止め、高い評価をいただいた項目についてはさらに上を目指し、ご指摘いただいた項目については改善に努めていきたいと思います。
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