社会的養護施設第三者評価結果 検索

ガーデンロイ

【1】第三者評価機関名 (特非)ニッポン・アクティブライフ・クラブ ナルク福祉調査センター
評価調査者研修修了番号 SK2021186
1501C025



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 松居 太開 所在地 大阪府
URL https://el-roi.jp
開設年月日 2010年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人イエス団
職員数 常勤職員 28名 非常勤職員 9名
有資格職員 社会福祉士 5名 社会福祉主事 9名
保育士 17名 臨床心理士 2名
公認心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 28室 (イ)設備等 事務室、応接室、面談室、会議室、診療室、セラピールーム
(ウ) 寮母室、居間、給食室、トイレ、納戸、更衣室、浴室、洗面所 (エ) 洗濯室、子育て支援室、地域交流スペース、多目的ホール、休憩室
【3】理念・基本方針 〔理念〕  「社会、地域、家庭とつながり、生き生きと主体的に生きる人を育てる」
〔基本方針〕1.法人創始者 賀川豊彦の貧しい人々を助けたキリスト教精神を引き継ぐ。
      2.社会、組織、人とのつながりを大切にする。
      3.子どものこころの傷を手当てし、自尊感情を育む。
      4.成長する子どもの力を信頼し、それぞれの個性を尊重して養育にあたる。
      5.養育の連続性を大切にする。
【4】施設の特徴的な取組 <施設の概要>
〇施設の特徴的な取組(沿革・環境・取組内容等)
 「ガーデンロイ」は、社会福祉法人イエス団が、創設者賀川豊彦の献身100年事業の一環として、2010年4月1日に生駒山の麓の自然豊かな閑静な場所に開設した児童養護施設である。
ガーデンロイは、「生き生きと主体的に生きる人を育てる」という理念のもとに運営している小規模児童養護施設(定員30名:本体24名、地域小規模施設6名))であり、同一敷地内にある乳児院「ガーデンエル」と相補的に連動しながら、事業運営を行っている。
ガーデンロイは、小規模施設の特性を活かしてより家庭的な養育環境を整えており、各ホーム(4ホーム)ごとに小規模グループケア体制(6名)を取り入れ、子ども一人ひとりを大切にした養育・支援を行っている。
本体施設での小規模ケアと共に地域分散化の取組みとして、本園の近くに地域小規模児童養護施設「マリア」」(6名)を併設しており、児童養護施設の小規模化と地域分散化を先進的に取り組みながら、社会的養育を実践している。
<施設の特徴的な取組>
① 全ホーム小規模グループケア体制
国が示す社会的養育ビジョン計画に先立ち、独創的で先進的な小規模化による施設づくりによるグループケア体制を整備しており、良好な家庭的環境のもとでの個別性に配慮した養育・支援の取り組みを行っている。
② 資質の向上のための組織化されたSV体制とメンタルヘルスの取組み
施設長のリーダーシップのもと、基幹職員、主任等のリーダーによる効果的なスーパーバイズ体制が整備されており、研修の機会も多く、職員の質の向上に熱心に取り組んでいる。また、常勤心理士による「何でも相談」を通しての職員へのメンタル面のサポートにも力を入れており、働きやすい職場づくりを目指している。
③ ICT化による情報共有化と日常業務処理の効率化
ICT化を通しての情報通信による業務の効率化と可視化された情報共有による連携プレーにより効果的な養育・支援につなげている。特に分散化されたホーム間の有効な連絡通信手段となっており、記録等の管理も一元化されおり、情報が全職員に共有化されている。
④ 個別性を配慮した養育の連続性と「自律と自立」を目指した取組
できる限り良好な家庭的環境づくりを目指したホーム制による小規模グループケアにより、職員による個別性を重視した信頼関係づくりを行い、日々の生活を通して基本的な生活習慣の形成と自律性を涵養し、自立した社会生活が営めるようなスキルトレーニングも行っている。


【5】第三者評価の受審状況 2022年06月22日(契約日)~ 2023年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ・イエス団は創設者の賀川豊彦氏が1914年に救霊園からイエス団に名称変更をした。法人は近畿圏を中心に多種の福祉施設35か所を展開され多角的な活動を推進されている。2010年、児童養護施設のカーデン・ロイは同敷地内に乳児院ガーデン・エルと共に開設された。
・生駒山の中腹、標高100m、豊かな自然の中生駒山遊歩道の入口にある。建物はすべて杉の木を使用し自然と一体化し四季折々を感じる良い環境の中で養育がされている。
・近年は施設の周りまで住宅か建ち、山の中腹であるが郊外住宅の良さと生活環境が整っている。
・1999年に基本理念である「イエス団憲章」を、2009年「ミッションステイトメント」を定め、一貫して安定した支援方針の下で活動されている。

◇特に評価の高い点
・子どもファーストが貫かれている。子どもたちに「先生」と呼ばせる施設が多い中、ここでは子どもたちは職員に声掛けする時、「さん」づけにしている。このような部分を目にするだけでも「ホームは家」を実践していることが実感できる。
・実習生を派遣している大学から、実習内容などでの高い評価を受けている。
・子どもたち全員が個室で生活している。

◇改善が求められる点
・規約や記録、書類関係は、きちんと整備されている。しかしあまりにきちんと完成形にしようとしている内容のために、職員の負担が重いであろうし、職員も子どもも、箸の上げ下ろしまで指示されているように感じているのではないかと、気がかりではある。
・ほとんどの子どもたちは、隣接する乳児院から上がってきている。家庭での実生活を知らないまま現在に至っているので、学校や近隣の子どもたちとの間での何らかの「差」を感じ、やり場のない閉塞感や不自由感を抱えていることが、アンケートからも感じられる。子どもたちが自らの存在や正しい生き方を求め、悩みつつ生活している面も伺える。施設としては、養育のための各種ルールの適用や子どもたちの心の成長に伴う揺らぎや悩みをカバーしてあげれるように更なる留意を期待する。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 助言があった箇所に関して真摯に向き合い、職員会議・リーダー会議等で共有し、施設としてのサービスの質の向上・より良い児童支援に取り組みます。また、高学齢児が増えて来たこともあり、子どもの一人一人の将来を見据えた支援のあり方を模索し、理念・基本方針・スローガンを大切にしながら施設運営を行いたいと思います。幼小中学校のみならず、高校進学児童も増えたことで、幅広い学校との連携や地域との共生も大事にしながら、社会情勢を踏まえつつ、ニーズの把握に努めます。
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