【1】第三者評価機関名 | (株)寺井潔ソーシャルワーカー事務所 |
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評価調査者研修修了番号 | SK15089 2-036号 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 50名 | |
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施設長氏名 | 佐道 寛 | 所在地 | 石川県 | |
URL | http://kyoseijuku.com/ | |||
開設年月日 | 1946年05月17日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 享誠塾 | |
職員数 | 常勤職員 | 28名 | 非常勤職員 | 2名 |
専門職員 | 看護師 | 1名 | 栄養士 | 2名 |
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調理師 | 2名 | 社会福祉士 | 2名 | |
保育士 | 10名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 1人部屋11室、2人部屋9室、3人部屋3室 | (イ)設備等 | 食堂談話室、浴室、便所、自立室、宿直室、調理室、相談室、塾長室、事務室、指導課室、集会室、体育館、医務室、静養室 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 塾生の自立のために 1.塾生の最善の利益を考える 2.塾生を敬い愛する 3.塾生との信頼関係を構築する 4.塾生が夢と希望を持てる施設を作る 5.明るく安心して生活できる環境を作る |
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【4】施設の特徴的な取組 | 1.職員としての行動目標は援助になる関係の樹立を目指す。 2.小規模グループケアを含む建物の特徴を生かしたホームごとの生活環境整備を行っている。 3.心理担当職員によるケアの質の充実を図る。 4.学校や地域との連携を密に図り、地域福祉の向上に努める。 5.児童家庭支援センターとの有機的な連携を図る。 6.看護師の配置により、児童の健康管理、衛生管理,保健環境の維持に努める。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2018年03月01日(契約日)~ 2018年04月17日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成26年度 | |
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ■事業計画は、小規模化や専門的支援、地域支援など中長期計画の内容を反映し、具体的な活動や目標が示されている。平成29年度事業計画書には、例えば「年に1回ペースで自己の振り返りを行う『アセスメント面接』を導入しています。また、CAPプログラムなどの心理教育的なアプローチも継続します」と示されており、具体的な成果物の設定や実施状況の評価が行える内容となっている。 ■「期待する職員像」は、事業計画書の「今年度の養育目標」に明示されている。専門資格や専門知識についても事業計画書に示されている。専門技術として、「CAPプログラムに取り組み、職員の子どもへの権利擁護へ取り組む意識を高めている。また、現場職員は、保育士、児童指導員、心理士、看護師と専門資格を所持している。研修計画が策定されており、計画に基づき内部研修が実施され、外部研修に参加している。内部研修には、2か月ごとに精神科医がスーパーバイザーとして参加している。研修計画の評価・見直しは職員会議や養育会議に行われている。 ■感染症対策については、看護師が責任者となっている。感染症への対応マニュアルは、作成され全職員に配布されている。感染症が発症する時期には、その予防や対応について勉強会を実施している。インフルエンザに関しては、基本的に全職員・児童が予防接種を受けている。また、手洗い、うがい、換気を励行し、アルコール消毒液を設置する、共同のタオルは置かないなどの対応を行っている。今年度は2名がインフルエンザに罹患したが、1名は冬の初め、もう1名は3月終わりであり、共有スペースの立ち入りを禁止するなどの措置を行い、施設内での流行を防止できた。 ■日々の暮らしをともに一緒に生活できるように職員は断続勤務体制(平日は6:30~9:30,15:00~21:00、土日は8:00~21:00に宿直勤務者が毎日3名)という変則的な勤務シフトで子どもたちの生活に合わせている。日々の処遇の中でまず子どもの話をよく聞くことから子どもの心の中に何が起きているのかを知ろうとしている。また、子どもの児童票の情報や、心理職の面接情報、施設内研修や外部研修、上席職員によるスーパービジョン体制等により職員ひとり一人のスキルアップを図って子どもが表出する感情や言動を受け止められるようにしている。 ■いろいろな問題が発生した時に子どもは職員(大人)がどう対応するかを見ているので職員が意志一致を図り全員で向き合っている。学校へ行きたくないといって朝起こしても起きない子には職員が全員出勤して起こすなど、個々で抱えずにチームで対応している。子どもの行為の背景を理解することが大切でそのため研修でセラピューティックホールドやタイムアウト等の技法を学んでいる。職員が「ひとりの大人」として子どもたちに接したり、「ありがとう」の声かけをするといった日々のかかわりすべてが子どもへの教育となっている。 ◇改善を求められる点 ■事業計画の主な内容を分かりやすく説明した資料の作成は確認できない。そのため、事業計画を分かりやすく説明した資料を作成する取り組みが望まれる。 ■数年前まで人事考課を実施していたが、現在は行っていない。年2回の面談についてもその内容の記録はない。また、職員が自ら将来の姿を描くことができる仕組みについては現在取り組みを考えているということである。そのため、例えば、キャリアパス制度を採り入れるなどの取り組みが望まれる。 ■他の施設や家庭への移行の場合、アルバムなど本人の歴史は持たせるが、引き継文書はない。 また、退所の際は、退所時には「相談したいことがあったら、担当に相談するように」と 話はするが、文書等は渡していない。そのため、引継ぎ文書や退所後の相談相手を明示した 文書などを作成する取り組みが望まれる。 ■体罰等があった場合を想定したマニュアル等は作成されていない。被措置児童等虐待防止ガイドラインを参考にして、虐待行為や不適切対応があった場合の具体的な対応や、厳正に処分を行う仕組みの整備が望まれる。また、研修や周知への取り組みも望まれる。 ■被措置児童等虐待防止ガイドラインに基づくマニュアル等の整備は無い。そのため届出・通告があった場合の対応も決められていない。万が一発生した場合には施設長に報告し、職員間で検討し直接対応することは聴取したが文書、マニュアル等は無い。子どもに対してのガイドラインについての資料の配布や説明も実施されていない。被措置児童等虐待防止ガイドラインに基づくマニュアル等の整備が求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | ・評価の高い点に関しては、継続してかつ安定して子どもの養育にあたり、さらなる質の向上に結びつけたい。日常の何気ない積み重ねを大切にし、子どもが安心して生活できるよう、今後も取り組んでいきたい。 ・改善を求められる点に関しては、新たな文書の作成やキャリアパス制度の取り入れも検討したい。被措置児童等虐待防止ガイドラインに基づくマニュアル等の整備は早急に取り組むこととする。 |